Heartquake 〜3・11を忘れない〜 vol.6。
町田市は真っ暗だ。山を切り開いたトコロに道路を通してるので、小高く丘のようになったトコロに家々がぽつんぽつんと建ってるのだけども(だからソレら家々を見上げる格好になる)、ソコにはまるで人が住んでないかのごとく灯りは点いておらず、ちょっと中世ヨーロッパかなんかの不夜城のようにそびえ立ってる。「人、住んでるのかな、、」と一瞬思うけども、いやコレは停電で静まり返ってるだけなんだと気づくのにそう時間はかからなかった。明かりの類は車道を走る自動車のライトのみ。この辺りの人は、なけなしのラジオと懐中電灯を頼りに、みんな暗い家の中で、不安におびえながら息を潜めてるんだろうな、、。
ソレにしてもこのうすらトンカチの頭でも鶴川駅から遠ざかってるのに感づく。行き交うバスの行き先が「藤の台団地」とか示してるし。ソレでも越えるべき山が「2つ」だと思ってるので、まだ間違いに確信が持てず(あとあと山は「1つ」だったコトを地図で確認するコトになる。。もう「玉川学園前」で山1つ越えたじゃん!という話:苦笑)「??」と疑問に思いながらも歩き続ける。
まだ3月の11日といえば夜も寒く、この日はとくに風が強かった。ソレでもその吹き付ける風の寒さよりも「この道で合ってるのかなぁ、、」という思いの方が強かった。
じわじわ「この道違う感」がムシバンできて「ナンダカ違うなー!!」と噴火。てか「やっと目が覚める」と言った方がいいのやら。。「出たよ出たよ!」と自分の方向音痴の発症に怒り、「ココまですんなり行けてたのがむしろオカシイ」と思うように。コレから30分ばかりの道のりを、トボトボと引き返すコトになる。
途中、歩道橋のある交差点まで戻ってきたトコロで通りかかった人に道を尋ねると、どうも自分はさっきまでまた町田方面に逆戻りしていたらしいというコトが判明、、。オソロシヤ、、。どーなっとるの??。どうも無限ループにハマってたらしい。あのまま行ってたらまた町田だ。一体全体ドコでまた町田へ向かうコトになったのか、、?地震で空間が、次元が捻じ曲がったんじゃないかと思う。その歪みに足を踏み入れてしまったのだ。きっとそうにちがいない(汗)。
例の鶴川街道のトコロまでやっとのコトで戻る。ココで計1時間費やす。そして実はいまだになんでかよく分からないのだけど、さっきと同じように歩いたつもりなのに「正解」の道を歩くコトに。「鶴川駅」行きのバスが頻繁に通るように。泣きたくなる。ドコカで左に入ったか、右に入ったかしたはずなんだけどなー、、と思いながらとうとうハッキリした理由を確認できなかった。やっぱり時空が(省略)。
ともあれ、ようやっと鶴川ぽい匂いと店の並びが視界に入る。只今の時刻、8時55分。駅前のとある店の店内で、いまだ電車は動かない中、ろうそくに灯を点しながら従業員の人たちが待機してるのを、ガラス越しに見ながら通り過ぎる。この辺も駅の明かりだけで停電のよう。でも駅の明かりを見るだけでも嬉しい。ホっとする。