店舗起業支援塾⑧。
今回はいよいよ飲食店の授業。雑誌『近代食堂』の編集長をゲストに招いて、現在の飲食の動向をトーク&サッポロビールの方が講師を務めての講義。
飲食は「中食(なかしょく)産業」が盛んである。中食というのは、外食が文字通り「外で食べる」「外に食べに行く」のに対して内食(おのおのの家庭でごはんを作る)、その真ん中の、外で買ってきた食べモノを家で食べたり会社で食べたり、いわゆるテイクアウト系のコトを言う弁当やもそーだし、デリ(惣菜や)なんてのもそう。宅配(寿司、ピザなど)も入る。飲食店にとって一番脅威なのはコンビ二の存在。コンビニは幅広くいろんな業界を脅かしている。まぁそりゃそーで、雑誌とかお酒やらいろんなモノが置いてある便利さ・手軽さがコンビニエンスたる所以なのだから。飲食も例に漏れず大打撃、というコトだ。
一方、飲食で起業する人というのは年々増えている。まず会社を退職した人たちの層があり、若い人たちの起業も増えているという。ソレと子育てを終えた主婦の方々の起業も増えているんだそうだ。ま、簡単に言えば「サラリーマン以外」というコトで、全体的に増加傾向にあるというコトだ。でもサラリーマンでも副業で起業というケースもあるけどね(飲食の場合はそんなに無いのカモしれないけど)。
この増加傾向の理由には、飲食業が他に比べて参入しやすい(と思われている)コト。物件の家賃が下がっている、やり方しだいでローコストで出店ができる→資金に乏しくても可能だというコトが上げられる。ワタクシ個人的な考えとしてはなにより「わかりやすい」のである。参考になるモノが、まわりの店にしろ本にしろ何にしろいっぱいあるので、ソコから情報をチョイスしていけば良い、という感覚がある。だからこそ誰もができ、という幅広い器はあるが、その器にあるパイは誰もが取れるワケではない。参入しやすい=競争率が激しい、というコトだ。
競争率が激しい、というコトはいかにその競争に巻き込まれないか、という独自の立ち位置の確保が必要になる。ワタクシのような個人では大手にはとうてい勝てない。資金・立地・実績・信用、あらゆる面で個人は不利である。なので大手のような販売の仕方、同じ土俵で真っ向勝負ではなく、逆に大手がマネできないような、大手は二の足を踏んでしまうような、パイが小さすぎて手をだして来ないような商品・知恵・センス・販売方法などで勝負!というコトになる。
例えばあまりポピュラーではなく、ちょっとマニアックな商品。ソレもある程度は需要があると思えるモノ。年間売上一億程度なら大手は参入してこないが、個人にとっては十分なので、そのくらいの規模を狙うなど。大手というのは確実に自分が勝てる勝負しかしないものだ。確実に利益を出しつづけないといけない。株式になると余計にそうである。なので個人のように臨機応変な対応ができなかったり、面白みも無くありきたりな商品、または流行りモノの二番煎じ三番煎じになりがちである。ソレはソレでやり方としては2匹目のどじょう、3匹目のどじょうをねらって一時的に儲けるという意味で「あり」ではあるが、所詮はすぐにマネされ、ブームが一段落、一巡してしまえばおしまいである。
よってブームにのっかってなどの「マネ」ではなくオリジナリティ、「その店ならでは」のモノ・コトが大事になる。もちろんあるていど時流を読むというのは必要カモしれない。しかし一時的にブームにのっかるにしろ何にしろ、ソレはあくまでサブとして、メインのしっかりした軸は重要である。どんなモノでもそうだと思うが、結局は「店ならでは」のモノ・コトを持つコト。「代替可能」ならワザワザなけなしのお金を出してお店を作る意味がない。代替ができないから、人はワザワザそこに行くワケである。個人はソコを狙うべきである。
他にサッポロビールの方から「メニューの見かた」や「おもろい店」を教えてもらったので、ソレは次回。