チェーン店と個人店②
今、二極化が進んでいる。デフレで安価なモノと本物志向の高価なモノ。人の貧富の差も開いてきてる。バブル後にがんばった人とそーでない人の差。「人」というより「会社」と言った方がいいカモしれない。がんばってもがんばっても報われない、そんな人が多い世の中なのだろう。そーいう組織がいっぱい、というコトであり、そーいう組織が日本の大半、という現状。だったら小さな店でもいいから一国一城で、自分がめいっぱい隅々までやれる、という方がワタクシには魅力的に映る。例え会社の保証がなくても、責任が全部自分に降りかかってこようとも。だから今は独立開業花盛りである。
個人でなら質をキープしてなおかつ向上していくのもたやすい。さながら花を育てるかのごとく。しかし人が複数になっていくに従って意志統一がまず第一に必要になってくる。商品の質を保つ以外に人の質も保たなければならない。前に書いたが言葉というのは「伝言ゲーム」性があるので、この人の質を維持していく、ソレも長年に渡って、というのが第一命題になると思う。
バイト先に目を移すと、この点が見るもムザンに下降している。ワタクシが入った時に居た店長というのは、たぶんその頃も店の売上は芳しくなかったに違いないんだが、そーいったネガなコト自分の部下たちには見せるコトはなかった。体育会系なノリの人ではあったが、自分が店を引っ張っていかなきゃならない!という気概に満ちており、ソレがみんなに伝播して店のテンションをキープできていたのだ。
ところがその店長が異動してから「代わりの店長」という人が入れ替わり立ち替わりするたびに、キープしてた意志がドンドン落ちていってる。この状態をも少し細かく書くと、バイト先は「チェーン」て程じゃなく「串だんご」ぐらいなんだが、一応大手会社の資本によるレストランで、ようは売上が良くないのであまり重要視されてない、という現状がある。だから前の店長は人材的に優秀だったから、売上のいいトコロへ異動になったし、同じ系列で閉めちゃった店があるんだけど、ソコの店長だった人がウチにやってきて、代わりの店長を務めて、という流れで、今はその店長もご家族の事情で退職して、若い社員が店長としてやってる。ようはだんだん店長の質が落ちてるワケ。で飲食て慢性的に人手不足だから、ウチなんかは誰でもかれでも現在は採用してしまってる。人の採用てホントは店のテンションをキープできる人を店側としては考えなきゃいけないはずなのに「誰でもかれでも」ならそりゃレベルがどんどん落ちていくて話である。長く働いてる人からは「昔は良かった」と不満がつのる。だからバイト先の内部的にはケッコー空気悪い。飲食店て食事以上に活力とか「気」を与えるトコロでもあるのに、働く側が楽しく働けてない店なんていいワケがない。
とまー内部事情を書いてはみたが、じゃー何が悪い?としたら、上が悪い!となる。「組織について」で書いたけど結局上もどーしていいのかわからない。上がわからないんだから、その下の店長とか社員とかも会社の意向がどーいうモノかわからない。会社てのは上からの指示で下が動くモノだから、下がいろいろ思ってても上が「GO」を出さないと動けない。勝手なコトができない。「ソレは違うんじゃないか、、」と思っててもやらなければならない。組織が大きければ大きいほど動きに即応性がなくなり、鈍重になる。その点個人店は、例えばTVで「○○がいいらしい」とか話題になれば、次の日にすぐソレを扱える。メニューに取り入れるコトができる。そーいうフットワークの軽さがあるし、ソレが武器になる。今はTVや情報が乱れ飛んでいるので、ソレに対応できるのはやはり大きいトコロよりも個人店の方が即応性が高い。昔はあぐらかいて、来てくれるお客さんを迎えてれば良かったのカモしれないけど、コレだけ情報が密になり「マニアック」になった世の中では、やり方が古いんだよなー、と思う。