これからのカフェの形③。
今、企業は高収益構造に構造をシフトしてる最中だと思う。飲食でいえば客単価を少しでも上げようと躍起になってる。売上というのは客数×客単価なので、客数か客単価のどちらかを増やすコトが売上増につながる。コレが二極化にまた加速を加えてるような気がする。客数を増やして薄利多売を狙うか、高価格で客単価を増やすか。結果、安い店と高い店ができる。
カフェブームの中でできたカフェで閉店してしまってる店は、ここんとこの利益構造が「なってなかった」のだろう、と思われる。カフェという業態の目新しさだけで開店してしまったトコや、利益の柱になるウリのメニューがなかったなど。だからワタクシはブームの最中に開店しなくてよかったと思う。やむなく閉店したお店群を参考に、これからのカフェはどうあるべきかを考えるコトができるからだ。そしてまだ存続できているカフェは、たぶん今日の消費動向なんかも当時見据えていたのだろう。あるトコロは多店舗展開をし、ビルのテナントに入ったり着々と拡大している。成功しているトコロは大体が規模がでかくなっている。2005年、ブーム時からの成果の明暗がハッキリしたワケである。
安い店といえば、カフェに限らず大手チェーンに個人は敵わない。企業は前述したとおり、駅前やら一等地にお店を出せる実績・力があるので薄利多売が狙える。安さで勝負はできない。同じ土俵に上がるコトはないのである。じゃあ個人はどうすればいいのかというと、逆に「高く」売るという考え方がある。
その1つとして「本物志向」という売り方がある。企業の工場・大量生産に対して、作った人の見える「コレは履歴がハッキリしているモノなんですよ」というトレーサビリティーや、有機で無農薬、オーガニックなどなど健康志向なんかも絡めて、価値を付加する提供の仕方。あと「限定」なんてのも高く売る方法である。間違えて欲しくないのは「ぼってる」わけではなく、ソレだけの価値はあると納得して買う人たちがいるというコト。だからビジネスが成り立ってるワケ。
ただ今はとかくこの本物志向に走りがちだな、という感じもワタクシはしている。たしかに人に納得してもらいやすい、価値を価値として認めてもらいやすいというのはあると思う。でも「その店ならでは」という独自性を打ち出すためなんだったら、他にやり方はあるけどなぁと思う。オンリーワンを目指すには、①商品がオンリーワン②売り方がオンリーワン③売る人がオンリーワン、とこの3点がある。いずれにしろ「この店でしか買えない」という独自性に人が納得すれば、ソレが価値となる。大手チェーンはこの「オンリーワン」を狙えない。どこでも同じ商品、同じサービスが受けられるというのが持ち味なので、独自性が打ち出せないのが弱点だ。逆に個人は独自性を打ち出すコトができるのである。
ワタクシは自分のやりたいカフェに対して、またちょっと考えが戻っている。戻っている、というのは一歩後退している、という意味。カフェで本物志向というと、やれ自家焙煎だの天然酵母でパン作りだの、が思い浮かぶが、別にソレばかりが「独自性」ではないな、と。ソレばかりかもーそーいったモノも「独自性」が薄まっている気すらある。割合メジャーな言葉じゃないすか。そーいう「職人系」な方向も、もちろんソレはソレでワタクシの中での選択肢の1つとしては残るんだけど、性分的にそーいったモノより、当初考えていた「ワクワクするモノを提供したい!」とかそーいった方向に戻りつつある、というコト。そーいった方がやっぱり楽しいな、と。そっちの方が自分のイメージするカフェに合ってる。やりやすい。だから↑に書いたコトを踏まえての、また再び以前考えてたコトが甦りので、一歩後退とは言いつつも、実はまた新しい一歩かな、とも思っている。つきつめると結局は「センス」なんだろうな、と思っている。センスに共感を持ってくれる人がある程度いて、お店が続けられればいいなぁ、と。センスてのはマネできないから。ただお店を続けるために「センス」をピラミッドの頂点とすると、その下に知識やらいろいろ必要なんだな、と。ソコを丈夫で頑丈にしないとな、とそーいうコト。