過去があるから今がある。石(意思)が積み重なってココにいる。
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4・29@渋谷7thFLOOR(今回でおしまい)。

幻想というモノをワタクシは今回悪い意味では使っていない。幻想というのはある種、やる側と観る側の共犯関係で成り立ってるワケで、協定を結んでるワケですよ。世の中の「ショー」と呼ばれるモノは全て大なり小なりなんらかの幻想があると。「魔法」と言い換えてもいいカモしんない。ソコがやる側と観る側を結び付けたりもする。
幻想と分かっててあえて乗っかってるてのもあるよね。魔法にあえてかけられる。だってあの世界一有名なねずみのランドがあるでしょ、ランドが。ファンタジーの代表でチャンピオンですよ。あそこではなかなかネズミさんに会えないらしいけど、ネズミさん一匹なはずがないでしょ?園内のソコココにいるはずだよね(笑)。もっと言えばあん中には人間サマが入ってる。ソレも幻想にあえて乗っかってるワケだよお客さんが。幻想に乗っかるからから楽しめるというのはあるんだよ。夢を見たいんだな。
考えてみればこの『失格』のかけあいのトコなんてまさに「わたしのコト知りた〜い?」「知りたいの?」だからね。
コレはこの『灰とダイヤモンド』の板谷監督も言ってたコトだけど、今回この場にはいなかったかつてのいずみさんのプロデューサーのS氏というのはイメージ担当の人なのカモしれないね。そのイメージを形にする作業に我々は苦労したようなコトを言われてたけど(笑)、でもプロデューサーてそういうモンかな、とも思う。もちろん人によって、時代によってもちがうんだろうけど。作曲とかもそうだと思うんだけど、かつてはいずみさんと共同作業だったんだと思うんだよ。こういう曲のイメージで!とか。そのイメージを実際の音に仕上げるていうやりとりが交わされてたと思う。今はほぼ100%いずみさんのイメージで曲作りしてるんだろうけど、この作品の時代はSプロデューサー主導だったと思うよ。今はS氏がプロデュースしてないから、S色は無い。だからいまだに幻想の1つでもある「女尾崎」を求めるのは、もう無いモノねだりなんだよ。やっぱり楽曲てプロデューサーとの共同作業だから、プロデューサーによっても変わってくるはずなんだよ。
いずみさんはかつて「女尾崎」と呼ばれてた時期もあったけど、この呼称についていずみさん側はハッキリと否定してはいないと思うんだよな。どっかで言ってるのカモしれないけど。本人からすれば「わたしはわたしで、別に関係ないし」と意に介さない感じだと思うんだけど、たぶんS氏は自分がかつてプロデュースしてた歌手のイメージを利用してるとは思うんだよね。勝手に歌を聴く人がイメージを重ねてるだけというのももちろんあるけど、ソレもうまく幻想として機能させている。現にソレで「橘いずみ」という歌手がスポットを浴びる要因の1つになったワケで、縁があってワタクシの耳にも届いたワケだ。
まぁでもワタクシはリアルタイムで女尾崎と呼ばれてた時代は知らないけど、今ならいずみさんと尾崎は違う人物だよ、とはっきり言えるね。板谷監督が言ってたけど例の『失格』の映像で「女優だよ!」と連発してたんだけど、いずみさんは「演じられる人」なんだよ。かたや尾崎は「演じられない」、というか少なくとも「演じる」というイメージはこちら側が持てない人だよね尾崎は。コレはどっちが優れてるとか劣ってるとかそういう意味ではなく、歌手としてのタイプがちがう、というコト。現にいずみさんはこの数年後、一人芝居の「真空パック症」や「モンテクリスト伯」という舞台に上がるコトになる。やっぱりオファーがあったというコトは、役者としての素質を見抜いた人がいたんだろうし、ソレはファンとしてはとても自然な流れだし、むしろそういうコトをやるべきだとも思ったし、全く違和感が無かった。
ただ幻想が強かった部分はあるのカモしれないね。そっからミュージシャンとしてのシフトチェンジがうまくいかなかったというか、理解されなかったというのはあるのカモしれない。ソコでまぁ、この作品が「光の時代」とするならば、その後に「影の時代」が訪れるワケで。
世界的に有名なアーティストの村上隆氏の著書の最後の方に、サザンも挫折した云々というコトが書いてあって、読みながら「いずみさんもそうだったろうな」と思った。長く続けてれば良い時ばっかりじゃなくて、売れなくなったりとか契約切れたりとかあると。でもそういう時におそらく自分に問う。「わたしはこの先も歌い続けるのか?」。そういう歌手としての根源的な問いと向き合って、ソコで何かきっかけがあったのかは知らないけど「わたしはコレからも歌い続ける」と決意した瞬間があったんだろう。こういう人は強いんだと思うよ。もうブレない。ソレが第一期橘いずみから第二期橘いずみに変わる瞬間だったと思うんだ。たぶんそう決めてからでも数年は「ホントにコレでよかったのかな、、?」と安定はしてなかったカモしれない。楽観と不安を行ったり来たりしてたカモなと思う。でも今回「これからも何十年も歌っていくことが当たり前な気がした」という言葉がブログに書かれてたからね。なんとな〜くでも確かな実感みたいなモノをつかんでるんじゃないのかな。20年続けてきたという自信が。
