2026年F1PU新規則導入について。
雑誌『オートスポーツ』によれば、2026年に導入されるF1のパワーユニット新規則の概要がほぼ決まったようだ。
現行使われてるMGU-H(略H)を廃止→V6ターボ(シングルかツインは未決)エンジン+容量を増やしたMGU-K(略K)とのコト。
結局コストのかかるHを廃止し、より他メーカーが参入しやすいコンサバティブな構成にしただけのように思える。たしかによりエタノールの割合を高めた燃料の使用などもあるが、世界的に叫ばれてるカーボンニュートラルの問題にはあまり踏み込んでいないというか、単にコスト削減のみで、問題先送りにした感が拭えない。
何ヶ月か前までは2ストローク800cc対抗ピストンエンジンになるらしいなどとのたまわれてたけど、結局そんなドラスティックな変更は現時点ではできなかったというコトだ。
現行のPU規則V6ターボ+H+Kというのはいつごろから考えられ始めたのか?知らないけど、導入されたのは2014年→2026年から新規則となると12年だ。新しい規則に変わるまで12年かかるコトになる。検討され始めたのはもちろんもっと前、2014年以前だろう。そして2050年カーボンニュートラル、というのがある。となるともう「2026年の次の規則」について検討を始めないとでは?とも思う。
一方、フォーミュラEというピュアEVカーレースがある。よってF1は割合が少なくなっても、内燃機関無しでは成り立たない。存在意義が無くなってしまう。消えるなら消えるで「ソレも時代の流れ」としてしょうがないのカモしれないが、そういうワケにもいかないだろう。ところが今回の件でドラスティックに変えるコトができない、というのが分かってしまった。旗だけは「カーボンニュートラル!」と威勢良く上げてはいるが、とくにモータースポーツが好きな人ほど「エンジンの魅力」あるいは「エンジンの呪縛」にとりつかれてる人が少なからずいるだろう。現行V6ターボに変わったときでさえ「音が迫力不足」という声が多かった。大きな視点で見れば些細な変更でも、こだわりのある人からすれば批判の対象になる。そういった人たちがはたして2026年の先の、800cc2スト対抗ピストンや、はたまた水素エンジン、燃料電池などに耐えられるだろうか。
ややフライング的に書いてしまったが、2026年~2050年の間で段階的にとなると、↑のような内燃機関(PU)の可能性も選択肢としてはありえると思う。あとPHEVとかも選択肢に入ってくるだろう。フォーミュラEと差別化するには、とにかくどういう形であれエンジンが必要になってくる。そしてかたやカーボンニュートラルという、両極の矛盾した要素を、双方とも折り合いをつけて成り立たせる必要が出てくる。いかにカーボンを出さずに(または相殺させて)エンジンを残すか。
現在、外国勢の自動車産業はEV一辺倒になってる。少なくともそう見えるが、ワタクシには危うく感じてしまう。その中で1人トヨタだけが抗って気を吐いてるように見えるが、モータースポーツの中の1つのカテゴリーに過ぎないF1のPU規則ひとつ取ってみても、コンサバになってしまうワケで、そうやすやすと右向け右式に世の中は移り変わらないようにも思えてしまう。世の趨勢に抗う人もたくさんいるだろう。よってまだ今の段階ではEVの他にも、いろんな選択肢は残しておくべきではないだろうか。
カーボンニュートラルの観点から言えばフォーミュラEだけでいいはずだ。フォーミュラEだけ残してあとは全部無くす。でも現実はそうはいかないだろう。やはりソレゾレのカテゴリーの魅力があるワケだ。その中に「エンジンの魅力」というのは要素として少なからずあるだろう。そうなると今度どのように、世間の目も気にしながら、エンジンを残していくかというコトが生命線になってくる。