「夢のカード」問題。
なんとも煮え切らない。昭和の時代は、この手の「夢のカード」問題は結局は夢のままで終わったりして、観る側も実現の可能性があんまりないのは分かってても盛り上がってた。でも今は平成、令和と時代を経て、ココまで平行線で決まらない「夢のカード」も珍しい。
結局「4角関係」みたいなコトなんである。3者は「やりたい」「OK」と言ってるのに、1者だけ「No」と言ってる。いや、客というか観る側もいれて「5角関係」か。観る側の支持もあるのにカタクナに決まらない。
ワタクシは発端や詳しい経緯はよく分からない。どうも天心選手が武尊選手と対戦したい(はっきり名指しで言ったかは分からないが)と言ったのが始まりのようだ。でもこの際誰が先に言ったかはどうでもいいような気もする。もう現時点においては両者やりたいと言ってるのだから。
随分前から発言してるのだけど(記事で見るのだけど)、本当に武尊選手は「動いてる」のだろうか。その「動き」というのは「天心選手との試合実現のため」なんだろうか。動いてるといってからもう随分経つし、いまだに同じ発言をしてる。長い間「動いてる」と発言してるわりには、団体側はソレほど深く考えていない感じもする(ポーズだろうか?)。一般選手と同じような対応で考えているようだ。コレが武尊選手が動いた結果なのだろうか。状況は一向に変わってないのではないだろうか。天心選手も本当に動いてるかどうかは定かでないが、とりあえず団体側はOKを出している。譲歩案も出し、実現の方向で努力しているのは伝わってくる。Kー1側は歩み寄りの気配すら感じない。
このコトから、たとえ団体を代表するチャンピオンだろうがアンダーカードの一選手だろうが、発言権・発言力は無いに等しいというコトが露呈してる。結局は商品なのだから。ソレで考えると、むしろ万が一にでも商品価値に傷が付かないように選手を守ってる団体のほうがえらいという考え方もある。自分たちは何を言われても構わない、選手の商品価値を守りきるという団体側のスタンス。もしコレが武尊選手じゃなかったらどういう扱いだっただろうか。そんなコトも考えたりする。
しかしいくら団体のスタンス的にNGだとしても、記事のような言い草はつまらない。契約して下からやってこい、というような。仮にも天心選手は他団体のチャンピオンである。他団体であれチャンピオンなのだから、ソコは敬意を表した発言をしてもいいのではないだろうか。無冠無名の1選手じゃあるまいし。
ワタクシは今のKー1はよく知らないのだけど、思うにKー1側は武尊選手につづく人気のある選手がいない、というコトなのではないだろうか。だからもし万が一武尊選手が負けるようなコトがあったら非常に困る、と考えているのでは。だけどコレは天心選手もそう変わらない気もするが。RISEもよく知らないけど、団体関係なく今は天心選手だけ飛びぬけて有名という、そういう意味での「天心1強」なのだから。逆に天心選手が負けたら武尊選手はスターダムに躍り出るような気もするが。
でも本当のトコロをいえば、両者ともまわりが言うほど本気でやりたいとは思ってないのではないだろうか。両者とも団体の顔だからこそ「やってほしい」とまわりが勝手に盛り上がって、みんなが期待してるからこそ「やりたい」という気になってるだけ、という。
ワタクシはもうすでに賞味期限のピークは過ぎたと思っている。やるんだったら去年の年末ぐらいが一番よかった。天心選手は年齢的にいえばコレからの選手であって、まだまだ可能性を秘めている。世界進出やボクシングにも興味がある。ワタクシとしてはもうあえて武尊選手とやる必要もないのではないかと思っている。コレが実現しないから足踏み状態で、実現するか分からないカードを待ってるその間ソレなりの相手と消化試合をやってるよりは、さっさと世界進出なりボクシングの世界に飛び込んだほうが、天心選手の成長の妨げにならないと思っている。
コレでもし武尊選手がK-1をやめるという事態になったらどうなるんだろうか。たぶん武尊選手は団体に守られているというのは自覚してるはずである。ソレは悪い意味だけではなく良い意味でもだ。信頼されてるから裏切りたくないという部分もあるだろう。チャンピオン、団体の顔だからこそやめられない。ソレも十分解っているのだろう。もしチャンピオンでもなくただの1選手だったらとっくにやめてるカモしれない。他の選手同様にやめて参戦したほうが早いからだ。
もしコレが逆だとしたら、おそらくRISE側は武尊選手に1から上がってこいなどとは言わないだろう。早々に、良い時期に大きい場所でメイン扱いだ。
この夢のカードを実現させる一番手っ取り早い方法は、武尊選手がKー1をやめるコトだろう(天心選手がK-1と契約したとしても下からやってったら、楽勝だとしてもソレなりの年月はかかってしまう)。でも武尊選手はそうはしたくないはずだ。K-1が消滅まで行かなくても衰退してしまうから。「やめてまで実現させる」という、ソコまでの覚悟と勇気があるだろうか。ソコまでの本気と覚悟で団体と交渉して、はじめてこの「夢のカード」問題は進展するのではないだろうか。