Helvetica。
カフェでランチ→その後美術館巡り、なんていうこじゃれたコトをしてしまった。ちなみにワタクシの辞書に「バレンタイン」という文字はないので、一切関係ありやせん(涙)。
代々木上原のウエストパークカフェでランチ。2時頃に入店したのでお客もポツポツ。パスタランチをオーダー。パスタは「いろいろきのこのピリ辛トマトソース」(勝手に命名)、ランチスープは「スイートポテトココナッツミルク」。この店を選択したのは別の理由があるが、ソレは改めて書くとする。一言だけ書くととにかくあちーっ!!。こんなに熱いパスタ初めて食べたカモしんない。でもコレはいい意味でね。おかげで上アゴをヤケドしたけどな(笑)。茹でたてのできたてのホヤホヤてコトだ。
3時頃店を出て次の目的地の銀座へ。店が上原と八幡の中間にあるので、まぁどっちでもいいんだけど(どっちでも千代田線(地下鉄)に乗れるので)戻るのもナンなので八幡へ。
やぁ、地下鉄に乗ると銀座て近いんだな、と。20分ぐらいなモンなんだね。ワタクシは銀座は初デビュー。こんな街一生縁がないと思ってたけど。しかしアメリカみたいな街だよなー。向こうだとビルが「ナスダック」とかナントカいうのが「不二家」になってるだけていうさ。ブランド天国だしな。ほえーなんて見ながら歩いて。そしてまたこの銀座はまるで京都みたいに街が碁盤の目になってるので、分かりにくい!いや、慣れてる人には分かり易いのカモしれないけど。「すずらん通り」とかいうからもっと広い道路かと思ってたら、単なる路地だったりする。こんな単なる路地に名前つけるなよ。ついてた方が人に説明しやすいのカモしれないけど。
やっとお目当ての「ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)」に辿りつく。バーニーズニューヨークの向かい。ココは美術館ではなく、大日本印刷の会社の無料開放してるギャラリーなんだと思う、たぶん。
ココに来た目的は、ココで今月末まで開催されてる「ヘルベチカ展」を見に。
説明しよう。ヘルベチカ(Helvetica)とは文字のフォント(書体)の1つで、ゴシック体と言えばもうちょっと伝わりやすいんでしょうか?カフェのロゴとかムジルシのロゴとか、ちょっとおしゃれなデザイン系の本や雑誌とかさまざまなモノに使われてる。
このヘルベチカが流行したのは、ワタクシはカフェブームとリンクしてると思う。カフェ・ヴィヴィモン・ディモンシュという鎌倉にあるカフェブームの先駆けとなった超有名カフェがあるのだけど、このお店のグッズのデザインワークに関わってるグルービジョンというデザイン集団が、好んでこのヘルベチカを使ってる。そいえばこのカフェの前に『relax』ていう雑誌にもヘルベチカが多用されてたね。コレもたしかグルービジョンが関わってた(?)。
ヘルベチカを語る時に日本ではこのデザイン集団は外せない。ソレだけの功績がある。ワタクシの好きなミッフィーの作品展を開催した時のデザインワークもグルービジョン、でヘルベチカだ。ミッフィーとヘルベチカには共通するモノがある。線の数をできるだけ減らして、なおかつある種の可愛らしさを醸し出してるトコロ。目指す方向性としてかなり近いモノがあるとワタクシは思う。
ワタクシがヘルベチカが好きなのは、な〜んかいいからです。コレは一言で言えない。言うと「な〜んかいいから」になる。な〜んとも言えない文字の持つ可愛らしさとおさまり具合と。ワタクシのカフェロゴにも採用してる(といっても「将来的」にか)。
展示会自体はちょっと期待してたイメージとは違ったけど、ソレなりには楽しめた。ヘルベチカの使われたポスターや企業広告など(大日本印刷なだけに)や世界各国のいろんな物の展示。一番良かったのはヘルベチカの開発史で、ヘルベチカが開発されて50年以上経つという。
書体というのは奥が深い世界なんだなぁー。例えば「C」という文字が2つ並べてあって、1つはOKで1つはNGだという。何がどう違うのか、2つの「C」にどんな差があるのかがまったく分からない。よっく見てもさっぱりわからん。
もうコレは開発者のセンス・美意識でしかないんだと思う。ソレこそ「な〜んかいい」か「ちがう」かの違い。そんなのさじ加減、その日の体調でも変わってきそうなのに。たぶん開発者の中では「ヘルベチカの何たるか」「ヘルベチカはこうあるべきだ」という確固としたイメージはあるんだと思うけど、そのイメージを他人と変わらず共有できるかといったらかなり不可能に近いと思えてしまう。ソレを開発者自身と開発に携わる人たちと、忍耐強く粘り強く、イメージ共有のためのキャッチボールを繰り返さなければならない、そんな作業の過程を想像する。
文字の縦線のミクロン単位での太さ細さとか、文字と文字とのスキ具合とか。文字というのは「印」字なワケだから「印刷する」というコトで、コレは「活版印刷」というコトになる。ゴム版のスタンプてあるじゃない?アレを金属で作るワケだね、活版というのは。実際にヘルベチカのを展示してあったんだけど、小さい文字なんてホント吹けば飛ぶよなハナクソみたいなちっちゃさで(「i」とか特に)、ああいうのを文字のスキをコンマいくら離すだとかくっつけるとかやってるんだよきっと。そういうミクロン単位の、1文字1文字の修整で全体がおさまりが良くなって、という。
コレは究極だと思うな。究極の美意識でありセンス、書体の開発というのは。ある意味彫刻にも近いのカモしれない。木の持つ線に逆らわないように彫る。見えない線が浮き上がって見えてくる、本質が見えてくる、みたいな。デザイナーの究極の行きつくトコロが「書体の開発」だとも思う。文字という究極のモノのデザインなのだから。そしてココまでやるから世界標準、スタンダードとして広まるんだという気もする。つづく