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西の魔女が死んだ/梨木香歩

西の魔女が死んだ (新潮文庫)
西の魔女が死んだ (新潮文庫)
梨木 香歩

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ども、ぢぇーむすです。まるで梅雨が明けたかのような暑さの今日この頃です。もう夏は目の前です。
この本は存じ上げておりませんでしたが、わたくしは先月号のダヴィンチという雑誌で、この本の作者の梨木香歩(なしきかほ)さんの特集なるものが組まれており、映画化されて今ちょうど上映中ですが興味があったので読んでみることにしました。新潮文庫西の魔女が死んだ』には表題作と「渡りの一日」という二作品が収録されています。
ところでこのタイトルに付けられた「魔女」というのは、この作品に出てくる主人公のまいのおばあちゃんのことではあるのですが、わたくしは実は魔女ではないのでは?と思っています。
魔女なのかどうなのかというのはどちらでもいいのかもしれません。ただおばあちゃんがイギリス人という異国の人というのがまずあって、日本人とは価値観、思考、もののとらえ方、表現の仕方など違うものがありそのシンプルな物事の見据え方捉え方、激しく動揺することのない落ちついた佇まいに、単にまわりの人たちから「魔女」扱いされてきただけに過ぎないのだと思っています。佇まいから醸し出てくるもの、彼女の人生哲学からくる彼女の生き方の表現が他の人にはなかなか理解できなかったということなのだと。ただおばあちゃんはまわりが自分のことをどう見ようと逆らわずにいるだけなのだと思います。そして彼女は自分が古い人間で今の時代の人には合わない部分も多々あるだろうことを認識しているので、自分を「魔女」とした方が面倒くさくなくて都合がいいのだと思います。自分を「異端者」に仕立てておいた方が話が早いわけです。
ただ話が進むに従って、果たしてまいとまいのお母さんの言ってることと、「魔女」である古いおばあちゃんの言うこととどちらが正しいのか?おばあちゃんの方が物事の本質を言ってやしないだろうか?と足下が揺るがされることになります。おばあちゃんの目には、まわりの人間が物事の本質や自然に沿った生き方から外れた「異端」に見え、人という生き物が「変わってしまった」ように映っているのかもしれません。
話の中心はまいの「魔女修行」ではありますが、「魔女修行」と言っても「魔女」らしさを感じさせる部分は一切ありません。おばあちゃんが培ってきた人生哲学をまいに伝授しているだけです。まいはおばあちゃんの言うことを続けていればおばあちゃんのような魔女になれると信じてるようですが、その「修行の内容」は単に人としての規律正しく謙虚な生き方を学んでいるに過ぎません。ただまいには「魔女修行」と称した方が都合が良いわけで、まいにとっては実社会へ復帰するための修行になるのです。つづく