ブアカーオ戦慄KO!
今回のK−1MAXのMVPは間違いなく佐藤選手!コレは誰も文句ないと思う。異議無し!ブアカーオ選手があんな倒れ方でしかもKOなんて見たコトない!アレは観ててヤバイ倒れ方だと思った。佐藤選手は過去2回の敗戦をアレでチャラにしたんじゃないか?ソレぐらいのインパクトはあった。
ブアカーオ選手は過去2回佐藤選手に勝ってるからナメてたんだと思う。ソレはたぶん彼のセコンドやまわりもそうだと思うな。だからブアカーオ選手は1R初っ端から短期決戦でラッシュをしかけたと。さっさと終わらせようという感じに見てとれた。ソレを観て、逆にワタクシは「コレ佐藤選手が凌いだら(勝負は)分からないな」と思った。
コレはワタクシはブアカーオ選手の悪いトコロだと思ってるのだが、どうやら彼は1・2Rで自分がポイントを取っただろうと考えたようだ。だからFINAL(3R)は「流す」。ムエタイの選手はえてしてそういう戦い方をする。一方佐藤選手は相手のスキを狙い打つスタイルだ。観てて一瞬解説にいた武蔵選手の戦い方を思い出してしまった。武蔵+アンディ・サワーといったイメージ。ブアカーオ選手の「流した」、単調になった攻めのスキを見逃さない。ソレがあのピンポイントのテンプルだと思う。あの倒れ方はたぶん脳震盪を起こしてる。普通は後に倒れるトコロを脳が揺れて前に倒れこんでいる。
ブアカーオ選手は相手をナメてたと同時に「武器」の選択ミスでもあったと思う。佐藤選手の方がどうしたって上背がありリーチがあるのだから、ブアカーオ選手はナメないで自分の足を主体にするべきだったと。ローキック、ミドルキック、攻撃を散らして左右に振って相手の足を止めてフトコロに入ってのヒザ蹴り、ボディ、アッパー。蹴りを効かせてのパンチである。ところがパンチにこだわったから(コレはセコンド含めての戦略ミスだと思う)当然リーチの長い佐藤選手のパンチの方が当たってしまう。ガードの空いてるトコロにドン!である。思えばブアカーオ選手が得意であろう(ワタクシはそう思ってる)ダメージを与えるあのイヤな前蹴りがホトンド見られなかった。ソレは相手と距離を測る戦い方ではなく、ブアカーオ選手のパンチの間合いで戦ったからだと思うが。
決してブアカーオ選手は弱くなったとはワタクシは思わない。だから「タイ人枠を考え直さないといけなくなる」というTプロデューサーの発言は早計だと思う。でもアレは彼にハッパをかけてるのカモしれない。まわりの成長の速さが著しいんだと思う。その速さに彼がついていけてないから差がついてしまってるんだと。彼もボクシング技術を磨くとか何か新しいモノを取り入れて進化していかないとこのまま取り残される、どんどん魔裟斗選手との差が開いてしまうばかりだと思う。
この1勝で佐藤選手はブアカーオ選手への苦手意識を克服したと思う。なんとなく戦いながら乗り越えようという意思が見て取れた。そして彼は打ち勝った。でもヒイキするワケでも何でもないのだけど魔裟斗選手にはどうかな?と。魔裟斗選手はブアカーオ選手のように精神的なスキがない。そして武器の選択ミスはしない。この日の試合のドラゴ選手との戦いを観てたら「ローが有効だな」とワタクシは思ったのだけど、次のラウンド(FINAL)で積極的にローを蹴ってた。コレはセコンドの確認・指示もあったらしい。というコトは布陣も完ぺきである。「目指すはアンディ・サワー選手」でも彼はもう佐藤選手のコトをナメないはずだ。加えて連打ができてスピードも速い。スタミナが落ちない、というコトは集中力も持続するというコトだ。この日の彼の試合の相手がドラゴ選手というのもあったけど、1Rから2Rの彼のスピード、攻め、全て落ちない。攻撃受けてダメージもらったらまたどうか分からないけど、1Rの速さのままFINALまで突っ走る。かたや佐藤選手には連打がない。手数が少ないしソレもそうだけど一番の大きな差というのは大舞台の大勝負に慣れてないというのがある。世界の頂点に初挑戦というのも。佐藤選手はソコを意識し過ぎて飲みこまれやしないか。この精神的な差は大きいと思う。彼のメンタル面が試される。