三本さん、お疲れさま！

２７年９ヶ月続いたというｔｖｋ（テレビ神奈川）の番組『新車情報』が、昨日の再放送をもって終了した。今でこそ巷では『サクサク』がブレイクしてｔｖｋが注目されてるが（ちなみにワタクシは『サクサク』は番組の開始告知から見てる）、ワタクシにとってこのテレビ神奈川というのは中学時代から見てるとても親しみ深い存在だ。サイズやｄｉｐを知ったのもＴＶＫ（この時は大文字）。木曜にはＴＶ　ＧＡＧＡという番組でチャカが司会をしていた。前にチャンネル回してたらあの頃見てた伊藤政則御大がまだＴＶに出ていた。永遠のヘビメタ＆ハードロック野郎なのだろう。ワタクシが『新車情報』を見始めたのは１５年前ぐらいだろうか。アシスタントが貴紫子（だっけ？キシコ）さん時代。当時のワタクシにとってＴＶＫとはミュートマ（Ｍｕｓｉｃ　Ｔｏｍａｔｏ　ＪＡＰＡＮ）であり、この『新車情報』である。
三角まゆげの、かなりな頑固臭を漂わせてる恰幅のいい昭和のおっさん、というのが印象。ワタクシが就職した会社の社長になんとなく似てなくも無い。一見苦手なタイプ。「私は古い型の人間なので、、」といって自分の座高をもって車のシートに座ってみせたり、「こぶしはそうですね、、１ヶと半分くらい、こぶしが動かすコトができます。」と言って頭上空間がどのくらいあるかを見せたり。
この三本さんの『こぶし計測』で車の流行が分かる。昔はこぶしが入るかどうか、、なんて言うぐらい車高の低い車も珍しくはなかった。その時よく例に取り上げられた（やり玉に挙げられた）のはホンダの車だった。ホンダはスポーティーで、車高が低いのが売りだった。そして１０年ほど前にオデッセイがブレイクして以後、日本の車に「ミニバン」というジャンルが確立し、今日に至るまで雨後の竹の子のように、セダンを食い潰してどこもかしこもミニバンだらけである。車高が高くて、こぶしが２ヶも３ヶも頭上に入るような室内空間がたっぷりある車ばかりになったので、いつしか『こぶし計測』もやめていた。しかしミニバンというのは背が高いがために、立体駐車場には入れるコトができない。そこで流れとして背の高さもホドホドに、立体駐車場に収めるコトができる車が出てき始め、三本さんの『こぶし計測』もまた復活したのである。かつて車高の低い車代表だったホンダが、オデッセイを発表して、今現在の全ての車の車高を上げたとされる。現在ホンダではこの『こぶし計測』も試験に取り入れられているらしい。
『新車情報』という番組自体は三本さん自らが企画し、番組の大筋を作ったらしい。局に予算がなかったので「お金を使わない番組」として、三本さんが新車を宣伝してもらう番組なら成立するのではないか？というのが発端だったらしい。といっても￥０なワケにはいかないので、三本さん自らスポンサーに話を取りつけたという。その番組が２７年と９ヶ月弱。１４４８回。昔は自動車と言えば、カッコよさの象徴だったのではないだろうか。やっぱりこの国の主力産業だったので、デザイン自体にも勢いがあり、プロジェクトＸよろしく国全体が高度成長真っ只中にいた。番組自体は割合淡々とした進行であったが、ソレも積み重なれば「自動車史」という歴史になり、自動車を通して日本が見えてくる。三本さんは６０代だと思っていたが、７３なんだと知ってビックリした。ずいぶんしっかりした７３だ。人生の３分の１以上共に歩んできたのである。
ホントに長い間お疲れ様でした。コレからは自分の人生で、仕事抜きに運転をエンジョイして下さい。