1日目。その4
となりの家の塗装仕事を終えた浩幸が家に顔を見せにきたので、彼といろいろ話をした。ワタクシと同い年の博文くんというのがいるんだけど、かつては100kgぐらいの丸々した体格だったのが、今は25kgも体重落としてずいぶんシュっとしたらしい(ソレでも75kgだけど)。信じられない〜!彼は小学生の頃サッカーやってて、その頃は別段太ってもいなかったけど、サッカーやめてからどんどん太り出し、そっからもう太ってる姿の記憶しかない。
もうどのくらいになるのかしら?彼は東京の八王子とか埼玉とかあのへんの県境を行き来してるみたいで、今は蕨にいるとのコト。会社はずっと同じトコロで職場が変わるてコトなんだろうけど、もうずいぶんひとところに長く勤めてるだろし、役職にもついてるとのコトだけど、でも結婚はしてないという。なんでだろー?なんで結婚しないのか。役についてるぐらいならワタクシとちがって¥のほうだってたんまり稼いでるだろうに、、。まぁひとりのほうが気楽でいいんだろうけど。お酒は相変わらず呑んでるらしい。お酒にお金が消えてくのかなー。なんかまわりには「ワタクシがいるから結婚しない」ていうのを言い訳にしてるらしい(苦笑)。いやいや、ワタクシなんかのマネしちゃダメだろよ。
しかし浩幸もこう話してると、部分的に利勝おいちゃんに似てきたな。口調がそっくりだ。
おいちゃんが風呂のお湯をためてくれて、2階のエアコンが効いてきたというコトで2階に荷物を移す。ここ最近は2階が我々2人のしばらくの生活拠点になってる。
ワタクシが小学5年ぐらいかな?のときに2階に正美兄ちゃんとひろくん(博文くん。次男)の部屋が増築され、あとバーみたいなカウンターのある部屋とベランダが増えて、もともとのおいちゃんの部屋と居間があって。そして彼らが家を離れてから兄ちゃんとひろくんの部屋の壁が取り払われてひとつながりの部屋になった。そのひとつながりの部屋が我々にあてがわれてる。
元兄ちゃんの部屋が「明菜」のほうであり、元ひろくんの部屋が「美穂」のほうである(笑)。この部屋だけでワタクシの家より広い。。でも家の大きさて大事なコトだと思う。室内が広いというのは、自分が自由に回遊できる空間が広いというコトだ。ソレは自分の中の尺度でありスケール感に影響を与える。分かり易く言えば、アメリカの広大な土地と広い家に住む人と、いわゆるウサギ小屋に住むこの国日本の人の違い。どっちが良いとは一概には言えないが。人が多く国土が小さい日本に住む日本人は小さいモノをつくるのが得意とされるし、逆にアメリカはアバウトで細かいコトはあまり気にしないという、いわゆる大味というのが基本とでもいうか。クルマはそんな感じだよね。日本独自の規格として軽が生まれ、アメリカでは5リッターV8とかガソリンなんかじゃぶじゃぶ使って細かいコト気にしない大らかなクルマがもてはやされた。逆は考えにくい。そう考えると、人間は環境に影響される生き物だ。
お風呂に入ってから夜ごはん。夜ごはんは「上」に食べに行くという。「上」というのはおいちゃんの会社の事務所である。事務所兼家だ。一応便宜上、というか対外的にはおばちゃんが事務所の電話番でいて、おいちゃんは「下」であるこっちにいるというシフトと説明してるようだけど、ようは別居というコトだ。別に2人の仲が悪いワケでもない。なんでそうしてるのかは分からない。親も「なんでかねー??」と言ってるけど、たぶんそのほうがおいちゃんおばちゃんの精神安定、平和が保たれるというコトなんだろう。ソレで関係が維持できるなら、ソレ以上我々が深くツっこむのは野暮というモノだ。まぁどこの家庭にも他人には言えない事情の1つや2つはあるだろう。そっとしておいたほうがいい、、。
つづく