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コーヒーは世界を救う!!

スペシャルティコーヒーの本
スペシャルティコーヒーの本
堀口 俊英

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今回のやぎ本はぢぇーむすくんに代わりまして、ワタクシかたことが本の紹介をしたいと思います。今回紹介する本は『スペシャルティコーヒーの本』(¥2000+税)です。この本の著者である堀口俊英氏は、千歳船橋に本店・研究所を構える珈琲工房HORIGUCHIのオーナーさんであります。この本は彼自身の活動や彼のコーヒーに関する研究(研究所としての活動)内容について書かれてるモノで、一般向けではなく、コーヒーに興味のある方やスペシャルティコーヒーについて深く知りたい方向けの内容となっております。
タイトルに掲げた「コーヒーは世界を救う!!」からご説明しましょう。何故たかだか一杯のコーヒーで世界が救えるのか?
堀口さんによると2000年頃からコーヒーの世界は急激に変化してきてるというコトで、じゃぁどのように変化してるのかというと、まず2000年の前、1990年代にあのスターバックス(略:スタバ)が業界に旋風を巻き起こしました。ソレまで日本でのコーヒーの地位というモノは、あの昔ながらの喫茶店という業態が衰退し、地位などなかったようなモノです。ところが1995年、スタバが日本に上陸して以降「コーヒーを飲む=おしゃれの象徴」になりました。今までの古かった販売方法を徹底して改めた形があのスタバです。コレはコーヒー業界の革命と言えるでしょう。
その革命の1つに「豆の質」というのも要素としてあります。スタバ以前と以後に分けるとしたら、スタバ以前日本の国内ではドトールに代表される大手チェーンの安いコーヒーが人気でした。今まで昔ながらの喫茶店でしか飲めない、ソレほど一般的でなかったと言える「コーヒー」という飲み物が市民権を得たのです。その功績はたしかに認めるトコロですが、一方コレを「生産者側」に視点を移してみるコトにしましょう。
コーヒーの豆、というのは世界各地で生産されてますが、大体はいわゆる発展途上といわれる第三世界、第三国でつくられており、その国にとって重要な輸出作物であります。ようはその国をコーヒーという作物が支えてる、というコトであり、コーヒーなしでは国が成り立たない、そんな状況だとも言えるのです。そんな第三国で作られてるコーヒーを、ワタクシたち、一応世界では裕福な部類に入る、先進国と言われてる国がディスカウントで買い叩いて、大量に安く買ってる、ソレがあの安いコーヒーの正体なのです。彼ら生産者に多大な労苦を強いてるにも関わらず、ソレに見合った賃金・報酬を彼らはもらってない。ソレが現状なのです。ワタクシも含めてですが、消費者は知らず知らずのうちにそのコトに加担してるのです。
ソコで「フェアトレード」という概念がスペシャルティコーヒーにも流入してきました。このフェアトレードという言葉は、生産者の生産した作物などに対して見合う対価をしっかり支払うコトで、彼らの生活を支えようという概念です。生産者から消費者までのモノの流れのサイクルを考えた時、彼ら生産者の役割というのは極めて重要で、特にコーヒーに関して言えば、世界各国で作られてますが、日本からは遠くアフリカのケニア中南米のメキシコ・グアテマラなど、なかなか気軽には日本からおいそれと行ける距離ではなく、現地の生産者に頼らざるをえません。彼らにしっかりちゃんとしたコーヒー豆を作ってもらうには、ソレなりの報酬や人対人のコミュニケーションなど、信頼関係を築くコトが不可欠となります。コレをパートナーシップと言います。生産者もソレを買い取る堀口さんのような個人の卸の人や問屋さん、全員が「ウチの豆は世界一!!」と胸を張ってコーヒーを売るコトができるように、みなさん心血を注いでいます。みんなが横並びなワケです。その内情、2000年頃からのがらりと変わったコーヒーの世界の一部が、この本から窺い知るコトができるのです。
