過去があるから今がある。石(意思)が積み重なってココにいる。
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 やぎ本。⇒本が大好物なやぎのぢぇーむすくん(a.k.aかたこと)がオーガナイザーを務めるやぎの本棚、略して「やぎ本」。本や本にまつわる情報の紹介。神出鬼没でごくまれに登板します。
 ◇最新本◇  今年(といっても2021年だけど、、)読んだ本。後編 

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 Everyday39(エブリデイ・サンキュー)⇒katakoto cafe、やぎ本。につづくかたこと第3の架空のブランド。かたこと流に「毎日が楽しくなる」新たなアイデアを加えたグッズ関係のブランドです。
 ◇最新グッズ◇  『靴箱→ファイルボックスへトランスフォーム!』 

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コーヒーの価格について。

ワタクシはコーヒーの値段というのはもっと価格帯が広くても良いと思っています。価格帯が広いというコトは、豆の質がピンからキリまでさまざまというコトですが、もっといろいろあっていいというコトです。
コーヒーの味を表現するのによくワインに例えたりするんですが、価格帯の話ならワインに限らなくても日本酒でもいいし、まぐろとか米、何でもいいです。まぐろでも本マグロでどこどこのモノがいいとか、よくサバで「関(せき)サバ」とか言いますよね。寒流と暖流がぶつかってるトコロだから脂がのってるとかなんとか。でサバの中でも特に関サバはブランド化してる。もっとメジャーなモノだとお米で、魚沼産のコシヒカリが最高ー!とかよく聞きますが、食材がその土地その土地でブランド化している。コーヒーもそういうのがあったらいいと思います。
ただネックというかコーヒーがそうなりにくいポイントというのが、コーヒーは「高い」というイメージが無いコトです。ワインやマグロや牛肉というのは基本的に「高い!」という先入観があります。ソレがまずあって、今でこそいろいろ価格の安いデイリーワインとか回転すしとか身近に出回っていますが、やっぱりソコにはカジュアル感はあっても「ゴチソウ感」「ハレのモノ」というイメージは保たれています。コーヒーはこの点に乏(とぼ)しいワケです。
日本酒とかお酒も嗜好品です。別に無くても死にません(まーソレに近い人はいるでしょうけど)。飲まない人には何ら必要の無いモノです。でも大五郎・鬼ごろしとか大吟醸まで価格レンジが広いです。紹興酒に古酒というジャンルもありますね。コーヒーは下のレンジはたくさんあります。缶コーヒーやファストフードのコーヒーやインスタントコーヒー、大手セルフチェーンカフェのコーヒー。ただ上のレンジはさほどありません。上はせいぜいブルーマウンテンやハワイコナといったトコロで、ソレでも1杯¥1000するかどうかといった価格で、他に1杯¥1000するようなトコロというのは、よほど手厚いサービスがなされてるお店かホテルのコーヒーぐらいのモノで、1杯¥1000ともなるとやはり「高い!」と思ってしまいます。ソレだけ日常色が強い嗜好品というコトなんだと思います。
コーヒーには「たかが」感、缶コーヒーで充分じゃん的なイメージが世間の認識としてあるので、提供する側としてもどうしてもその認識の、日常的な価格の範囲内に抑えがちとなります。モトが高いイメージの商品はダウンプライスしてもさほどそのイメージに影響が無く、なおかつ手軽に購入できるようになったというコトで喜ばれるのに対し、コーヒーはボトムアップ(底上げ)していく必要性があるので、ソコにムズかしさがあります。
もともと安いコーヒーの豆というのは、大手によるダンピングで買い叩かれて流通してるので安い値付けが可能になってます。本来の適性・正当な価値が認められていません。スペシャルティと呼ばれるような質の高い豆になると、やはりソレ相応のコストや手間ヒマがかかっています。ですが、なかなか同じ農作物で手間ヒマのかかってるワインやお米に匹敵するような価値を認められてもらえていないのが現状です。この点は豆をお客さんに売る側の啓蒙・宣伝不足は否めないと思いますが、現状としてスペシャルティコーヒーの豆を仕入れてるお店が絶対的に少ないというのももちろんあるでしょう。世間に対するコーヒー豆の適性な価値の認識。しかしコレは時間のかかるコトだろうと思います。
