過去があるから今がある。石(意思)が積み重なってココにいる。
ムダなコトは1つもない。未来とは「今」の連続である。

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 ◇最新本◇  今年(といっても2021年だけど、、)読んだ本。後編 

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 ◇最新グッズ◇  『靴箱→ファイルボックスへトランスフォーム!』 

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 ◇最新ブログタイトル◇   『Overcoat's(オーバーコーツ)21年ぶりの新アルバム!『9 numbers,Groovy!』を聴いて。♪♪その5♪♪』 

一瞬のまばたきみたいに消えてしまう僕らはきらめき/榊いずみ ☆7☆。

『ただの一日』でも歌ってる。「まばたきみたいに消えていく」ていう命の有限。ソコに諦念があるワケだけど、「消えていく『から』」、だからこそ「僕らはきらめいて 流れていけるさ」と。ココに「Life is very short」へのいずみさんなりの向き合い方というのが見て取れるね。生きてる限り、いろんな感情に揺さぶられるけど、大きなまんまるの中で暮らすよ、ていう『まんまる」にもつながってくる。
『まんまる』は気にいってるトコロがいくつもあるのがいいな。イントロの音とか間奏のギターのフレーズ、最後の方のチュルっチュとか。外面は鼻歌歌ってるつもりでも、内面はものすごくカオス状態みたいなギター。歯食いしばって生きてるなぁーていう。
ライブではじめて聴いた時「このイントロ、なんだか『未知との遭遇』というか、宇宙との交信みたいだよなー」と思って。ワレワレハ〜、て宇宙人のモノマネをするように(宇宙人のモノマネ:笑)胸を小刻みに叩いて声を震わせてしゃべって。
イントロで、宇宙にいる、宇宙人の乗ってるUFOから地球を見てるんだよな。歌いだしが、ガレキの地であぐらかいてうなだれて座ってる人が1人。若干モノクロ。で、途中で花が一輪咲いてる絵とかあって、座ってた人が立ち上がって空を見上げる。何かが空にキランと光る、その光に気づく。アウトロでその光が冒頭のUFOだった、ていうね。で、UFOがビューンて地球の成層圏上から去ってくんだ。
ガレキに座ってる人だけじゃなくて、世界各国の人とかも入れてみよか。もしくは若者からじいちゃんばあちゃんまで。途上国の水を運んでる女の子が空見上げたり、日本だと通学のバスから窓越しに空を見てる女子高生、学校の帰りに海辺で自転車を走らせて沈む夕日を見てる男子学生。中学生がいいな。肩から白い学生かばん提げて詰め襟着て学帽被ってる。家で奥さんが掃除機かけてる中フト写真立てが目に入って手にする、80ぐらいの眼鏡かけてヒゲ生やして帽子被って杖ついてるおじいちゃんが公園のベンチに座ってしばらく空を見てたら涙が流れる、、。途中の「未知との遭遇」音のトコロらへんのいずみさんが歌ってるトコと演奏してる映像をはさんで。う〜ん、やっぱりこの曲は榊監督にPV撮ってもらうか!(笑)。
アルバムは全11曲だけど、先行予約限定として『Sakaki Izumi Official Bootleg vol.2』なるCDがおまけとして付いてる。vol.2てコトは1があるのかな?たしかファンクラブ限定で出したとかそんな記憶が、、。まぁこちらは「お遊び」といった感じで、ラフでくだけた演奏ぷり&手作り感満載。2曲入ってて『Wonderful Life KIRA KIRA☆Ver.』と『夕方向上委員会のテーマ』。ドラムなどの鳴り物の代わりにチープな楽器たちが使われ、より音楽隊濃度が高い。
 ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆
全7回、まぁだいたい当初の予想通り6〜7回で書き終わるだろう、書き終わればいいな、なんてオボロゲに思ってたけど、こうやって長丁場でアルバムの感想を書いてみると、書く前は自分でも予想だにしなかったコトが出てきて「なるほどな〜、そうかぁー」と事後的に思った。
