田舎に泊まろう! 北九州7泊8日旅日記⑨。
★4日目★ 6/6(火) 晴れ:昨日と同じような日差し。
かえるてのは、朝のたぶんアレは午前3時ぐらいなんじゃないかなと思うんだけど、げこげこ鳴くのをピタっとやめる。ホントにあんだけの大合唱がいっせいにピタっと。でしばらくすると鳥たちが鳴き出す。朝の訪れ。自然の摂理だ。ホーホケキョ、と分かりやすい鳴き声もする。ウグイスは福岡の県鳥らしい。
外が明るくなってきたので起き出すと、外でばあちゃん(この家にもばあちゃんが住んでいる)が「今日はいい天気になるのォー」と、うすもやに包まれた山々を見て言っている。えっうそ、こんな天気で??見るからに信じがたいようなスッキリしないうすぐもりなんだけど、その後ぐんぐん天気が良くなり昨日と同じ少々暑い日差し。田舎でいらないものが2つある。1つは気象予報士。トチジの息子が何言ったって、80年以上その土地で生きている地元民の方がよっぽど信憑性がある。そしてもう1つは時計だ。
おいちゃんが足の調子がここんところ良くないと言っているので、今日は畑仕事を休み、ワタクシと父親2人を車で近くをいろいろ案内してもらうコトになった。英彦山(コレで「ひこさん」と読み、英の字は読まない。英の字は昔の時代に与えられた称号みたいなモノなんだと。ちなみにコレが正式名称で、駅名は英の字がない「彦山」になっている。)は賑やかで華々しくはないが一応、観光名所なのでソコココにソレなりに見るべきモノがあったりする。観光バスも行き交ったりする。
田舎の人の運転はラフ。ソレはすれ違う車の数が都市に比べて断然少ないからだ。でもって信号がホトンドないからである。たまにすれ違う時もクイックにハンドルを回して、何事もなかったように平然とした感じで荒いまま。なので正直コワイ(笑)。たぶん田舎の人が都市で運転はできないだろうし、都市の人は田舎で運転できないような気がする。
そしてヘタなガイドなんかよりよっぽど詳しい。なぜならほぼ自分の土地だからである。この辺の木は自分が植えただの、道にはみ出てるのをずいぶん切っただのずっとしゃべりっぱなし。ワタクシらはそーは言われても「ふぅーん」と思うだけであまり興味はわかないんだけど(笑)、でも例えば富士山なんかを車で走りながら、この木はどうのこうのなんていう木の素性なんかの話をえんえん聞いていたら、やっぱりすごいと思うよね。いわゆるガイドの人とは話す観点がまるで違うワケだから。全て自分の知るトコロ。だから次元が違うというか。
自然て一口に言っても「全く100%ナチュラルで野生なまんまの自然」てのはありえないんだな、きょうび。やっぱり自然ていいよねぇ、なんて思いながら実はその見てる「自然」も何らかの形で人の手が加わってるモノなんだなー、とそんなコトを思った。別にソレが淋しいとかいうコトを言いたいんじゃなく、管理している人がいるんだぁ、えらいなぁー、てコト。
結局木々を我が子のように思っているんだろうね。子供であり友達であり親であり。その土着度というのは、いくら都市の人間がロハスだのなんだの言っても到底敵わないモノだね。生かされてるとか自然をとり入れてとかの観念的なモノじゃなく、実際に毎日ソコに身体をうずめて、共に生きているんだから。だから都市の人間は逆にそういうコトを欲してるんだろうな。自然とのかけ離れの埋め合わせをしたい、と。だからせめて観念を、なんだと思う。