ブームについて。
2000年頃をピークにいわゆるカフェブーム、というのがあった。今は若干沈静化したかに見えるけどまだまだその勢いは続いてる。「ブーム」という言葉を用いられてるけど、実は「新たな発見」なんだよね。こーいう表現の仕方があるのか!という。それが商いとして成り立つ、または受け入れられる世の中になったという。
このブームというのも「良いブーム」と「良くないブーム」があると思う。先に良くない方から言うといわゆる一発屋。まだ店の実力も未熟な初期のうちに、なにかの拍子で一発当たってしまいメディアに取り上げられたりして、へんに人気が過剰に出たりするとハッキリ言って対応できたもんじゃないがまだその最中はいい。ソレが過ぎればあとは見るもムザンな荒れ果てた荒野。閑古ドリの住居、となるのだ。長い目で見ればマイナスである。
ただそーいう戦略、ならいい。例えば今年は何故だかメロンパンとスープカレーが流行った。町田のとあるカフェの前に移動メロンパン屋が鎮座してお客が行列をなした。ワタクシは別段メロンパンが好きなわけじゃなし、断然コーヒー派なので何の迷いもなく向かいのカフェへレディーゴー!なのだがカフェにとっちゃ商売あがったりである。だがしかしハッキリ言ってせいぜい今年限りの寿命である。まだメロンパンは売れるカモしれないが、今更スープカレーのフランチャイズ店に参入しようという方はやめておいた方がいいと言っておく。ちゃんちゃらおかしい。こーいう具合にブームというモノは「水もの」である。ある時期、超短期的にガーっと集中して儲けよう、というならこーいう商売は最も良いと言える。
良いブーム、というのはじわじわ5年ぐらい(長い時間、という意味)かけて地道にやってきた結果、店が注目されたりするのが一番良い。ようはその店は5年間は特別何かに取り上げられたりするコトもなくやってこれてるのである。コレは実力であり、この実力が認められてのブレイク、なのである。こーいうのはポッと出の一発屋より全然強い。なんだか知らないけどウチ人気出ちゃったなぁ、ラッキーだなぁ、みたいな。そしてある時その人気過熱ぶりもやっと落ち着きを見せる。しかしその店は5年間、注目されるコトなくやってこれてるので、別に大したコトじゃなく全く動じない。コレが普通、ぐらいの感覚。その後もコツコツとやっていけるのである。
商売は受け狙いで一発儲ける、という「点」のやり方もあるけど、ワタクシは自分の店の主張を貫いていってソレがいつか認められればいいなぁ、と思ってる。ソレがチェーン店との差別化になると思うし、またそーいう姿勢を受け入れられる世の中になった、とも言える。