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今現在の人々の消費行動として、高くても質が高く価値があるモノと、日常づかいにはそこそこ問題はないと思われるレベルの安価なモノと二極化が進んでいる、と書いた。チェーン店と個人店。チェーンに対抗できうるやり方として、個人店は「本物志向」に向かっている。たしかに利益のコトなどを含めて考えるとなかなか良い選択ではある。しかしソレばかりが「差別化」ではない。
現にこのネットという手段を使っての「ネットショップ」の商品といえば、かなりマニアックな傾向が強く思う。いわゆる「すきま商品」「ニッチ商品」というやつで、こーいうのを欲しいんだけど買えない、買うのがメンドくさい、さがすのが大変などなどの立ちふさがるカベをネットというのは取っ払ってくれる、ようは「かゆいところに手が届く」というやつである。例えば1万もの商品の中から現実の世界でカラダを使って探すのは骨がおれる作業だが、ネットなら検索をいくつか繰り返せば1万の中から求める1つが探し出せる。全部データベース化されているワケである。
ネットの世界だけではなく現実のお店も「ニッチ」や「すきま」が多くなっている。つまりどんどん細分化してるのだ。大より小になり、企業より個人、大資本より小資本。世界に1つだけの花、ではないが全体が1つの目標に向かって、ではなくおのおのが花を咲かせていく、ソレが21世紀の進む道。
ワタクシはアレは良く分からないが「メロンパン」。なんであんなブレイクしたんだろ?まず旧来のメロンパンの「メロン」とはなばかりだった、というのがあって、ソコに「焼きたてのパン」というキラーワードがある。その2つからじゃぁメロンの味があする焼きたてのパンを販売しよう、てコトが始まりなんじゃナイカ、と思う。今だに、別に歩きながらメロンパン食べたい、とは思わないけどね。ただソレがアンテナに引っかかる人がいた、というコトだ。
細分化している、というのはソレと同時に人々の方で「使い分け」ができてる、というのもある。普段のコーヒーを飲むトコロは安いトコロで、たまにはちょっと高い方を飲む、という具合。ワタクシが今考えている場所はチェーンカフェが多いんだが、別にそのコトは恐怖には感じていない。住み分けが出来ると考えている。ソレより後発の同じような個人店ができる方がコワイ。だからあまりそーいう後発組ができないような場所を選ぶ、という考え方がある。今ある店群というのはどんなものかは分かっているワケだが、後発の店に対しては未知である。そっちを塗りつぶしていく方がいいように思う。ただコレもあまりヘンピなトコロに出店してもお客さんが来ないし、シモキタみたいなトコロでは普通に作っていたんでは淘汰されてしまう。かなり微妙なバランスで、そんな考えから割り出した場所、というのが現在ワタクシが「カフェやるならココがいい」と思っている場所だ。人からは「中途ハンパなトコロ」と思われる場所だが、ワタクシは「ココしかない」ぐらいに思っている。コレより東に行けば淘汰され、西に行けば人が来ない、そんな場所。
本物志向も要素の1つではある。駅前のチェーンカフェは味は大したコトはない。美味くはない。でも何が良いかっつったら、便利なコトだ。コレは当たり前でチェーンは薄利多売の世界。人がたくさん来るトコに出店しなければ話にならない。セルフサービスもお客さんにかける時間をなるべく少なくしたいがため。安いからそこそこの味しか出せない。チェーンはそーいうイメージが人々に定着してしまっている。だからチェーンは「本物志向」で売れない、という弱点がある。
しかし何も本物志向だけが能じゃない。その街に「こんな店があればいいのに、何でないんだろ?」という店をつくれば、まず需要はある、と言える。このコトがホントは出店に対する一番シンプルな発想の仕方。ないから作る。必要とされるからお客さんが来る。必要とされない店はツブれる。「なくなっても構わない」という場所に作るのではなく「なくなったら困る」場所に作る、人にそー思わせるのが理想。
ワタクシの考えは一巡した。いろいろ長い間こねくり回して考えてみたが、結局は気軽で気楽でライトな店をやりたい。例えば食前にデュラレックスでワインかシャンパン(お酒飲めない人はジンジャーエールとか)をタパスというおつまみで軽やかに。したらお次はパニー二を頬張り、エスプレッソをクイっと飲んで〆、という具合に軽快に。こーいうのをあえてコースメニューみたいな感じで提案してみるのも面白いな、と思っている。カフェてワンプレートとかアラカルト(単品)ばかりだからね。↑の流れで¥1300か¥1500ぐらいで。こんな流れ、普通のイタリアンじゃやらないしできないし、カフェだからこーいった「遊び」ができる、と思うんだよね。みんなもっと「遊べ」ばいいのにぃ、とか思う。せっかく「カフェ」なんだから。ただ「本物志向」という方向も捨てがたいんだけどね。だからモノは本物を使いつつ、「食を遊ぶ」という方向で。高尚ではなく、あくまで軽快に。