飲み物としてのカレー。
フト、カレーうどんが食べたくなった。こういう「フト」何か食べたくなる時てあるよね。フト「肉まん」食べたいとか。こういうのを「フト食」と命名するコトにする。でも、フト「舌平目のムニエル」が、とかフト「フカヒレの姿煮」が、てのは無い。
本題に戻す。時々「カレーは飲み物」とかぽっちゃりタレントが言ったりするけど、「ソレはねぇ〜だろ!」とだいたいの人はココロの中で即ツっこんでると思われる。しかし「飲み物としてのカレー」が実在するコトに気が付いた。
ところでみなさん、カレーうどんの汁はどうしてますか?立ち食いそば屋で提供されるカレーうどんというのは、うどんの汁の上にカレーライス用のカレーをお玉ひとかけ、という具合なんだけども、うどんの汁+カレーなので普通のカレーよりはさらっとする。うどんをすすってるうちにカレーとうどんの汁が混ざり合ってさらっとしてくる。とはいえソコはやはりカレー。ソレでもかなりのカレー濃度を保っているので、普通にうどんの汁を飲むようにはいかず「ごきゅ、ごきゅ」、途中で「んぐ」というのも入り、けしてノドごしが良いとは言えない。
フト、食べたくなってカレーうどんを頼む。何の気なしに箸でうどんをつまみ上げすすってく。おいしいおいしいと食べ進んでく。ソコまではいい。何の問題も無い。しかしうどんも残りわずか、という段階になってくると、「あ、このカレー汁はどうしよう、、」と急激に大問題が発生するのだ。
このカレー汁を飲もうなんて大それたコトをして、世の中的には果して良いモノなのだろうか?カレーを「飲む」なんて、、。
罪悪感が伴う。
不穏な空気が流れる。
一瞬の静寂の間。その静寂を切り裂くように、両の手が器に伸びる。やや確信犯的に器をかかえ、「エイヤッ」とノドにカレーを流しこむ。これでいいのだ!と自分の行為を全面的に肯定しながら。「あの人、カレー飲んでるわ、、。」そんな視線を感じながら飲むカレー。
しか〜し!ワタクシはココで言いたい!カレーライス頼んで、ライスだけ食べてカレー残さないだろ!スープカレー頼んでゴハンと具だけ食べてカレースープ残さないだろ!ソレと同じように解釈すれば、カレーうどんはうどんを食べてカレーの汁も飲む。何もオカしいコトはない。
ただやっぱりある程度飲んで度々思うのは「、、ゴハンがあったらいいな」と。W炭水化物だろうが構やしない。〆用に一口二口のゴハンが茶碗に添えられてたりするといいな、なんて思う。そうすれば残りカレーをゴハンにかけて、とか逆にスープカレーみたいにゴハンを残りカレーの方にひたして食べたりして、最後まで楽しめる。なんて優雅な。ソレだけでなんて幸せなんだろう。そう思う。
だから「解ってる」達人の領域になると、あらかじめカレーうどんに「おにぎり1ヶ」とか「いなりずし」を追加する。店員の目がキラっと光る。そして鼻歌かなんか唄いながらうどんをすすり、残ったカレー汁の段階でさりげなくおにぎりを左手にとり右手に器、という「オレはやるぜ、やるヤツだぜ」スタイルで幸せな「のりカレーライス(おにぎりだから)タイム」に、または少し甘い味の「きつね(いなりずしの「あげ」)カレーライスタイム」に突入する。ココであまりにもハッキリと達人とビギナーの違いが、誰の目にも明らかな形になる。カレーうどんを単品で頼んでしまったビギナーは彼にうらやましそうな、そして尊敬のまなざしを送るのである。「、、負けた」。完璧なる敗北。
「ごっそさん!」つまようじをくわえ店を出ていく勝者に向けられた拍手が鳴り止まない。