生豆>焙煎・抽出技術。(コーヒーセミナー⑤)
コーヒーは生豆の質で6割7割決まってしまうという。あとは焙煎で2割3割、抽出なぞは1割程度のモノだ。
昔はコーヒーの豆の質が悪く、というよりも「この豆はこういうモノなんだ」という、盲目的な思いこみで間違って認識されてたので、豆そのものの良し悪しが判断できなかった。判断できる知識を持っていなかった。コーヒーの生豆そのものに目を向けず、コーヒー抽出についてのみの技術追求の時代があった。
しかしコレはコーヒーだけに限らないが、単体の素材の持つ味というのはその素材以上にはならない。たしかに複数の素材を組み合わせた旨味の相乗効果というのは化学的にもあるが、調理でも抽出でも、その素材の持つ良さを最大限引き出せるかどうかである。よってこの抽出の1割というのは「表現しろ(余裕しろの「シロ」)ぐらいに考えた方がいいと思う。その1割で人為的に味の表現(調節)が可能である、という認識。
コーヒーの味というのは様々な要素によって左右されるのだが、ソレは生豆の状態でも当然変わってくる。コーヒー豆というのはご存知のとおり赤道に近い、中米ブラジルアフリカインドネシアハワイなどの地域で育てられる。コレらの帯状の地域を「コーヒーベルト」とも言うが、日本から近いといってもせいぜいインドネシア程度で、他の国は遠い。豆は船積みされるので、送られてくるのに時間がかかる。入港したら農作物は入港チェックがある。この船積みされる時の保存状態はどうなのか?もっと言えば、豆を採取して精製してからすぐの積みこみなのか、ソレとも日が経ってなのか?焙煎業者さんというのは、この点にかなり気をつかう。保存状態の良い濃いグリーンの豆を焙煎するのと、保存状態の適切でないやや黄色がかった豆を焙煎するのでは当然味に影響する。
コーヒー豆は生鮮食品である。豆や挽いてもらった粉を買うと冷凍保存するよう薦められる。でないと風味がどんどん抜けてく。味がおちてくからだ。豆の劣化。野菜でも何でもそうだと思うが、適切な保存の仕方をしていないとどんどん劣化してく。
もう一度書くが、素材はその素材以上にはならない。というコトはできるだけ質が劣化しないようにするのが好ましい。素材そのものが良ければ、たとえ技術はなくとも基本的に味はいいはずである。
あっというまの4時間半だったけど、コーヒーをガブガブ飲んでばかりだったのでお腹がすいた。駅近くにM屋があったので早速「何か食ってくかぁ〜」と入ったはいいのだが、出てきたサラダにドレッシングをかけて食べたら、ケミカルな味がしてしょうがない。カッピングによって味蕾(みらい=舌の味センサー)が刺激され、敏感になってるのだろう。しょうが焼きは豚の味がないし、油がまとわりついてるだけだし、、。やっぱこうなるとバランスが悪いのだな。一級品を飲んだらソレ相応のモノを食べないと差が明確になってしまう。だからグルメの人てああなのだな、と思った。