一瞬のまばたきみたいに消えてしまう僕らはきらめき/榊いずみ ☆4☆。
4曲目は『まばたき』。この曲もライブではおなじみで、ライブアルバム『WONDERFUL LIFE』にも収録されてるけど、今まではイメージとしては縦軸を貫くように響く声、て感じだったんだけど、今回アルバムに収録されたバージョンはストリングスも入ってるからか、空間的な音の広がりと音の厚みを感じる。なんだかとてもいいモノで浄化されるような、拡散パワーにあふれている。
歌の感想は以前書いた。まばたき「すれば」と「ほどの瞬間で」で2つの意味がある。「まばたき」と「永遠を越えて」のベクトルが逆の言葉同士。この曲が直接的なきっかけとして、こういうアルバムテーマでありアルバムタイトルにしたのかな?
この曲のようにライブで先に発表済みのをアルバムに収録するていう形だと、逆に難しさがあると思うんだけど、コレが「オリジナル・原曲」て考えより、あくまでこの「アルバムバージョン」て考えた方がいいのカモね。他の曲にも言えるコトだと思うんだけどさ。
この曲は現時点での「榊いずみ」の1・2位を争う、名曲中の名曲だとワタクシは思ってる。
次の5曲目『七色のクレヨン』。コレもレコ発ライブで初お披露目だった曲だけど、曲間の変拍子後の「やさぐれ」は、たぶん「ブルース」なんだろうな。半音下がったりとかするからたぶん。音楽用語として合ってる?
この曲はおそらくいずみさんが反抗期だった頃のコトが書かれてると思う。いつか自分のコトを理解してくれると思っての行動。そうやって一時期、親に背を向けて子供は大人への準備をするんだな。ソレは「自立」への第一歩、とすれば人として当たり前のコトなんだろうね。
「愛する」てのは人が人を思うコト。でも『目の前のドアを開けろ』の歌詞でも出てくるように「人の気持ちなどわからない」といずみさんは歌う。ソコはいずみさんの諦観だと思うんだけど、ソレでも人は人を思わずにはいられない。お母さんお父さんがまだ話せない赤ちゃんの気持ちを泣き声やちょっとした表情で何とか知ろうとする。分からないからこそ分かろうとする。コレは愛だ。
争いが起きるのは人を分かろうとしないコトから生じる。耳をふさいで、相手の言うコトを聞かず、ただひたすら自分の信じるモノを意地になって守ろうとする。ソコから人と人との衝突が始まる。愛するがゆえに他者と衝突する、というコトもありそうだ。勘違い、思い違いというコトもあるだろう。
人にはソレゾレ信じるモノがあるから、ソレを汚されたり傷つけられたりすれば他人と衝突もしてしまう。でも「他人が何を考えてるか、どう思っているか」という他人の視点を持ってみるコトで、相手の信じるモノに考えが及んで、ソレが理解や寛容につながる。衝突を恐れてはならない。自分が生きてく中でいろんな経験をし学んでくコトで、他者の気持ちにその経験したコト学んだコトを当てはめてく。そのコトによって、できるだけ衝突を避けるしかない。この世界、いろんな人がいるのだから、人を思う自分の気持ちを信じていくしかないでしょう、というコトかな。
先ほどの赤ちゃんのコトで言えば、赤ちゃんは赤ちゃんでお母さんお父さんのしゃべってる言葉の意味は理解できないから、お母さんお父さんの表情やちょっとしたしぐさからお母さんお父さんが言わんとするコトを読み取る。そしてお母さんお父さんの言葉を次第に真似して、意味を理解し、言葉を覚えてく。難しい言葉で言えば「ミラーニューロン」て言う神経細胞があるんだけど、もともと備わってるんだよ、人間にはそういう機能が。だから人の気持ちを分かろう、とするのは自然な行為なんだと思うよ。