『ほぼ日』の『はたらきたい展。』を観にいった。その2
お次は「ほぼにち銀座」というブース。
「社会の中でほぼ日をどのように位置づけるか」とか「どのように会社を運営してるか」とか、そういったほぼ日のビジネスモデル的なコトが書いてあり、食堂でいうトコロの「おすすめ定食」や定番の「しょうが焼き定食」にあたるようなほぼ日を代表する人気コンテンツ、『ほぼ日手帳』やほぼ日で反響を呼んだ『糸井さん、僕を『面接』してください。』などが紹介されてた。
『銀座』という意味合いは、売れすじ商品というか、人目を魅きつける商品、いわゆる「キラーコンテンツ」を店頭に並べて、ソレでお客さんが興味を持って見に来たトコロを、店内にも促して店の他の商品も見てもらうとか、そういう意味合いがあると思うんだよね。こういう人気・定番コンテンツでまずほぼ日に触れてもらって、他のコンテンツに促すという。だからまぁワタクシ的な解釈をすると、定番の「しょうが焼き定食」であり「ラーメン半チャーハンのAセット」で、ソレでしばらくお店に通ってもらって、たまには「前から気になってたんだけど、ちょっとココのカレー食ってみたいよな」とか、別のモノも食べてみると。そんな感じだよな。そんな解釈で合ってると思うんだけど。
猪木かと思った。
そして今、現在進行形の企画でもある『気仙沼のほぼ日』ブース。
ココでもやはり会社とか組織よりも個である「人」にスポットを当ててる。
なんでもそうだけど、生産者は行き着くトコロ「人」なので、「この人の作るモノなら信用できる」とか、やはりその人の「顔が見える」というのが「価値」になってくる。その「人」自体が「価値」になる。ソレをバックアップしたりフォローしたりして、ほぼ日というブランドの信用や影響力によって魅力を広める、伝えるという。こう書いてて思うのはほぼ日はやはり「メディア」というか「新聞」なんだな。情報を伝えるという面で。
カバン好きとしてはやっぱしカバンに目が行く。ミナ・ペルホネンのワークショップも気になってたんだけどねー。ちなみに右の写真の人の顔みたいなカバンは糸井さん作。もともとあるカバンにミナ・ペルホネンのハギレをパッチーワークしたモノ。
東北の物販コーナーもあり、そして奥に控えるのは、、、
まるで「見世物小屋」のような、なんともいかがわしい、怪しさ満点のブース、、。
この『みうらじゅんに訊け!』ブースでは、みうらじゅん氏がほぼ日の本である『はたらきたい』同様、「面接」や「仕事」について語ってる映像が映されてるんだけども、みうらじゅん氏の映像は8割強タメにならない話で(笑)、残りの2割弱タメになる話がソコココに散りばめられてる。自分でもどう話が展開してくか分からない中で着地ポイントを見つけてムリヤリ着陸するような、みうら氏によるアクロバティックな語りが映像とともに。しかし固定カメラで絵柄が変わらないので、映像は観なくてもいい。音声のみで十分。字幕が流れるんだが字幕の意味がない。ただみうら氏の言いたいコトは分かる。
ようするに「世の中でまだ誰もやってない超スキマ産業をやればいい」というコトなんだろうけど、一般人はソレでお金がもらえるようになるまでが大変だと思う。まずお金にならないし仕事にならない。よってコレは「みうらじゅん氏のビジネスモデル」だ。自分の名前がブランド化されてる人しか適用しない。まぁでも「オレの話で参考になるなら、、」というスタンスでの自分語りならソレもありだろう。聞く側が自分にとって都合の良いコト・ヒントになりそうなコトを話の中からピックアップすればいい。
でもそんなコトよりも、若かりし頃に糸井さんに常にくっついて、「おまえコレできるか?」と仕事を回してもらった、そういうエピソードを話した方がよっぽどタメになったと思うんだけどー。「仕事ができる人、仕事が集まる人のおこぼれをもらえ」というエピソードの方が。
よってこの映像はみうらじゅん氏が話してる内容ソレ自体はどうでもよく(笑)、なぜみうらじゅん氏がこのイベントに、こういう形で映像を流してるか。ソレを依頼した、その意図は何か。すなわち「みうらじゅん氏」という人物がココにこういう形でいるそのコト自体にすでに意味がある、というコトだ。そのコト自体にメタ・メッセージ的な意味があると言える。「みうらじゅんに訊け!」というタイトルとみうら氏の映像、ソレだけで伝えるべきモノは十分なのカモしれない。
最後は『はたらきたい』の本にも載ってる『99の「はたらく」ことば』のコーナー。1枚1枚カードになってて、好きな言葉のカードをめいめい集めて持って帰れたので、観に来た人みんな群がってた。ワタクシも同じように群がってたけど、混みあってなかなか思うようにカードが取れない。「まーよくよく考えてみれば、本に載ってるコトそのまんま書いてあるから本読めばいいんだし、何もココで収集に意気込まんでも、、」と急に冷静になってしまったので、群れから外れるコトにした。でもケッコーな量集めた。
結局2時間以上いたな。もっと舐めるようにじっくり観たら3時間かかるだろう。
「はたらくこと」や「仕事」というと、世の中的にはネガティヴなコトばかり語られるようになってるので、「本来、仕事て楽しいモノなんだ」というコトをほぼ日のやってきた仕事を通して見せてる、ソレが今回のイベントだとワタクシは思った。もっと夢とか希望とかを仕事やはたらくコトを通して語ってもいいんじゃないか、という。世の中仕事についてネガティヴなコトがばっかじゃなくて、明るいコトもあるんだよ、というのを言いたかったのだろう。はたらくひとたちへのエールでもあるな。
コレはできれば「雇われる側」よりも「雇う側」が見た方がいいなとも思った。雇われる側はだいたい夢持って、期待して入社してるモノなんだ。ソレを会社の内情や仕事のウラ側を知って、だんだん夢や希望を失ってく。まぁ現実を知るワケだ。だから「こんなの夢だよぉ〜」とヤジる人もいるカモしれないが、えらそぶるコトが嫌いな糸井さんが謙虚に、でも胸を軽く張りながら「コホン、、、私どもにはコレが現実です。現実でコレ、できてます。恐縮です。」と言ってるような、そんな展示会だったな。