過去があるから今がある。石(意思)が積み重なってココにいる。
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 ◇最新本◇  今年(といっても2021年だけど、、)読んだ本。後編 

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味の再現性について。

久しぶりにコーヒーの話。プロの料理というのは「たとえお客さんの来店が続いてオーダーが入っても、いかにスピーディーになおかつ同じ味を再現できるか」というコトに尽きると思う。そういう時にプロとしての真価が問われると思うのだ。
ラーメン屋さんが毎日なるべく同じ味に近づけるようにスープを丹念に作る。素材の持ってる味は微妙に違うはずで、細かいコトを言えば季節、その日の天気、気温などの気象、そういう様々な要因も考慮して微調整をし、なるべく「同じ味」にする努力をする。100杯注文があれば100杯とも同じ味に作る。もちろんお客さんの好みや体調による調整はあるけど、基本そういうコトだ。お客さんは「この店はこういう味」という明確なイメージがあり、その味を求めやってくる。その期待や信頼を裏切らない。
でもコーヒー豆というのはたとえ同じ産地同じ農園の同じ種類の豆であっても、気候条件で毎年その豆の持つ味がビミョーに変わってくる。長期保存をすれば豆の鮮度も落ちてくるだろう(ソレによって味が良くなる場合もあるが)。しかしお客さん側としては「あの時飲んだあの味」を求めにもお店へやってくる(もちろん新しい味を求めにくる人もいるが)。コーヒー豆は自然の農産物。本来、農産物なのだからソレゾレ味がビミョーに違って当然。けど、味の再現性という観点から考えると「不可能なんじゃないか?」と思えてくる。
なんでかなぁ?と考えてみたら、料理というのは「調理」という人的行為がある。人の手が加わるコトで味の調整(=再現性)が可能になる。しかしコーヒー豆というのは、調理という工程はない。せいぜいソレにあたるのは「焙煎」になるのか。だから逆に言えば調理という工程が無い分、豆の精製方法や焙煎、抽出、豆のブレンド等という部分でしか味の調節をする余地がない。料理は素材の味がビミョーに違っても、最終的にはお客さんのイメージする味の範囲内に収めるコトができる。でもコーヒー豆というのはその豆の持つ味が第一で、豆の持つ味に依存せざるをえないトコロがあるので、人の手が料理より入らない分というのもあって、味のブレが生じ、お客さんのイメージする味の範囲外になりやすいのだと思う。
「素材の持ち味を最大限に引き出す」という考え方があるけど、コレと味の再現性というのはブツかるのだ。コーヒー豆で言えば毎年味が変わってくるのだから、最大限に引き出すコトという抽出なりに重点を置くと味の再現性にはつながらない=お客さんのイメージする「あの時飲んだあの味」にならなくなってしまうの可能性が大きい。果たしてソレがお客さんにとっていいのか?という問題がある。
ワタクシもお客さんとして、この点で正直若干の失望があったりするコトもある。でもワタクシの場合は、コーヒー豆というのは自然の物なのだからしょうがない。今回(今年)はこういう味なんだ、というコトで納得し楽しむ。そういう時はお店側としては、たぶん「新しい味の提案型営業」になるのだろう。今年はこういう味です、と。でもお客さん側としては「あの時のあの味」を飲みたいというのは正直あると思うのだ。お店側にしてみればソレは「ムリな注文」なのだけど。
一方、味の再現性に重きを置くと、ソレは決して「最大限に引き出す」とは限らなくなる。他の素材との関係を考えながらという全体的な味の調和が求められる。よって素材の持ち味をなるべく引出しながらも、毎回同じ味がだせるようにという高い次元での折り合いが必要になってくる。
コーヒーというのは「毎回同じようなイメージで安心して飲める味」のモノと、ワインの考え方と同じように「一期一会」的なモノと2種類あるモノと心得る。スペシャルティコーヒーだと、ブレンドは再現性の方向で(もちろん創造的なブレンドもあるだろうけど)、ストレートは持ち味の最大限の引き出し方向といえるのかな。