とムズカしいコトを書きましたが、飲めば一見してすぐに誰でも安いコーヒーとの違いが分かります。まず味の深さが1段も2段も深く、よくワインと似てるなんてコトからワインと同じような表現の仕方を当てはめるのですが、ワインで言う「ボディ」がしっかりしてるのです。コクがあって、中には果実ぽい芳香を持つコーヒー豆もあります。コーヒー豆というのはもともと「チェリー」といって育った時は赤い実をつけてるのです。その中に豆があります。だから果実ぽい芳香を持っていてもなんら不思議ではありません。そういった特徴はワインと同じように産地や気候、年、精製方法などで全て違い、どれ1つとして同じ品種の豆は存在しません。本来農作物というのはそういうモノです。我々はそろそろ、コーヒーについても「旬」のモノを飲むという考え方を持ってもいいのでは?とワタクシは思います。コーヒー苦くてあんまり好きじゃないという方、カフェラテやカプチーノももちろん美味しいですが、スペシャルティコーヒーと呼ばれるグレードの質を持った豆のコーヒーを飲んでみれば、「今まで飲んでたコーヒーは何だったんだ?!」とコーヒーに対する認識を新たにするコトでしょう。
小難しいコトを言ってますが、ワタクシは結局は美味しいコーヒーを飲みたいだけなのです。でもワタクシ自身、ガンダムSEEDやモモを通りぬけた今現在の自分が、コーヒーというモノで何ができるのかと考えた時、スペシャルティコーヒーの、特にこのフェアトレードという考え方に共鳴したワケです。このスペシャルティコーヒーを、美味しいコーヒーを飲んだコトのない人や今までコーヒーを「苦い」というだけで敬遠してた方にこそ飲んでいただきたい、と考えています。そうするコトでより多くの人に、真にコーヒーの持ってる味を広め、微力ながら世界を助けるコトができるカモしれない、と思っています。一杯のコーヒーで世界を救えるのです。あの白い腕輪なんかよりもよっぽど有効だと思います。(アレは「啓蒙運動費」なだけで、直接的なモノではございません。意思だけならばソレこそ白い布を腕に巻けばいいのです。)より実感として「救ってる感」を感じるだろうし、逆に救われるんだとも思います。
今現在で言うと、スペシャルティコーヒーは売り手市場と言えるようです。スタバを筆頭とするコーヒー業界がこぞって少ない豆を買い漁ってる状態です。そういう状況ですので、堀口さんのような個人の人にとっては今後キビしくなっていく状況ではあります。スタバもアソコまで企業が拡大し、ついにはコンビニにまで参入、となるとスペシャルティコーヒーの大量買い付け・買い占めがより加速→コーヒー豆の品質低下、買い叩きが懸念されています。スタバにとっても質の維持というのは企業の生命線ですが、そうも言ってはいられないほど風船は膨らみきって破裂寸前であります。自分で自分を支えられず制御できないほど企業が大きくなりすぎたのです。もともと稀少な存在であるスペシャルティコーヒーというグレードの豆を、大企業が扱うというのは大矛盾なのです。そうなるとこの業界の地盤沈下が懸念されます。入ってこなければ消費はなく、消費がなければ当然今まで入ってきていた豆は入ってこない。なので本来は企業がやるべきコトを領域を越えて、堀口さんという個人がなんとか豆を確保しようと、世界を飛びまわってるのです。ワタクシは堀口さんを通して、第三国のコーヒー豆生産者を支えたい、と考えています。
ちなみにワタクシは堀口さんの著書である(関連図書にもあげてある)『コーヒーのテースティング』(¥2400+税)をこの本の後に読んだのですが、こちらは堀口さんのコーヒーに対する造詣がより深く書かれています。テースティングなので豆ソレゾレの特徴(キャラクター)について堀口さんが分析されています。この本を読んだ後にこの『スペシャルティ〜」をもう1度読んでみると、より書かれてる内容が分かり易く、読んでて「ふむふむなるほど〜」となるコト請け合いです。