過去があるから今がある。石(意思)が積み重なってココにいる。
ムダなコトは1つもない。未来とは「今」の連続である。

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地下鉄(メトロ)に乗って。

コレなんかはもっと何も知らずに、ただタイトルの語感の良さだけで観に行った。そしたら原作があって、原作を書いた人が浅田次郎だとか、そういう断片的な情報が後から分かってきた。全くの推測なんだけど、たぶん作者の心情というか年齢的なモノからこの作品を作ったのかな、ていうそんな感じに見受けた。
初めは『ALWAYS〜』的な昭和を懐かしむ映画と思ってた。あー2匹目のどじょうか、と。でもあっちは言っちゃえば話の内容なんか何も無いじゃない。ただあの頃の日常を切り取ったという。まー原作の漫画がそんな感じだからいいんだけど、コレはその部分てのは演出のうちの1つであって、メッセージは別のトコロにある。たぶんなんだけど、作者の父親に対する心残りというかわだかまりの鎮魂歌。作者が自分の中で成仏させたかったんだろうな、というそういう父親への思いが込められている。
中味としては、最近の、特にお金をあまりかけられない邦画として(ハリウッドの大作に比べて、という意味でね)よくありがちな時間軸を錯綜させる手法を使ってて。たぶんコレ、普通に時間軸どおりに話を進めてくとそんなに面白くない。アレがあーなってコレがこーなって、、て後で観る人の頭の中で後から時間軸どおりに組み直してく作業、てのが面白さの1つではあると思う。で、そのうちの1つに昭和39年の地下鉄(メトロ)とか出てくるんだけど、この地下鉄が象徴的なんだな。
我々人間てのは時間を戻るコトはできない。でもこの地下鉄がいわばタイムマシンになってタイムスリップして話が展開してくワケ。ソコで主人公はその時々の父親の姿を目にするコトになる。
アムールが良かったなぁー。この顔見たコトあるんだけど誰だっけなー、と思ってクレジット見たら大沢たかお氏だった。大沢たかお氏はこの作品で20才〜40いくつかの年齢差を演じてるんだけど、ああ、アムールてそうだったのかぁー!ていう。そういう驚きが何分かした後にあって、そっからググっと面白くなる感じ。
普通は父親の過去に何があったかとか話を聞かされなければ知らないし、ましてやその頃の姿なんて見るコトもできないワケでね。じゃーてんで、この映画を見ながら自分の親に思いを馳せるワケですよ。現実に生きてるワタクシは想像するしかないんでね。今は一応平和な時代で、ワタクシの親は畑を持ってたんで食べるのには困らなかったと言ってたけど、でも彼らの戦後とかモノ不足だとか、少なくとも今よりも確実に生きるのに大変な時代を過ごしてきたんだろうな、と。
この映画の主人公は、父親のコトを忌み嫌ってる。ひょんなコトから実際に父親の人生を目の当たりにして、ソレがいかにちっぽけで薄っぺらいコトだったかに気付かされてく。最後にはあなたの子に生まれて幸せでした、とそういう気持ちにまでなる。
ワタクシも父親を好きかどうかと言ったら好きではない。コレは性格的にお互いそうなのだからしょうがない。だからこの作品の主人公と重ねて見たトコロはある。もっと言えば父親よりも先にじいちゃんやばあちゃんの人生があって、もっともっと先にご先祖さまがあって、ご先祖さま1人1人の人生がある。ソレはワタクシたち現代に生きてる人にとっては歴史上の史実でしかないから、ホトンド何も分からないけど。でもやっぱり1人1人、ちゃんと人としての生きた時間があって、ソレが積み重なって今に至ってる。ああ、人生て地下鉄(メトロ)だよなー、ていう。いろいろ分岐していって。しかも過去には戻れない片道切符なんだ。そういう「糸」をこの作品を観て感じたし、なんか今ある「家族」てモノをより大事に思えてくる。そんな感じが観終わった後にある。
なんか今年はいろいろあって、ワタクシ自身作品に感情移入した観方になってしまったので、少し特殊な感想になったけど。たぶんコレは『誰か』が今のワタクシに必要だと見せてくれたんだと思う。ありがとう。
観た後、親に優しくしたくなったり、自分の家族に優しくしたくなったり、子供がいる人は「未来」のために優しくしたくなったりする、そんな作品。