パウル・クレー。
しかし銀座という街はワタクシにはどうも合わない感じ。ギャラリーを出た後ちょっと歩いてたら「ダメだわ。合わないわ」と思った。おしゃれすぎて大人すぎて。まだ新宿とかの方が「解る」。
まだ時間があったのでシブヤへ向かおうとJR有楽町駅へ歩いてるつもりが、1駅歩いてしまったようで新橋まで行ってしまう(笑)。計算外の歩きで疲れる。でも新橋まで来ると途端に街に漢字が多くなる。さすがサラリーマンのオアシス街。銀座より庶民的なのでちょっと肩の力が抜ける。目がホっとする。
山手線で20分、シブヤ到着。人でごった返しのエスカレーターを下りて、ぐわーっと突き抜け東急横のBunkamuraミュージアムへ。ココでは3月22日までクレーの作品展示をしてる。地下に下りてドゥマゴを見つつ入る。
クレーの他にカンディンスキー、ピカソ、ブラック、ミロなどなど、だいたい時代を前後した画家の作品が展示されてた。フォービスム、キュビスム、シュルレアリスムと表現の流れを時系列で見てくと、またクレーの絵について新たな理解を深めるコトができる。様々な表現の影響も見え隠れするし、影響を受けつつもソレを取りこんで自分のモノに昇華してる。絵画の歴史というのはそういう風に成り立っているのだなぁーと思う。
中でも良かったのはマグリット。2点だけだったけど。シュルレアリスムの中でも、マグリットの絵はまた他と違って独特の異世界の力を感じる。空間の表現とか対象の配置とかで不安だとか緊張が伝わってくる。浮遊する感覚、すなわち縦横高さの3軸がなくなって、方向感覚が分からなくなる。地球以外の重力、というコトはソレは異世界異次元、というコトになる。画家の眼に見えてるモノは何なのか?というコトを常に考えてしまう、そういう画家。
ミロも1点だけだけど良かった。やっぱりスペインの画家。「スペイン版クレー」という感じ。絵からラテンな陽気な感じが伝わってくる。楽しげ。大きめの作品なのでより良かった。つづく