シェーッ!オンパレードなのだ。
1週間空いてしまったけどつづきなのだ。
会場の飾りつけに愛が感じられるのだ。本の装丁で有名な祖父江慎(そぶえしん)氏が会場デザインのプロデュースをしたのだ。おそ松くんのブースでは1mぐらいのおそ松6兄弟がお出迎えなのだ。発砲スチロールボードかなんかを芯にして、拡大コピーしたおそ松たちの正面と背面を貼り合わせたモノをディスプレイしてるのだ。
後半になるとこの手法で赤塚漫画全キャラクターが名前付きで飾られてるのだ。コレは圧巻なのだ。モノすごい数のキャラクターを開発したのだな、と感心するのだ。おそ松、ひみつのアッコちゃん、もーれつあ太郎、天才バカボンなど有名ドコロ、ニャロメ、べし、ウナギイヌなど後半になってくるとなぜか動物が増えてくるのだ。
ちなみにアッコちゃんて、たぶんああいう「コンパクトに魔法の呪文を唱えると願いが叶う」的なモノの先駆けだと思うのだ。アッコちゃんがああいった形の「魔法モノ」というジャンルを作り上げたんだとワタクシは思うのだ。実験的でアバンギャルドな赤塚漫画にはそういう「発明」が数多くあったワケなのだ。
原画の展示の仕方にも一工夫しており、布に原稿を転写して上からヒラヒラとたなびく感じにしてたり、原稿自体を横にしたりナナメにしたり逆さまにして展示してるのだ。コレには観る側に「モノゴトはいろ〜んな角度で見てみるのだ」という赤塚先生のメッセージが込められてるような気がするのだ。いろんな角度でモノゴトを見るコトによって、固定観念、先入観という一方向、モノゴトの一面だけじゃなく、意外に面白い面が浮き彫りになったりその逆もあったりなるほどーと思えたりと、そういう新たな発見があるのだ。なので逆さまに展示されてれば、体を曲げて逆さまに観るのが正しい観賞の仕方なのだ。ソレが礼儀てヤツなのだ。
そして期待してたシェーッ!の部屋なのだ。さすがにココは一段と人がいるのだ。「シェーッ!オンパレード」というタイトルで、壁面に150名の漫画家のキャラクターや芸能人がみんなイヤミのシェーッ!のポーズをしてるのだ。
鳥山明(ドラゴンボールの悟空)、やなせたかし(あんぱんまん)、藤子不二雄A(喪黒福造)、弘兼謙二(島耕作)、高橋留美子(パンダ)、さくらももこ(何かわからない。キャラなのか?)、実際の人物はタモリ、黒柳徹子、しょこたん、さんま、などなどなのだ。(敬称略)
やっぱりココではシェーッ!の完成度が誰が高いか?というコトになるのだが、ワタクシが見た限りでは漫画家では最近の漫画家はなんかダメなのだ。逆に巨匠と言われる年代の漫画家は絵にまとまりがあるというか、細かいコトを言えば描いてある色紙の余白とのバランスなんかも考慮されてイラストとしての完成度・まとまりが高いというか、キャラクターの線の太さがちょうどいい(例えて言うならミッフィーみたいな)具合の太さで、このへんはなんとなくこういった一枚絵を描きなれてる人と描きなれてない人の差が出てるような気がするのだ。ワタクシが見た限りでは鳥山明ぐらいまでの年代の漫画家がちゃんとしてるのだ。
そして巨匠の年代のキャラはちゃんとシェーッ!の何たるかをとらえており、このへんの観察眼のレベルの差も最近の漫画家と生じるのだ。ちゃんと左足の靴下がびろびろ〜んとなってるかとか、そういう細かいディティールに実はシェーッ!の何たるかが息づいてるのだ。「なんとなくこんなポーズだよね」と安直にやってる程度では、恥ずかしがってるのではダメなのだ。
黒柳徹子嬢はなんだかヨガをやってるようなミョーなシェーッ!で、さんま氏はシェーッ!の完成度というより「イヤミ」自体の完成度が高いのだ(笑)。名は伏せるが意外な人が意外にシェーの完成度が低かったりして、観てた人が「愛がないよねぇ〜」と言ってたのだ。そう、ソコに愛があるかどうか?愛のあるなし、ソレが判定基準なのだ。観る人は見抜くのだ。
そいえば、最近またリバイバルで人気があるらしいクリィミーマミ(by高田明美嬢)のシェーッ!もあったが、シェーッ!というよりはなんだか魔法をかけてる途中、て感じだったのだ。
毎日新聞のサイトで紹介してた記事をリンクしとくのだ。http://mainichi.jp/enta/mantan/graph/manga/20090821/index.html
赤塚先生は1度「山田一郎」と改名したコトがあるのだが、忘れちゃったけど今回再びなんたらかんたら居士(たしか漫画の「漫」とか不二夫の「不二」とかが戒名に入ってた)と改名したという、なかなかシャレの効いた、愛のあるしめくくりを観て会場を出たのだ。人生、笑いとギャグで駆け抜けた人だったのだな、と思ったのだ。
会場を出ると赤塚漫画キャラクターグッズ売り場があり、ものスゴイ品数と人人人!だったが、結局こういうのを買っても家に帰って「何でこんなの買ってきたんだろ、、」とフト我に帰ってしまうので、何も買わなかったのだ。でも「バカ田大学ノート」はかなり良さげだったのだ〜。裏表紙にバカ田大学の校歌が書いてあったのだ。
おしまいなのだ。