あとは板谷監督のホームページに書いてあった『太陽』のウラ話とか冒頭の高速14時間運転とか語られてたけど、聞きたかったのはそもそも何で高速のあの映像なのかな?と。まぁ別に全然良いんだけど。アレといずみさんの朗読で画面に引き込まれて軽いトランス状態になるワケだし、不満があるワケではないし。むしろ誰も疑問に思わないというコトは、そのままダイレクトに右脳的に受けいれられるというコトだから。理屈では無いというね。『灰とダイヤモンド』といえばあの映像だし。スピード感がほしかったんだろうなとは思うけど、でも板谷監督的に何かイメージの素になるモノがあったのかな?とか思ったりもしたので。なんかそういう話を聞きたかったてのはあるよね。
あと『灰とダイヤモンド』の中盤で打ち合わせしてるシーンがあるんだけど、ステージ上のいずみさんが「中野さん、標準語でしゃべってる〜!」て言ってたのが笑ったな。たしかにソレは気づかなかった。でもコレも「アレ?」て疑問に思ってた人いたんだろうね。だからさ、ドキュメンタリー「風」なんだよな、あくまで。やっぱり現場には、いつもは無いカメラが入ってるワケだから、意識すんだよ各人。いくら「自然に」というコトでもね。なるほどな〜、と思った。
でも中野さんが気を使ってなんとか遠まわしに「もう少し曲に従って歌ってくれないかな、、?」的なコトをいずみさんに話してるシーンなのに、いずみさんはそんなコト考えてたか(笑)。さらにその後のいずみさんの言葉が「でも今んとこ良かったよー」ていうなぐさめ的なフォロー。。フォローしてやっか!みたいなフォロー。中野さんも「伝わったかなぁぁー今の??」て顔に縦線が2・3本入ってる気がする(想像)。
でもね、コレはこの時のバンマスだった中野さんも「まとめるの大変だった」て言ってたけど、やっぱり周りは周りで苦労したと思うよ。板谷監督も言ってたけど「いや、いずみちゃんはいい!」と。あなたはそのままでいい、我々はあなたを支えるのが仕事だから、ていうね。そういうのはなんか「スタッフ間での一番の暗黙の了解事項!」みたいな感じだろね。やっぱりいずみさんの魅力を最大限に引き出すコトが仕事だから、そのために動く人も走り回る人もいるだろし。逆にいずみさんが気を使ったりパフォーマンスに影響が出るようなコトはまずいワケだから。だからそういう周りのスタッフがいたからこそ、この日いずみさんが連発してた「オレ、スゴイ!」になるワケなんだよな。いずみさん1人だけで「オレ、スゴイ!」にはなってない。そういう意味では「チーム」なんだよな。ふりまわされてもステージでいずみさんが自由に飛びまわれるように、だからいずみさんが光るし、というコトは支える人たちがいるというコト。
あと『ズレテル』のトコでいずみさんが「あんた、あのコのなんなのさ?」て自分の曲にツッコミ入れてたのは笑った。だから「イメージ担当の人」が「こういう曲作らない?」て持ちかけたんだと思うんだけどね。まぁこのくらいにしとこ。
ああー、あとこの日トークに参加した人たちの各自の近況とか今やってる仕事とかは情報として告知なり宣伝してもよかったんじゃない?と後で思ったわ。今何やってんだろなー?とは思った。そういうのもなんだかあまり触れなかったよな。
後半のライブはいつものワタルくんとこの『灰とダイヤモンド』でもギターを弾いてたKIM嬢が加わって、トリプルギター!
1.まにあうかもしれない 2.上海バンドネオン 3.失格 4.サルの歌 5(アンコール)まんまる
ワタクシは『灰とダイヤモンド』の時代をリアルタイムで観ていないので、いつもの歌にKIM嬢のコーラスが加わってたのがとても新鮮!女性コーラスもいいよね。ギターも3本で厚みがあった。上海バンドネオンの後半、手動ディレイがかかっててCDのあの感じが再現。「榊いずみに戻ります!」の宣言でアンコールはまんまる。KIM嬢はまた何かの形でライブでギターやって欲しいな〜。
真里亜ちゃんも「さかきまりあです!」て初舞台(?)踏んでたし(お腹の中にいた頃は上がってたけどね)、リアルタイム経験者ではない(当時15歳とのコト)進行役のワタルくんもご苦労様でした。ワタルくんもふりまわされ役を代々引き継いでるんだよな(笑)。でもワタルくんみたいな人がいるから、いずみさんがのびのびできる。
またこういう形のイベントがあるのか分からないけど、なかなか貴重な話を拝聴できやした。オモロかったぁ。