魚沼産のコシヒカリにしろイベリコ豚にしろTVの影響力は大きいと思います。TVによって一気に浸透したと思われます。スペシャルティコーヒーの豆は今でこそじわじわとその存在が知られてはいますが、やはりまだマニアックでなかなかTVウケはしなさそうな商品という気がワタクシはします。見た目に特にインパクトがあるモノでもなく並のコーヒー豆とホトンド変わらずコーヒー豆という存在自体地味だからです。よって最近雑誌ではよく取り上げられてるのを見かけるのですが、電波にはなかなかのらないようです。ただひょっとしたらそのうち、近いうちにまず国営放送とかで取り上げられてから徐々に民放の情報番組とかで取り上げられそうな気もしてます(笑)。
話はソレましたが、商品のマニアック性というか、まだ今現在はいわゆるコーヒー通・コーヒー好きの間だけで購入・飲用されて、閉じた世界内だけで盛りあがってるような、内的循環だけで終わってるような危惧もしています。でも実際はスペシャルティコーヒーというのは、普段いわゆるチェーン店等の安いコーヒーしか飲んでない方や、コーヒーは苦いから嫌い!という方、アイスカフェラテしか飲まないという方にこそ飲んでもらいたいコーヒーです。ソコには「苦い!」だけで終わってしまうような安いコーヒーには無い、奥深く複雑で独特な風味や豆自体が持つ自然の甘味を感じられると思います。コーヒーの概念が変わるでしょう。
コーヒー豆にピンキリの品質のピラミッドがあるように、コーヒー豆の中で上質なスペシャルティコーヒーと呼ばれる豆の中にもさらに小さなピラミッドがあります。スペシャルティの下のレベルとトップレベルではやはり品質(味の深さ・複雑さ)の差はありますが、下の豆でも充分スペシャルティコーヒーとしての飲用に耐えうるモノです。そのくらいのレベルの豆を日常的に、そしてハレの日、素晴らしい豆が入ってるから今日はフンパツして等の時にトップレベルの豆を購入・飲用してみれば、そういうシーンによる飲み分けのようなコトを考えてみたらいいのではないかな、と。
ワインはそのような飲まれ方をしてると思います。A5ランクの国産和牛を毎日食べるワケにはいきません。大トロばかり食べていたらお金がいくらあっても足りませんが、こういったモノは特別な時・非日常のモノであって、コーヒーもトップレベルの豆に関してはそういう考え方を当てはめて、シーンに応じて楽しまれたらいいと思います。
スタバが成功したのは、今まで苦いだけの飲み物という印象のコーヒーを「スタバでコーヒーを飲むのがおしゃれ・スマート」という体験自体をスタイルとしてアピールできたのが要因だと思います。全てを含めた上でのコーヒーの「変革」であり「革新」なのです。実質的・物質的なモノ(データ・スペック的。左脳的。=男性が好む思考)だけではココまで世間に広まるコトはなかったでしょう。「一部マニアに愛されたお店」で終わってたカモしれません(もちろんそういう運営の仕方もありますが)。「おしゃれ・スマート」というトータル的なスタイルの提案(右脳的。感性の部分。=女性が好む思考)。コレが女性に支持された要因です。やはり閉鎖的な世界(内的循環。男的マニアック世界)ではなくより多くの人に指示される開かれた世界にするにはこういった「感性」の要素は欠かせません。広くにアピールできる視覚的・感覚的な、敷居の低い何かしらのきっかけ・取っ掛かりがなければ飲んでみよう・体験してみようというトコロにまでつながっていかないワケです。そしてソレ自体に魅力がなければいけません。
コーヒーにあまり良くない印象を持ってる人が高い値段のコーヒーをまず購入しないでしょう。せっかくいろんな人に飲んでもらいたいという提供する側の思いがあっても、プライスが高いと気軽に飲んでもらいにくいモノです。いくら「コレはおいしい!」と言っても、飲んでもらわなければどうしようもありません。より多くの人に飲んでもらいたいなら、やはり体験しやすい「リーズナブルな価格」というのもハズせないでしょう。
ワタクシが扱うとしたら、どちらかというとコーヒーを深く掘り下げるというコトよりも裾野(すその)を広げたいという意識の方が強いかな、と今は思っています。まずはどんな形でも多くの人に1度スペシャルティコーヒーを飲んでもらう。ソコからが始まりです。そうでないと市場というのも広がっていきません。
なにより単純に、自分が「おいしい!」と思ったモノをできるだけ多くの人に飲んでもらって「おいしい!」と思ってもらいたい。この思いはコーヒーに限りません。自分がいいと思ったモノを1人でも多くの人に共感してもらいたい、感覚を共有できたら。そのコトにつきます。