コーヒーを通して見る世界。
BSでコーヒーについてやってた。その番組では主にエチオピアを取り上げてたのだけど、ああいう国では教育が一番必要だと、エチオピアでコーヒー豆を生産してる人たちが言ってる。
ああいう国、というのは発展途上国のコト。前に書いたいわゆる「コーヒーベルト」にかかる国にはアフリカも多く、エチオピアもコーヒーベルト上にある国だ。発展途上国には、コーヒーが主な輸出作物で、豆が売れなければ生活に困難な人たちが大勢いる。
エチオピアのシダモ地方では、例年にない飢饉(ききん)にみまわれたという。コーヒーというのは大手4社の企業が大部分を買い占めているらしい。コーヒーというのはレートがあって、相場は毎日変動してる。一般的に飲まれてるコーヒーはコレら4社によって安く買い叩かれてる。適性な売買がされていない。コーヒーを作っても生活していけない人たちが出てくる。作っても生活していけないので作らなくなる。全体として生産量は減る。個人だけでなくその地域はどんどん貧しい方向へ進んでく。生活のできない彼ら生産者はどうするかというと、コーヒーの木を切り倒して、代わりにチャットという麻薬の原料になる植物を栽培する。チャットの方がよっぽどお金になるからだ。他の国では使用が禁止されてるこのチャットは、エチオピアの国内では問題なく使える。自国内で、生活してくために売る。
彼らの国では、学校で学ぶコトで今の貧しい暮らしから這い上がれると誰しも思ってる。教育が必要、と簡単に言うけれどそのためには学校や施設がいる。その建設費を得なければならない。
ソコでフェアトレードという概念が入ってくる。生産者が作った農作物(コーヒーに限らずバナナ等も)をディスカウントで買い叩かず、生産者にとって不公平な取引をせず適性な価格で購入する。適性な取引・売買を成立させる。適性な取引をするコトで生産者の生活を守り、人々の自立を図り、農作物の質の向上を望む。最終的には生産者の国の地域ごとの共同組合にお金が流れ、民意によってそのお金は学校の建設費などに当てられる。
コーヒーの流通経路というのはフクザツなモノらしく、生産者と焙煎業者の間にいろんなモノが入ってくる。コレをまずシンプルにする必要がある、と説いていた。フェアトレードが盛んな国もあるが、国によっては様々な利権が絡んでて乗り気ではない国もあり、現実はなかなかうまくいかない。今はまだ個人が動き回って、生産者に呼びかけたり技術指導してる段階。ただコレでは個人が疲弊するばかりで限界がある。人の数も間に合わない。いずれコレが個人ではなく、もっとデカい単位にならなければならない。
「コーヒー」という1つの農作物を通して、コーヒーに関わる人がいろんなコトを考えてる。まだコレからのモノではあるけど、最も健全な方向へ進んでる・進み出してる分野だと感じた。