品種と精製方法も重要。(コーヒーセミナー④)
最後にブラインドテスト。①②③三つのコーヒーのカッピングをして何の豆かを当てる。1つはもう粉の時点で分かるエチオピア。もう1つは飲んでみてすぐ分かった。ブラジルだ。残り1つがコロンビアかケ二アか迷うがケニアにする。全部正解。飲んだ印象で判断つかない場合は、アフターテイスト(後味)も判断する要素になる。
カッピングの技術は訓練と回数によって高めるコトができるんだと思う。自分の中にコーヒーのデータが蓄積されて、人に言葉でコーヒーの持つ特性や味を伝えやすくなる。今回は始めてというコトもあり、各種類の味がちがうというコトが分かれば良い、というレベルであった。カッピングでは、アロマ(=抽出したコーヒーの香り)、コク(=味の奥行き(深さとも言う)や粘性(粘り。ボディとも言う)、酸味(強いか弱いか、良い酸味か悪い酸味かなど)、アフターテイスト(持続性、後味(余韻))、クリーン(雑味の有り無し(透明さ))をチェックする。熟練していれば1回ズっとすすっただけで、いっぺんにかなりのコトがチェックできるのだろうけど、ビギナーはまず酸味なら酸味だけに注目してカッピングし、という具合に1項目ごとチェックしてみるといいようだ。
カッピングして口に含んだコーヒーは飲んでもいいが、基本吐き出す。でも慣れてないので飲んでしまう。味の分析をするために何回もズズズズやるので、先の抽出基礎講座のコトもありお腹チャポチャポ。「、、ゲフっ」てなモンである。もうかなりトイレに行きたい。
ところで一般的にはコーヒーを選ぶ時「ブラジル」とか国名で選ぶと思うが、実はコーヒーというのはソレだけではなく、もっと細かく分類される。ワインだとメルロー種だとかソーヴィ二オンだとか、全然詳しくないがある。もっと分かり易いモノで例えるとお米。日本人が主に食べてるのはジャポニカ米だ。その他に中国もタイもある。コーヒーにも品種がいろいろある。アラビカ種やロブスタ種なんてのは聞いたコトがあるカモしれないが、今は品種改良などによってたくさんの品種がある。ティピカ種ムンドノーボ種ブルボン種カツーラ種カツアイ種、、、ともっとたくさん。コレからも増えつづけてく。ワタクシたちがお米の違いをハッキリ分かるように、コーヒーも国名よりも先に、まずはもともとの「品種」が先に来るのではないか?と思う。とりあえず今回はティピカ種の味は覚えた。草っぽい味。
ソレととても重要なのが精製方法。コーヒー豆というのは、まわりに実がついてる状態でなるので、実(果肉)を取り除く作業が必要。コレを精製と言い、その方法にはいくつかの方法がある。果肉を取り除くのは同じなのだが、天日干しで乾燥させてからだとか水槽につけてだとか。果肉と豆の間に薄皮のようなヌメりがあるのだが、コレを残すか残さないかで当然味も変わってくる。今はこの精製方法もどんどん改良されている。
あとたとえ同じ農園だとしても、日当たりによってコーヒー豆(実)の出来がちがってくる。驚きだが話を聞けば納得。やっぱり農作物なのだ。以前あるカフェで疑問に思ったのだが、だから同じ農園の豆でいわゆる並品とカップオブエクセレンスの特級品が存在するのだなぁー、と。コーヒーを育てるのに「シェードツリー」なんていう日差し避け用の木をまわりに植えるコトもあるぐらいなので、日当たりが良ければいいかというとそうでもなく、時間帯によっても変わってくる。基本的には標高の高い場所で採れたコーヒー豆は質が良いと言えるのだが、ハワイコナはハワイという標高が低いトコロでも、日差しがある時間帯が限られており、標高の高い場所と変わりはないらしいので、質の高い豆が採れる。
このように採れる場所だけに限らず様々な要素がコーヒーの味に深く関係してくる。その中で何回もカッピングを重ね、自分の中に評価基準を作り上げていく。スペシャルティと呼ばれる基準は80点以上の豆なのだが、その「80点」の境界線を自分の中に持つ。コレができてる人は少ないらしい。80点の評価基準が自分内にあるというコトは、その点数以上の豆も飲んでる経験やデータの蓄積がないと、評価基準が出来上がらないからだ。そしてもっと上の点数、85点90点となると、ソレより上の豆というのは年に1回出会えるかどうかというレベルらしいので、ソレを飲むという経験すらできない人も多数いる。というコトはおのずと、ソレを飲んだ経験をした人しか評価はできない、というコトになる。ワインはその点はもう確率されてる世界なのだが、コーヒーはまだソコまでは未開拓・未知の世界なのである。