『バシャール』の補足(?)関連書籍。
リーマン博士の大予想 数学の未解決最難問に挑む 黒川 信重 カール・サバー 関連商品 素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~ 興奮する数学 ―世界を沸かせる7つの未解決問題― リーマンのゼータ関数 (開かれた数学) 素数の音楽 (新潮クレスト・ブックス) ポアンカレ予想を解いた数学者 by G-Tools |
イラスト「超ひも」理論―図解でいっきにわかる!宇宙論の最先端 白石 拓 工藤 六助 関連商品 エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する by G-Tools |
この本は数学の本なんですが、この本を読むと数学者という人たちはどういう思考回路でどういう人物たちかということが分かります。「数に魅せられる」てこういうことなんだなというのが、普段の生活で微分積分行列などというものを一切必要としない数学者ではない普通の人にも、数のロマンと言いますか、数学のエキサイティングな世界の楽しさが伝わってきます。それは山に登る登山家と同じです。世界の秘境を旅する探検家と同じです。
例えば「9」という数字を見て、普通の人はただ単に「9」だと。それ以外の何物でも無いですが、数学者というのは「3という素数を二乗した数だ。」なんて言いながら顔に笑みを浮かべ、ちょっとばかり高揚するわけです。わたくしたちが普段見てる何の変哲もない数字、とは明らかに違う世界をそこに見ているのです。
この本から本格的にリーマン予想の新しい何かを知ろう、というのはたぶん望まない方がいいと思われます。そういう人はもっと違う本格的な書籍を所望された方がいいように思われます。そういった人向け、というよりこの本はわたくしたちのように普段全く数学に関わらないで生活していて、ふと何かのきっかけで興味を持ってこの本を読む、という流れ。わたくしたち数学の素人が読むに適してるのでは?と思います。「数学者とはこんな人物なんです」という紹介本のように思えます。
たしかに複雑で何のことだかさっぱりという式や内容は多々出てきますが、そういったことよりもやはり数学者の数学に対する姿勢というか考え方、そちらの方が興味深いです。なので数学が全くだめでも、読ませてくれるので何とか読み続けることができます。
説明が遅れましたが「リーマン予想」。これはかいつまんで書きますと、素数の分布が発端になってる数学の世界での未解決問題で、素数の分布というのはある法則に則って分布しているのではないかと。そしてそれはこういう法則に則ってるのでは、、とリーマン氏が予想をしていて、それを他の数学者たちがその法則が果して正しいのか間違っているのかを証明することに躍起(やっき)になっている、とたぶんこういうことです。
「こういう法則」うんぬんについては、リーマンのゼータ関数とか零点がどうのこうのとか1/2でどうのこうのとかよく分からないので割愛しますが、数学はいわゆる公式とか定理とか、そういう形を「エレガント」と表現しますが、数学者はそういうエレガントな形を求めるわけです。例えば、これは数学ではないですがアインシュタインの有名な方程式「E=mc2(二乗)」のようなことです。そういう式が求められれば、あとは記号に数を代入すれば素数の分布を表すことができるのではないか?と。
でもご存知のように素数というのは1、3、5、7、11、13、17、19、、、とランダムです。そこには法則など見出せないと思えるかもしれませんが、数学者は「あるのでは」と思っているのです。
この本を読みながら、ふと思いつきました。「この素数のランダムさというのは、『バシャール』に書いてあった『粒子でもあり波でもある』に通ずるのではないか?」と。この本にも書いていますが、数学と量子物理の世界というのは密接な結びつきがあります。でも考えてみれば当然のような気もします。数学にしろ、もちろん量子物理学にしろ元を辿れば自然現象から発生してるのでしょうから。
しかし長い間両者との関わり合いは無かったように思われます。たぶん数学者は数学者で、数学の世界だけに没入し(そういう「追求型」の人間だからこそ、とも言えるでしょうが)ただ数の世界の深度を深くしていくことのみに費やしていて、他分野との関わりなど考えられない・関わる必要性を感じられない、と。そのようにも思われます。しかし素数のランダムな分布と粒子の不確定な状態(=不確定原理)という大きな共通点があったわけです。数学と量子物理学の出会い。そこから数学は新たな発展を遂げていきます。
ランダムであり、秩序でもある。結局は人間が見た、その時の状態がたまたま「粒子」なのかもしれないし「波」なのかもしれない。わたくしたちが規則的だと思っていることも、実は「ランダム」という大きなくくりの中の1つの形なのかもしれません。
そして2冊目は『バシャール』に記述されていた「フリーエネルギー」のイメージに近いものが取り上げられているようにわたくしは思います。この本に書かれていることはいわゆる「トンデモ科学」ものとはまた一味違うというか、もっと真実味・現実味を帯びたものになっております。
「真空エネルギー」という表現は現在の宇宙科学でも盛んに用いられます。まだ今のところ宇宙について人類は10%程度(もっと少なかったか?)知らないと言われています。宇宙の大半はダークマター、ダークエネルギーというエネルギーに支配されているとも言われております。
真空というのはわたくしたちは真の「空」で、何も無くからっぽだという認識ですが、量子の世界では真空というのは何も無いゼロの状態ではなく、粒子が振動を少なからずしている(ゼロではなく「最低」エネルギーという考え。いわゆる真空=ゼロ・ポイント・フィールド=粒子(真空エネルギー)がゆらいでいる場)という「騒がしい」空間、とされています。よってそこにはエネルギーがあり、ということは真空は無限に広がっているわけですから、その真空という場から無尽蔵にエネルギーを取り出せるのではないか?ということが、かいつまんで言いますとこの本には書かれています。バシャールの宇宙船が『直接エネルギーを取り込んでる』という表記がありますが、ひょっとしたらこの真空中のエネルギーを直接取り込んで使っているのかもしれません。わたくしたちもこの真空エネルギーを電気的に変換して使うことができるだろう、ということです。
3冊目の超ひも理論(スーパーストリング理論)というのはSFでも何でもなく、現在の宇宙科学におけるとても重要な理論です。この理論はとても難解です。この超ひも理論関係の本をいろいろ読んでみたのですが、何が何だかさっぱり理解できなく、この本はイラストでできるだけ分かり易く描かれてるので、やっとこういうことなのかな?という具合に何とか読むことができました。
どの本もそうですが、まず大体この「超ひも理論」という主題に入る前に前提として、ニュートンの万有引力やアインシュタインの相対性理論から話が始まります。つぎにハッブルによる宇宙は膨張しているだとか不確定性原理とか、量子の話になって原子は陽子と中性子で成り立っているとか、さらにクォークハドロングルーオンアップクォークダウンクォークetc、、というもっと細かい粒子でできているという量子的ミクロな話になります。
これら粒子には電荷が逆の「反粒子」が存在すると予想されていますが、現在はまだ発見できていません。しかし2冊目に戻りますが、ゼロ・ポイント・フィールドのエネルギーが存在するなら「反粒子」というものは必要としないらしいのです。このへんはよく分からないのですが、宇宙が膨張していることが関係しているみたいです。宇宙は膨張しながらもその速度は急激ではありません。ということは何か反発する力、膨張の加速を抑える力が働いているということで、それを斥力(せきりょく)と言います。そこの「力の駆け引き」みたいなものが何やら関係あるように思えます。
超ひも理論そのものについては、『バシャール』とはあまり関係ないので省きますが、この理論が多次元宇宙やパラレルワールドの存在を予言しています。