ＨＥＲＯ’Ｓ。

昨日のＨＥＲＯ’Ｓで目立ったのは、まず決まり手が腕十字という、典型的な形というか。打撃が得意な選手ｖｓグラップラーという組み合わせで、グラップラーが打撃を凌げるようだと有利という、表現は悪いけどまぁワンパターンというか。でもソレも偶然だから仕方ないコトなんだけど、そういうパターンに陥ってしまった印象はあるね。面白いは面白かったけど。
コレの例で言えば、サクは打撃もらってたけどね、いつものように（笑）。いや笑っちゃいけないけどさ。あの人はいつもああハラハラさせるよね。またレフェリーに止められるような。でもあの状況てのはある意味サクのスタイルなんだなアレも（笑）。いい意味で「プロレスラー」というか、そういう風に認識しといた方がいいのカモしんない。いくら後頭部だからつって、あの強いパンチを何発ももらってたら気持ちが萎えるはずだと思うけど、アレはサクが「自分はプロレスラー」ていう、コレは意地ですよ。意地があるから耐えられる。で、あんな猛攻の中でも勝機を見出して勝つという。やっぱ見せてくれるよサクは。
ソレで言えば逆に高橋は耐えられなかったという。パンクラス創生とかあの世代には思い入れがあるので、何か見せてくれるかなと期待してたんだけどね。船木もちょっとガッカリしたかな。
サクもそうだし、宇野選手、所選手とグラウンドが得意な選手には、やたらとマウントパンチは打たない方がいいよね。考えて打たないとああなる。上だからといって決して有利ではない。相手のパンチを何発かもらう覚悟で、もしくはダメージを抑えながら確実に腕を取るチャンスを窺ってるからね。腕取られたら負けだと思っていいよね。だからその辺の攻防としてはあんまりレベルは高いとは言えない。
で、なんといっても、世間的に取り上げられてるというのも、やっぱり柴田でしょー。まず柴田は山本の挑発に乗らないで、アレ以上何も言わなくてホントに良かったと思う。アレでギリギリ。柴田にしてはあのくらいで抑えといたから、株がグンと上がったと思う。スゴいいろいろ溜まってただろうしね。あの一発にそういう想いが込められてた。ノアで「ふっきれた」宣言してたけどさ、あの一発でホントにスタートというか彼の中でゴングが鳴ったでしょう。
本人は望まなかったとしても、柴田には陰があるよね。彼の歩んだ歴史がそうさせるというか、そういうモノを感じさせる。ソコにプロレス好きはクスグられるんだなぁー。哀愁の中で殺気を漂わせてるような。すんごい『ハイブリッドボディ』だったし。柴田にパンクラスを見たよな。９４年の衝撃を思い出した。もしかしたら船木は柴田を使ってパンクラスをしたいんじゃないのか？オレらがやってたコトは間違いじゃないという証明のために。
逆に株を著しく下げたのが山本選手。だいたい試合前に吠えるのはまーお約束だけど、アレを聞いて見て知って「オマエが言える立場か！」とツっこんだ人は、１０人中１０人だろうな、と思ったよ。おまえ上からモノ言える立場かよと。世間的には全然横一線だろうと。何も差なんかねぇーよと。いかにも総合の先輩ヅラしてさー。でもアレは自分に言い聞かせてるんだろなと思ったけどね（笑）。自分がサンザンそういうコトを感じてきたんだろねー。だから柴田に説教垂れたと。もうちょっと攻防見たかったけどね。アレじゃ前田も立つ瀬ないよ。まー前田は所選手に乗り換えしてるからいっか。くしくも前田−所、船木−柴田というラインであり図式ができたね。うまく育てば大晦日？？ていう。
でも極私的に良かったのは宮田選手！もちろん前フリでの彼のケガのコトもあったし、実際ツラかったと思うけどソレを抜きにしても、あのブラックマンバからキレイに１本取ったという、ソコがスゴい！過去２戦だっけ、宇野選手とかさ、辛勝て感じであそこまでキレイに取れなかったでしょ。ソコに宮田選手の、ケガによる期間での進化を見たね。スゴいツラかったと思うけど、今回のケガが彼を大きくしたというか。根性というか。選手にとっちゃケガしてる期間も戦いだからねある意味。今まで宮田選手の本領が良く見えなかった試合がホトンドだと思うので、今回はスゴく宮田選手の真価を発揮できた試合だと思った。