ノンフィクションかフィクションかはさておき、あくまで歌で伝わってくる「橘いずみ」さんという歌手は、『バニラ』の歌詞にも見て取れるように「わたしそんなに強くもないから わたしそんなに弱くもないから」という「強がり」な女性。でもそんな強がりを「見抜いて!ヘルプ!」ていう強がりの裏側に隠れてる弱さと、「本当にごめんなさい」と言ってニヤリと笑うような挑発的な狂気の部分の感情の揺れ動きが、聴く人を魅きつけた、揺さぶったというかね。ソコんトコロが刺激的でセンセーショナルだったんだろうな、と思う。
『サルの歌』が橘いずみ史上最高傑作だとワタクシは思ってるんだけど、その理由は強がってた自分の弱さを「許す」歌だからね。受け容れたワケだよな。で、同じように「許された」人もいるんだと思うんだよ。「あ、いいんだワタシ、このままで」ていうね。だから何かに意地を張って反抗してた人たちに共感されて支持されたんだと思う。
この「同じ傷がうずく」というか「痛みを持った人が共感」ていうのは「榊いずみ」にはないんだよな。橘さんの場合は、あくまで「自分の気持ちの吐露であり告白」。その「吐露であり告白」に、聴く人が勝手に自分を重ねるワケだけど、榊さんの場合は、もう初めから「他者」に向けて歌ってる。この「他者への意識の差」が感じられるね。
「わたしはここ」1つ取っても、橘さんの『サルの歌』では「愛されたいと思っていた本当は」と続くし、榊さんの『Swimmer』では「高鳴る思いで生きてこう」となる。もう全然立ち位置が違うでしょ。同じ言葉でも全然意味がちがってくる。橘さんはグラグラ不安定だったけど、榊さんは安定してる。ソレは旦那さんがいるからだし、真里亜ちゃんがいるからだ。「榊いずみ」という歌手はこの2人の存在を抜きには語れないのだ。
だから昔の歌を今の「榊いずみ」が歌うと、ど〜も違和感があるんだけど、なんだろなぁー、うまく説明できないなー、とずぅーっと思ってたんだけど、コレ書いてて氷解したのね。今の「榊いずみ」が歌う「橘いずみの歌」は「セルフカバー」なんだなぁー、と。そう考えたらストンと腑に落ちたねワタクシは。もちろんライブだと、時間軸が一瞬消えて「あの頃の橘さん」が顔を出したりして、そういうのもいいんだけどね。歌声や笑い声の少年ぽさとか、懐かしいなと思ったりして。
というワケで、来年セルフカバーアルバムが出るらしいよ!、、て我ながらいい流れだ(どんなだ:笑)。『てぃーんずぶる〜す』とか『路上のルール』とかあったけど、そういう感じなのかな。自分の歌のカバーなのか、カバーしたい曲のカバーなのか。来年は20周年だから、こういうのは何かしら必要だよね。
今作は前作から4年ぶり!というオリジナルアルバムで、さすが4年というまとまった月日を積み重ねると、時の移り変わりを感じるね。いずみさんにとっては激動の4年だったと思うな。前作ではまだお腹の中にいた真里亜ちゃんが生まれて生活が一変しただろうから、歌うコトも変わってきたと思うよ。子供目線を獲得したからなのか、シンプルになった。ヒネくれたり深読みするコトなく、直球ど真ん中な歌がホトンド。生活が慌しいから迷ってるヒマが無いのカモね。即断即決を求められる場面も多いのかなと思うし、ソレていうのはやっぱり頼られる立場にいるからでしょ。た〜だ感情の起伏とかワケのワカラナサとか謎めいた部分が無い、てのもアーティストとして見ると「、、、どうなのかな?」とはちょびっと思うけどねーなんて言ったり(笑)。ソコを知りたい分かりたいと思うのもリスナーだと思うのでね。まーそういうのはさんざんやったてのもあるだろうし、今の気分としてそういうのではなく「シンプル」てコトなんだろうけど。
今作は旦那さんの歌は全く無くなったしねぇー(笑)。まーソレはもう「当たり前」のレベルに落とし込まれたんだよな、というコトにしときましょー。ドタバタ賑やかな方がシーンとしてるよりはいいんだろうし。秋には赤ちゃんが生まれるようなので、より一層賑やかさが増すんだろうな。で、次回作はまた4年後なんだろうなぁ〜(笑)。