トンマッコルへようこそ。
先日、映画を3本観た。1つめは『トンマッコルへようこそ』。映画の紹介番組とかでチラっと見た絵がハートフルでファンタジーぽくもありハッピーな感じで、なんかそんなの観たいなぁ、と思ったので観に行ったけど、この映画はやっぱ戦争映画なのよね。哀しいけれど。
舞台設定は、朝鮮戦争真っ只中のトンマッコルという平和な村での出来事。この村に日・米・韓の連合軍と北の兵士が導かれるように辿り付く。トンマッコルの村の人たちはライフルを見るのが初めてらしく、銃口を向けていくら脅しても全く恐怖におののくコトもなく、ソレよりも村を荒らすいのししの方がよっぽど恐い。兵士たちは、初めは自分たちがバカにされてるのではないかと憤慨してたが、次第にこの村の住民は、本当に武器のコトや戦争のコトについての知識が無いコトを知り、村民に敵意が全く無いので、完全に不安は拭えないながらもとりあえずは村に居続ける。
その村に敵側の兵士がやってきて、北と連合軍の兵士たちは三日三晩、お互いに銃口を向けたまま動こうとしない。しかし村の人たちはそんな緊迫した状況をヘとも思わず、いつもどおりの生活をしている。
そんな彼らの中の1人が持ってた手榴弾のピンを「指輪」だと思い、村の娘が抜いてしまったからさあ大変。でもなかなか爆発しないので「なんだ不発弾か」と思ってぽいっと投げたら、村の1年分の食料が貯蔵してある蔵まで転がっていきドカーン!!兵士たちは、村の人の食料を再び蔵に蓄えるために畑で働くようになる。
そうして時が過ぎ、村の人たちの中で暮らしていくうちに、はじめはぎこちなかった兵士たちもだんだんお互いを認め合うようになっていく。
しかし戦争は続いている。トンマッコルが、補給路の確保のための重要拠点で、村の人たちを村から追い出さなければならない。平和な村が破壊されるのも時間の問題だ。すっかりトンマッコルの住人になった兵士たちは、今度は彼らが本当に守るべきもののために戦う。
ザっとストーリーを書くとこんな感じだけど、先入観的にはなんかものすごくあったかいファンタジーな作品だと思って観に行ったんだけど、ソレは逆でね、逆に戦争映画にトンマッコルの人たちがかろうじて彩りを加えてるというかね、救いになってるというか、そんな感じがする。ケッコー残虐で目を覆いたくなるよなシーンもあるのよ。最後も言うけどやっぱ多勢に無勢だからハッピーじゃないんだわ。人間て最後の最後にならないと分かり合えないんだよなー、ていう。
でもモノはやっぱり韓国映画なので、ちゃちいちゃぁちゃちい。少林サッカー的なオーラが漂う。最後の方はダレダレになってくんだよね。まぁ向こうの人は「800万人泣」くだろうけど、ワタクシ的には大人¥1800は高いかな、ていう。ただ「最後の最後にならないと〜」という部分をね、この映画を観てもっと早い時期に分かり合えるようになればいいのにね、とソレはメッセージとして受け取った。戦争て男が始めるんだよね、たぶん。バカの意地っ張りでさ。なんか観ててトンマッコルの村人たちやトンマッコルていう村自体が女性的に思えた。ああココは母系社会なんだ、ていう。