整体。共鳴から始まる 最終回。
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人は他の動物と違い言葉を話します。これも「才能」なのですが「障害」でもあるわけです。ここまで書いてきたように逆にそのことによって気的コミュニケーション(非言語コミュニケーション)が阻害されているので「障害」にもなっています。
『風邪の効用』によれば、風邪というのは今の言葉で言えば身体自身が自らする「デトックス」なのでは?という考え方をされているようで、野口整体というのはそれを邪魔と思わずに、風邪ならば風邪をすぐに治そうとするのではなく、むしろそのことを上手く利用して身体に対して抗うことなく無理なくスムーズに自己治癒するのを促しましょう、という考えが根本にあるようです。「障害」を排除しよう、ではなくもともと在るものは取り除かず上手く利用しましょうという考え方なんだと思います。悪いところを取り除く西洋医学的な考えではなく、やはり東洋的な考えなのでしょうね。
「体癖」に良い悪いはありません。なので何種だからダメだということもないです。技術的なレベルで解決できることではなく、生き物としての生存レベルの問題でありその人の身体的なクセなので「体癖を治しましょう」ということではなく、それはそれで在るとしてではどうしましょこうしましょ、ということなのです。なのでその「在る」という自分の体癖はなんだろ?ということを知ることから始まります。自分の体癖を知り、他人の体癖を知ることがこの世をちょっとでも楽に生きていける、ということになります。
そして自己主張が強い、自我が強い人は共鳴力が弱いということなので(いわゆる「我が強い」というやつですね)そういった人は既にこの社会で必要とされていたりするので、そういう人よりもむしろ子供や赤ちゃん、自己主張が弱い、存在感がうすい人という自我が希薄な人、共鳴力が強い人こそ社会では大事にしましょうと書かれています。
最後にこのことを引用しておきましょう。
「今の時代では6種以外の人でも6種的になりやすいわけだから、6種の人の作り出す場、多くの人たちと共鳴しやすいものがある。時代に共鳴しやすいといってよい。また引越しのように新しい環境、世界に移ることによってエネルギーを発散するわけだから、そういう人が活躍しやすい「時代の変わり目」だということでもある。社会的にそういう過換気的傾向が強くなってるということは、社会的現実感がゆらいでいるということであり、今まで存在感のあったものがなくなり、存在感のなかったものが目につきやすく、様々な境界があいまいになり、トリップ感が強い意識状態になりやすいわけで、自己をその中に定位させるのも結構大変である。頼りになるのは、自己の価値づけによる存在感ではなく、身体そのものの存在感である。」
わたくしはこの一文を読んで「おお!」と思ったのですが、『バシャール』でも同じようなことが言われています。そろそろこの3次元世界が物質的なものから非物質的・気的なものへと本格的に移行するのかもしれません。そのことを「気」「整体」の面からも著者は感じとれたということなのだと読み取りました。