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『告白』を観た。のつづきのつづき

ん〜〜ちょっとじゃないカモしんない。一番書かなきゃいけないコト思い出した。命の重さてヤツね。
この作品は「どうして人を殺してはいけないの?」という問いに対しての監督なりの回答だとも思うんだよな。
自分が人を殺すというコトは、自分も他人に殺される可能性があるというコトだ。自分が他人の大切なモノを奪う代わりに、自分も他人に自分の大切なモノを奪われる可能性がある。しかもまわり回って、自分が自分自身の愛するモノを殺めてしまう。そんな可能性もありえる。
戦場とかそうでしょう。前にちょうどガンダムSEEDデスティニーやってたんだけど、トダカ一佐だっけ?オーブの軍人で。彼は主人公のシンという身寄りの無い少年に手を差し伸べた。彼が救ったその少年がまわり回って敵同士になって、彼の軍艦は少年の乗ったガンダムによって落とされ、彼は命を奪われる。2人ともお互いが誰かを知らない。よもやあの時、救った少年によって討たれたコトも知らず、手を差し伸べてくれた人を討ったとも知らず。
軍に所属してもないし、ココは戦場ではないけど、映画の犯人は自分の作ったモノによって、結果的に自分の大切なモノを奪われた。事実かどうかは分からないけど。
大切なモノを奪われた人間はまわりなんかどうでもよくなってしまうのだろう。自暴自棄。残された者はその先の人生、死んだように生きるしかないのだ。奪った命そのものよりもまわりの人の人生をも奪う。ソレも含めて、だからこそ命は「重い」。
たぶん森口先生は娘の命を奪われた後、自分も死のうと思ったんじゃないかと思う。生きてる意味がないと。おそらく犯人への復讐心だけが彼女の支えであり彼女を生かしてた、突き動かしてたんだと思うな。そういう心理状況になったら、法律とかまわりがどうとか自分自身でさえもどうなっても構わないだろう。復讐に燃える復讐人になるだけだ。
かといって逆上したり感情を荒げたりするコトもなく、あえて冷静に落ち着いた風を装ってたのは、教師であるというコトもあるだろうし(ある意味ソレを利用したのカモしれないし)、何より「何ひとつ犯人の思うようになってやらないぞ!」という気持ちの表れだろう。おまえの思うようになんかなるモノか!という。その感情の抑え方が冷酷に移り、粛々と、淡々とコトを進める死刑執行人のように思えるのだ。
あと愛情の行き違いてのがあるな。フクザツに見えて、1つ1つは単純。単純な1つのコトからどんどん連鎖してく感じ。親子の愛というのも距離が近すぎて、コレが「正しい愛」かと言うとワタクシは「?」と思ってしまう。犯人と犯人の母親といい、森口先生と娘の関係でさえも。「愛」て大切なモノを奪われると憎しみに変わる、そういうモノなのか?ソレは本当の愛なのだろうか?そういう近視眼的なモノではないような気がするのだけど、、。溺愛。愛に溺れてるんだな。もっとそういうモノを超えたモノ、包容力であったり、大きく優しく包み込むような、寛容で大らかなモノが本当の愛の姿なのではないかとワタクシは思うのだけど。まだ「情」に流されてる感じがする。
その愛情のかけ方が、犯人の場合は母親が犯人である息子への愛情、というよりまず「自分が好き」「自分ありき」というエゴからきてる。単なる自分の価値観の押し付けだ。犯人の母親は息子を抱きしめながら、ソレは自分自身を抱きしめてるのだ。ソレは愛ではない。
観てて「なんか古臭い」と思って、後でよく考えたら『巨人の星』の飛雄馬と一徹の関係に少し似てる。親父に認められたい。母親に認められたい。いつだって子供は純粋だ。母親のエゴからくる愛でも、子供は自分へ向けられた愛と受け取るだろう。ソコが悲しい。森口先生が「なぜ母親を殺さなかった!」と言うけど、ソレはムリだろと思う。間違っててもソレは愛だと受け取ってるんだから。母親に認められたいがために生きてる、生きがいみたいなモンだろ。ソレが犯人の支えになってるんだから。
