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今、イギリスでは再びアナログレコードが売れてきてるらしい。インディーズではアナログでシングルレコードをリリースするのがステータスになってるとのコト。かたやアメリカのタワーレコードは倒産してしまった。じゃぁ日本のタワレコはどうなるかというと、日本のは日本で別会社なので問題はない。この原因はネット配信の隆盛によるモノだと言われている。
たしかにネットはネットで便利だ。ワタクシは前時代人なので、ネットからダウンロードで購入なんぞはしたコトないのだが、例えば昔の歌で絶盤で、今はお店に行っても手に入らない、中古店をしらみつぶしに一軒一軒探さなきゃならん!ていうのなら、検索でポン!はいゲット!ていう、そういうのは全くコンピューターさまさまである。
そしてCDを売るというのは本屋同様、商品そのもので差がつけにくい。こういう時代だから、作る側もいろいろ策を考えてはいると思うが、ソレもたぶんモノがモノだけに限界はすぐ見える。例えば特典つけますよだのブックレットだのいろんなモノがデコレーションされる。はたまたCCCDとかで規制してみたり。ただそういった規制も、モノが「音楽」というビミョーなジャンルなのですぐに風化していってしまう。
じゃーどうしたらわざわざお店に来店してもらえるかというと「サービス」「お店の雰囲気」「人」である。こういうのを切磋琢磨で高めていくとABC(青山ブックセンター)みたいに、倒産してアタシもうダメ、、状態だったのが人々の署名運動とかで復活したりもできる。ブランディング。いかにブランドに落としこむか。先にあげた3つの要素(ソレ以外にもあるとは思うが)を洗練してくコト=付加価値を高める、につながる。
しかしそんなブランド=タワーレコードも倒産!というのはいささかショッキングな、タダゴトでは無い話ではある。一時代が終わってしまった感すら漂う。でもあまりに気にしない方がいいと思う。気にしても「だから何?」なのだ。
ワタクシは結局は住み分けると思う。CDが発売された頃を思い出してみればいい。たしかに一時期はレコードプレーヤーの針を買うのに苦労はしただろう。でもいわゆるアナログ好きなDJという人たちによって、なんとか下支えされその後は復権してきたではないか。テープも今だにトラック運転手を生業にされてる方たちには演歌方面で愛好されている。演歌はテープじゃなきゃいけないよぉ。
モノへの愛着。じゃーCDはソレほど愛着を持てるモノかというと、いささかその面は希薄カモしれない。けれど全く市場が絶滅という状態にはならないだろう。
ワタクシ思うにレベル分けされると。ツタヤでレンタルでいいやレベル。アルバム全曲はいらないけどこの中のこの曲だけめちゃくちゃいいからコレだけネットでダウンロードレベル。アンド昔々の絶盤モノでもしくは超レアで中古屋じゃ高くて手に入らないよモノはダウンロードでポチンと購入レベル。今持ってるCDの量が多すぎてどーにも収納にコマルノ状態なのでコレは捨てがたいて曲だけMP3に落としてCDは処分処分レベル。自分が持ってるCDでもコレは自分のモニュメント的存在だから殿堂入りまたは今日はアレ聴いて明日はコレ聞いてというローテーションに確実に入るまたは無人島に持ってくならこの20枚は必ずコレだけあれば基本的にはあといらないレベル。
そして音楽を作る側としては別にどれでも構わないと思う。ネット配信?選択肢が1つ増えたじゃん!程度にラッキーと思ってればソレで良いと思う。1つの媒体にこだわるも良し、多岐に渡っていろんな媒体を使うも良し。ネガに考えてもネット配信が無くなるワケではないので、ポジに、建設的に考えるコト。一番の危惧はこういうコトを必要以上に気にすることであって、そういう気運がともすれば業界を落ちこませる全体の空気となって支配する、というコトをお忘れなく。