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得意技は「逃げ足」。〜映画『GROW』を観た。〜

昨夜は渋谷Q−AXで映画『GROW』を観た。この『GROW』は俳優でありいずみさんの旦那さんである榊英雄監督の初作品。ちなみに単館上映なのであしからず(この後全国上映するのかは知らないけど)。
Q−AXというのはミニシアター系の映画館で渋谷は円山町にある。シブヤの円山町といえばライブハウスがいくつかあるけど、いわゆるホテル街でもある。映画がレイトショーのため、真夜中にそんなトコ歩くのはちょとヤダなと思いつつ(笑)まーでもライブ客の若者も多く騒いでたので、そんなにエロ空間でもなかった。
Q−AXはいつも外から見るだけで初めて中に入ったけど、1階はバーカウンターがあったり食事ができたりしてなかなかシブヤぽくおしゃれ。2階以上が映画館で『GROW』は2階で上映。準備にてこずってるようで「予告なしでいきなり本編」とアナウンスされる。
チラッと後を見回したら、入りは5割ぐらいだろうか。いずみさんがちょい役で出るらしいので、見逃さないようにちょと前の席に座る。
あまりにも何にも知らなさ過ぎるのもナンなので、映画雑誌をチラリと読んだりなんかして(そいえばファミ通にも載ってたな)、どんな感じの作品なのか少し情報を取り入れたトコロ、堅苦しいヘビーな作品では無いみたいなので、気楽な感じで臨むコトにする。
たぶんストーリー的にはよくありがちなモノ。文章にするとその「ありがち度」が余計増すような気がするのであまりコト細かく書かないけど、いわゆる学校モノの体裁。でも実は「学校モノ」という形じゃなくても良かったりするのカモしれない。男とはなんぞや?男とはこういう生き物!というのがテーマ。学校でいじめられ親には暴力を振るわれる主人公の、男としての成長を描いてる。
観てて気になった点を書くと、もうちょっと主人公と不良中年学生3人組との「特訓」みたいなのが描かれてると良かったと思う。幽霊だからしょうがないんだろうけど、ジャッキーチェン作品の師弟の特訓風景のようなシーンがいくつか挟まってたりすると、クライマックスの別れのシーンがもっと引き立つような気がする。3人組の「助言」程度なだけで主人公が勝手に成長して、という感も否めないので別れに対しての感動が薄く感じる。そういうトコロは「あえて」なのか、尺も関係するのか端折ってるように思える。そういうもっと肌と肌が触れ合うみたいな交流シーンがあれば良かったと思った。たとえ幽霊でもやりようによってはそういう見せ方・そういう印象を与えるようなやり方もできると思う。
あとは音楽ですか。いずみさんが音楽を担当されたというコトで注目(注耳?)してたんだけど、なんちゅうかもうちょっと音に変化を持たせて欲しかったな。初めはコミカルだったり、話に合わせて曲調も変わってというそういう変化はいいんだけど、あるフレーズを早くしたり遅くしたりていうコトだけで対応、というか表現するんじゃなくてもうちょっとメロディーラインに、こう変化が欲しかったなと。だからひょっとしたら鍵盤的なモノの方が良かったのカモしれない。まぁその辺はいずみさんの「スタイル」といえばスタイルなんだろうけど。というのは映像とあいまって、ちょと間延びしてくるんだよね。変化にとぼしいと。
主人公が大会で走るシーンから3人組が基本出なくなるじゃないですか。やっぱあの御三方というのは役者ですよ。彼らがいてこの作品がピッとシマるんだな、としみじみ思った。だから彼らが出てるうちはリズムがあって間延びしない。抑揚とでも言うのかな。始めは「アクが強いな〜」と。なんだか違和感バリバリな感じだったけど次第に慣れてくると彼らの存在の大きさに気付かされる。彼らの存在とキャラの醸し出す空気がこの作品の「苦笑い」的な独特のスパイスになってる。
あと監督のギャグセンス(扇子:笑)もスパイスになってるな。「あーこの人がいれば、いずみさんも子供が産まれれば、笑いの絶えない明るい家庭になるんだろうな」と思っちゃったよ。
ただちょと宗教色、キリストさんの色が濃かったですか。まぁコレは監督の故郷である五島、ルーツなんでしょうから許容内というか。主人公のゼッケンが「510」てのもナルホド。
だから全体的にいえば、別にハリウッド映画のように始終ドカーンドカーンさせる必要はないけど、もうちょっと抑揚を持たせて欲しかったな。強弱というかメリハリというか。監督もギャグやりたくてしょうがないんだろうけど別にソレが嫌なんじゃなくて、やるならもちょっと効果的にやって欲しかったとかね。この辺は量より質なんだと思う。さじ加減。カツ丼みたいなガッツリ系の濃ゆ〜いのも監督の持ち味として良いとは思うんだけど。
あと話の展開として唐突だなと思えた箇所がいくつかあった。「あいつら幽霊なんだよ」みたいなセリフをいじめ役の学生がしゃべるトコロとか。いじめシーンとかのヴァイオレンスな映像は周りで観てる女のコが小さく悲鳴を上げるほどだったんだけど、そんなにストレートに見せる必要があるかなと。バット持ち出して主人公の足を殴りつけるシーンなんて凄惨。あんな映像は並の映画でも無いと思うんだけど、別にヴァイオレンス映画とかうたってないんだから、あのシーンは例えば音だけにして観てる人に分からすとかして欲しかった。ソレであんだけ凄惨ないじめなのに「幽霊だ」のセリフのあの唐突さは何だろう?て。
そう、必然性だよな必然性。必然性て言葉。このキャラクターがこういうセリフを言うのはというトコロに必然性が無いと。この人物ならこういうセリフを言ってもおかしくない・納得するていうね。そのへんの例えば心理描写とか、そういう論理的な積み重ねに欠けるトコロがある。ソコが「端折った」と思ったコトなんだな要するに。今の漫画の方がこういう部分・人物設定は作りこんでると思う。結局人物を練りに練って作りこんで初めてこいつはこういうセリフを言うんだ、てトコに結びつくんだと思う。そういう丁寧さが欲しかったな。
なんだかダメばかり並べてるようでアレなんだけど、映画は面白かったよ。ただ面白かったからこそ「もったいないなぁ〜」「惜しいなぁ〜」というトコロが気になったという感じで。ココもっとグワっとさせりゃ引き立つのに、とかそういう。でもたぶんいろいろと初めてづくしだったろうし、旦那さんといずみさんのコラボレーション作品という感じで良かったです。
男という生き物は、守るべきモノのために強くなければならない。いつか守るべきモノが現れるその時のために強くなっておく。人としてだけではなく、コレは動物のオスとしての基本でもある、と。
いずみさんの出演は、場面が変わってのド頭のいいトコロで、すごく自然な感じでいいオカンでした。自然体でいいじゃないと思った。作品に違和感なく馴染んでた。かつては1人舞台もやったし、モンテクリスト伯も出たから今後も、また次回作をつくるみたいだけど、ちょいちょい出てほしいね。
監督は何が発端でこの作品を作ったのだろう?この話の始まりはなんだろう?とにかく主人公を走らせたかったのだろうか?たぶんいくつかのメインのシーンがまず頭にあって、ソレらをつなげて作品ができたんだろうけど。あといずみさんが旦那さんを好きな理由というのは、いずみさん本人もしゃべってるコトだしなんとなく分かるけど、逆に旦那さんがいずみさんを好きな理由てのはなんだろう?とフト思った。クリエイティヴなトコロを尊敬してるから?ソレだけじゃない気もするが。