だから森口先生が最後にああいった事実かそうでないか分からない発言をしたのは、ある意味犯人への自立心、親離れを促した、そういう風にも捉えるコトはできる。でも中学生で親離れも早い気がするけどな。ソコまで荒野を歩かせなくてもいいだろ、て感じ(笑)。でも「亡き者」とするコトで「想いを絶つ」てコトなんだろうな。でもソレが森口先生にできたかい?て言ったら彼女自身できてないワケで、ソレを中学生に求めるのは酷だろ。ソレは最後の場面で、その後おそらく発狂気味に叫んで、森口先生へ復讐、目の前にいる森口先生の首に手をかけるみたいな行動になるだろう。でも森口先生に「母親」を感じて、力なく手を緩めむせび泣く。森口先生は背を向けて歩き出す、、てコトになると想うんだよな。
でも森口先生「自身」にも言ったのカモしれないよな。こんなコトをしてももう娘は戻らないのに、いつまで想いを引きづってるんだろう、ていう自分の娘への想いを断ち切りたかったのカモしれない。でもソレができない自分がいるんだよ。ソコは犯人である学生が母親を殺さなかった部分になんとなく共鳴する。ソレが「親子」てコトなんじゃないかい、とワタクシは思う。だからもう犯人とは終わりにしよう、てコトなんじゃないかな。
あとこの作品では「言葉」。中途半端な情報(言葉)に翻弄される。そんなに言葉て信じやすいかなー?何かに感染したとしたら、ネットなりでまずはその病気について調べようとするんじゃないの?と思うけど。ワタクシなら少なくともそうするなー。だって自分の精神的な負担をできるだけ軽くしたいじゃない?あまりに鵜呑みにしすぎると思うけど。でもそうしてデフォルメしないと作品が成り立たないしね。まぁソレはいいけど。でも言葉に翻弄されてる、ていうのは世の中への警鐘だと思うよ。もうちょっと疑いなさいよ、という。
あとこの作品でいう犯人の母親に対してだね。よく言われる「言霊」てあるよね。ソレは別にスピリチュアルな意味でもなんでもなく、インパクトのある言葉とか、ココでコレ言ったらあかんやろて言葉。そういう頭に残るような言葉てあるでしょ?悪口とか。そういうのは悪い邪の念が言葉に乗ってるんだよな。有名な掲示板とか。いかにも!て感じでしょ(笑)。アレは悪い言霊ですよ。相手が不快になるように気持ちを込めて言葉を発するんだから。逆に相手への感謝の念とか、そういう言葉は良い言霊。
あなたはお母さんの血が流れてるんだから出来が悪いワケがない!ていうような発言の数々。アレなんかは呪いの言葉だよね。あと映画では「更生」て言ってたけど、アレなんかは反省しなさいていう意味もあるだろうけど、ようは「殺させない」てコトだからね。犯人は大切なモノを奪われて生きる意味がなくなった、でも殺させない。ラクにはさせない。この先は苦しみながらこの世という地獄を生きろ、と。
でも言葉てムズかしいよね。何でもない言葉でも子供には残るし。でもあんまりムズかしく考えすぎてもよくないんだろうけど。
あと学校で教室という場所だけど、「社会の縮図」という気もしたな。法律はあくまで法律なだけであって、生きてる我々にとっては実際の生活の場所て社会だからね。この半径何十mか、いくつかの場所か、でしょ。ソコで居場所が無くなれば法律で裁かれなかろうが関係ない。ソコで生きていけないんだから。
だからこの作品は、社会とはこういうモノだとか言葉とはとか親子の愛とはとかを大人が子供に教えるというコトでなら、ワタクシもいいと思う。そういう「大人が子供に教える」という作品だと思うから。ただインパクトにかき消されちゃうんだろうなー。残念だ。観た直後は圧倒されてボーゼンとしても、後でじわじわと「アレはこういうコトだったんだ」とか思ってくれればいいけど。
コレで書きたいコト、書ききったかなぁー?こんなトコかな。