何だかよく分からないモノ。
何だかよく分からないモノに「スパゲティのスプーン」がある。
ある時とある店にて。ワタクシのとなりの席のおばちゃんがスパゲティを食べてる。と言っても基本的にモノ食べてる姿をマジマジと見られるのは誰も好きではないだろう、というコトで食べてる様子は見ていない。ただ視界に入ってくる断片的な情報と食べてる音は耳に入ってくる。スパゲティにスプーンとフォークが付いてくれば、何だかよく分からないながらもとりあえず両方とも使ってる人も多いかと思う。
で、スパゲティをフォークで取り出してはスプーンに一時的にのっけて、まではいいのだけど、にも関わらずスプーンにのっけたスパゲティをフォークでズズっとすすってる。おばちゃん、服にソースが飛んだらしく拭いている。コレじゃスプーンの意味がまるでなし。
ワタクシこのスプーンの存在が全く理解できないけど、使い方を説明しよう。まず皿から自分が一口で食べられる量のスパゲティを引っ張り出して、スプーンにのっける。ココまではいい。のっけたらそのスプーン上でフォークをクルクル回しスパゲティを巻き取る。しっかりはしっこまで巻き取ったら口に運ぶ、パクっと食べる。こうである。
スプーンは一口分量をフォークに巻き取る作業場である。スプーンが無い場合は皿上で、いっぱいスパゲティがある中で一口分量を抜き出し巻き取るという作業をするので、いっぱいあるスパゲティにまぎれてワケわかんなくなる場合がありがち。なのでスプーンにあらかじめ一口分を取り出せば、フォークに巻き取る作業がしやすいだろ、というコトだ。で、しっかり巻き取ればソースも飛び散らすコトなくパクっと口に収めるコトができるだろ、というコト。
よっておばちゃんの過ち(あやまち)は、スプーンを使いながらもズルズルとすする=ラーメンのレンゲと同じ感覚で使ってる、というトコロである。スプーンを「レンゲ気分」で使ってる、認識してる人が多いのではないか、と思う。
ラーメンはソースではなくスープなのでソースよりサラサラしてる、麺が汁に浸かってる、器が丼状で深い、麺がスパゲティより柔らかいなどの理由で普通にすすってる分にはスープは飛び散らない。
しかしスパゲティのソースはスープより濃度が濃く、器も浅く、麺が汁に浸かってるワケでもなく、麺がラーメンより硬い(弾力がある)ので麺が暴れやすい。麺が暴れやすいのでソースが飛び散りやすい、というコトになる。
外国人はマナーがあるのですすれない(もともとすするという技術が無い)というが、マナーうんぬんよりこういうこういう実利的な意味がある。スパゲティはすすって食べるには適さないのである。
ちなみにワタクシはスプーンは使わない。イタリアでは使わないので。