500万で家をつくろうと思った。/鈴木隆之
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で結論から言うと、できた家というのは倉庫チックな、正直あんまり住みたいとは思えない。いつまでも未完成〜な感じ。フリが長いワリにできたモノは、、、という。でもコレに関してはあんまり「できあがった家」という結果はどうでもいいような気もする。
ローコストの家を建てる、と考えた時にどの費用削減をするかと言えば材料費と人件費だ。一番大きいのが人件費で、コレは単純に、この本にも書かれてるけど例えばプロの大工の職人さん1人1日働いてもらって¥2万だとする。家づくりには何人かの職人さんが関わり、何ヶ月かの期間がかかる。コレらを足し算かけ算すれば、自ずとソレなりに大きな額になるコトは容易に想像できる。ココの費用を落とすには、人の技術レベルを落とす=プロの職人さんではなくシロウトでも頑張ればできる工法を選び、施主も自ら参加して家づくりをする(セルフビルド)、というコトになる。そしてシロウトでも扱いやすい材料を選ぶコトになる。
加えて著者は「建築のブラックボックス」にも触れ、できるだけ数字がハッキリ解るようにとホームセンターでの材料の調達というコトも考えてる。ホームセンターなら値段の表記がハッキリしてるからソレだけ「ブラック」な部分が無くなる、というワケだ。
そういう部分でのコストダウン方法や、設計者と施主である著者(設計者と共著という形になってる)のやりとりが興味深い。たしかに学生を使ったり等、コレは特殊な家づくりであって、他に応用が利くかというとムズかしいという意見もあるだろうけど、そういうプロセスが面白いのであって、こういう家づくりもあるんだよ、という部分は十分伝わり読み取るコトができる。家、住まいというのは何だろう?と考えるきっかけになる本である。