過去があるから今がある。石(意思)が積み重なってココにいる。
ムダなコトは1つもない。未来とは「今」の連続である。

へたな鉄砲数打ちゃ当たる。へたでも打たなきゃ当たらない!をモットーとする
かたことの極私的「雑誌系」サイトです。(since 2004 Feb.)

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 やぎ本。⇒本が大好物なやぎのぢぇーむすくん(a.k.aかたこと)がオーガナイザーを務めるやぎの本棚、略して「やぎ本」。本や本にまつわる情報の紹介。神出鬼没でごくまれに登板します。
 ◇最新本◇  今年(といっても2021年だけど、、)読んだ本。後編 

★Original Goods★

 Everyday39(エブリデイ・サンキュー)⇒katakoto cafe、やぎ本。につづくかたこと第3の架空のブランド。かたこと流に「毎日が楽しくなる」新たなアイデアを加えたグッズ関係のブランドです。
 ◇最新グッズ◇  『靴箱→ファイルボックスへトランスフォーム!』 

★Others★

 祝☆overcoat’s(オーバーコーツ)再結成記念!!  ワタクシが検索しやすくするため(笑)overcoat’sについて書いたブログをまとめて読めるようにしました。ブログタイトル下のカテゴリー「overcoat’s」をクリックしてね~☆
 ◇最新ブログタイトル◇   『Overcoat's(オーバーコーツ)21年ぶりの新アルバム!『9 numbers,Groovy!』を聴いて。♪♪その5♪♪』 

追いかけて追い求めて。

先々週の土曜、あるトコへ「抽出基礎編」の講座を受けに行った。「何!まだ抽出の基礎とか言ってるレベルなの??」とそーいうワケではなく、講座の先生は生豆のスペシャリストで、後でそのスペシャリストぶりを書くけど、そーいう業界の最先端を走っている人のしてるコトというのは参考になるモノで、是非ご講義を拝聴しよう、と思った次第。特にワタクシはどーやら「見て覚える人」みたいなので、是非見て覚えよう、と。
その日は定員14名のトコを17人来ていて大盛況。講座は2時間で、始めにスタッフの人によるコーヒーのキホンの「キ」の講義、続いて実際の抽出作業、そして先生のお話、という流れだった。
「コーヒーは生鮮食品である。」今、野菜は産地とか誰々が作ったとかそーいうコトが重視されつつある。トレサビリティーと言って、ようはモノの出どころがハッキリしてる、というコトなんだけど、コーヒーは今までそーいう見方をされなかったのね。話を聞いた後だと、何でコーヒーだけそーいう見方をされてなかったのか逆に不思議でならない。コーヒーの育つ環境、気候、土地の高低、もっと細かくその年の陽気はどーだったか?土の状況は?、、。
日本人は米にコダワリがある。ある人にはある。コシヒカリササニシキあきたこまち、きらら云々、、、。魚沼産だのドコドコ産だの。一番良い例は「ワイン」で、フランスはブルターニュ地方のナントカ農園の何年モノのワインだとか、あの年のは良かったけど、今年はイマイチだとか、、。講義を聞いてると全くもってワインと同じ。グァテマラまでは知ってると思うけど、ドコドコ農園のどーいう品種かまでは今までよくワカラナかった。ソコまで知ろうとしなかった。コーヒー自体、ボディーがある(=コクがある、の意)という表現を用いる。花の香りがするとかフルーティーだとか、まるでソムリエの話しぶりとおんなじ(あくまで想像として)。今までコーヒーがそーいう風に見られなかったのは、ナンだかよくワカラナカッタのと、やっぱり「たかが」の部分が大きかったんだと思う。先生的にはワインと同列なのだ。そして今現在はコーヒーも世界的にそーいう視点から見られるようにようやくなってきて、先生が先陣きってそーいう見方を普及させた、と。
顔写真とかから想像していわゆる落ち着いた喫茶店のマスター、みたいな人かと思ってたけど違くて、なかなかエッジが利いた話し方をする人だった。考えてみればソレも納得するんだな。誰もがコーヒーへの見方が浅かった時に1人、そーいうコトを言い出してソレが正しいと貫いていくんだから、ソレは並大抵なコトではないと思うし、よっぽど信念がないと、強くないとダメだもんね。こーいう最先端に立ってる人とか表現者てのはやっぱどっかしら言い方悪いけど偏った部分がないとね。自分の主張、哲学の部分はそりゃ強い力がないといけないし、自然とそーなる。だからハタから見ればソレは「偏ってる」ようには見えるけどね。
お話は面白かった。先生はスペシャリティーの豆の審査員もやっておられて、今年のナニナニの豆は80点とか評価ができる人で、自分(個人の店)で大企業に負けない量のスペシャリティーの生豆(日本で一番買ってるとおっしゃっていた)を買いつけてる。だから今年は去年に比べると良くない、とか比較ができる。結局こーいう仕事というのはソムリエもそーだけど「記憶」が頼りで、五感をフルに使って自分の中にデータとして蓄えておく、ソレが全てみたいなモノだと思う。数え切れないくらい、ヘタするとカラダをオカシクするくらい飲んでみて、やっと自分の中に味の基準、というか評価軸ができる。
ワインの世界は完成された世界で、味の頂点、コレがワインの頂点、というのが発見されているらしい。でもコーヒーはまだその頂点が発見されてないらしい。ソコがワインより難しいとされている。10年前だったかケニアだったか、あんまりおぼえてないんだけど、90点つけた豆があったんだって。ものスゴク良い豆。一生飲めるかワカラナイ、この先出るのかワカラナイ豆なんだけど、でも90点てコトはまだ「ソレ以上」があるカモしれない、というコト。ソレはさながら「宝探し」みたいにそんな幻の、未知の領域の魅惑の豆を追いかけて、追い求めていく仕事なんだなぁ、と思った。なんか職人とか博士とか、そーいうモノづくりに携わってる人たちを動かす原動力はこーいうトコロなんじゃないかな。先生自身はもう自分にとってはキホンの「キ」、自分の哲学のおおもとを話されてるんだろうけど、今現在進行形の話をされてる時はなんか嬉々としてたね。そーいうトコロの先端を走ってる、というのもソレは楽しいコトなんだろうな、と思う。
ワタクシはお話聞いてても、あまりにかけ離れた次元から話されてるので、ハッキリいって「ぽか〜ん」て感じ。でもいつか何年かしたら今回聞いた言葉が少しづつ、あの時聞いたアレはこーいうコトかぁ!て実感していくんだろうなぁ、と思ってる。