3月30日〜4月6日。その3
ずぅ〜〜っと声を出し続けてるので、まぁノドはやられるよねぇー。なんせ2500人とかを相手にしてるワケだから。ただ今回はじめて気づいたんだけど、2時間ぐらい出し続けると、ノドがつらいはつらいんだけどなんか「開く」ていうか、ギヤチェンジするような感覚があるね。グラフにすると、はじめはつらさ急上昇なんだけど、2時間するとゆるやかになるというかね。カラダのほうも観念するんじゃない?モードを切り替えよう、ていうね。
あとクチビルがもつれてくるのね。足がもつれるて言うけどさ、アレの唇バージョンというか。「ください」がだんだん「くうさい」になってくる。「だ」とか濁音が言えなくなってくる。だからもう「くうさい」で通しちゃう。いいんだ、もう。
思ったんだけど、パチンコの店内放送とか電車のホームでの駅員さんとか、ああいう人たちも毎度おんなじようなコトを繰り返し言ってる。繰り返し言ってるとそのうち疲れてくる。普通に言ってると疲れるけど、なんらかのフシとか口調とか調子をつけるとしゃべりやすい、口が回りやすいてのはあるんじゃないかな。歌うようにしゃべったほうが噛まないでよどみなくしゃべられるとか。声は省エネモードでもなんらかのフシとか調子をつけて言うと耳に残りやすいとかあるんだよきっと。独特だから耳に残りやすいけど、言ってる本人は最小限の声の力で済むみたいな。そういう工夫があると思うんだよな。
立ちっぱなしてのは案外大丈夫なんだよワタクシは。ソコは飲食店とか過去に経験してるから。だから腰とかはわりと平気なんだけど、「ずっとその場に立ち尽くし」ではなくて、声を省エネモードにしてる分、手で促したりとかちょこちょこ動いたりアクションで声分(こえぶん)をカバーしてるモンだから、足首が痛くなったねー。
でもまぁ短期てのはどんなモノでもある程度カラダを酷使するてのは覚悟の上で、ある意味「マシーン」と化しなきゃならないトコロがあるのでね、ま、しょうがないです。1週間だから突っ走るて感じで。
まだ2日目までは学生もちょいちょいで、朝一のちょっとしたラッシュ状態が終われば、たまに教室から数人はみ出るぐらいの人数が並んだりもするけど、基本わりとゆるやかで「まぁコレぐらいならラクなんだけどなー」という感じだったのだけど、3日目からは「こっからが本番」という感じで混み出してきた。でも2日やって慣れてきてるし、他の人が休憩に入ったりしてるときにソコの持ち場も担当したりして、じょじょに視野も広げられるようになった。自分の持ち場の前、はじめの計測へうながして、計測済んだ人は更衣室でレントゲンの準備してもらって、準備が済んだ人を中庭へ行く階段へ誘導する。そういう一連の流れがね。
「視野が広がる」「自分がやれるコトが増える」てのは楽しいモノだよ。こういう俯瞰の感覚はワタクシの場合は飲食店で培った。自分のやってるコトにはどういう意味があるのか。ソレは自分の持ち場の前後とか、(理想的には)全体を把握してると、自分のやってるコトの意味がより深く分かるようになる。そうするとよりコトがスムーズに運ぶように自分なりにやり方を工夫するようになる。たぶんそういうトコロは経験の分、他の人よりあるカモしれない。ただワタクシの場合、自分なりの型ができるとわりとスムーズというか自信持ってやれるんだけど、ソコに「何々を加えて」とかになると、型を崩して修正するまでには時間がかかる、てのがあるな。時間かければできるんだけどね。
1日休みをはさんで、飯田橋最終日の4日目。3日目まで予想より学生が来なかったため、その分最終のこの日にどっと来た。はじめて経験する地獄だった。3日目でもわりと来た感覚だったけど、最終日は少なく見積もってもその2倍の感覚だったな。
学生が教室を3部屋つかって蛇行して列を作って並んでもまだ廊下の向こうが見えない。しばらく誘導してやっと少し列が解消してきたかな、と思ってるとまた次の団体さんがやってくる。列に並ぶ。この繰り返し。うへぇ〜となる。まるでマラソンで前を走る選手の駆け引きにあってるような揺さぶられ方。追いついては引き離され追いついては引き離され、、。しかもマラソンみたいにどっかに見えるゴールが設定されてるワケではない。いつ終わるとも知らぬ、エンドレス地獄(笑)。気づいたらあっという間に昼の12時。3時間経ってた。
計測の人が1人づつ昼休憩を取りはじめる。もう混んでいようがおかまいなしだ。どうせ列が途切れないし強制的にでも中断しないと食いそびれるからだ。そしてその間ワタクシが計測のヘルプに入るコトになった。コレは嬉しい、計測デビューだ。誘導もいいんだけど、ソレばかりでもせっかく来てるのになんだか醍醐味みたいなモノがない。やっぱりコレがメインなんだから、休憩入ってる間とはいえ違うコトをやれるのは楽しい。
といってもほぼぶっつけ本番。もちろん1日目に軽く説明は受けてる。もしかしたらお願いするカモしれないというコトで。ただソレも器具の使い方、学生が持ってるカードへの身長体重の記入なんかをサラっとやっただけ。細かいセリフとか流れとかは自分なりだ。一応頼まれるカモしれないから、事前に頭の中でシミュレーションは済ませといてはいるけど。言うべきセリフを決めて「こういう感じなら滞りなく流れもスムーズであろう」と、ソレも自分で考えた。でも自信が無い。いきなりぶっつけ本番で自信なんかあるワケがない。でも自信が無い医者なんか目も当てられない。学生からすれば白衣を着てるワタクシたちはスタッフも含め、みんな同じ医者だ。だからハッタリだろうがなんだろうが「自信のなさ」は表に出さない。
休憩に入る人と代わるトコロからもう始まっている。颯爽と入れかわり「次の方こちらへどうぞ〜」と呼びかける。
「上着と荷物はこちらに置いてくださ〜い」
「カードお預かりしまーす」
「(カードを受け取りながら)靴を脱いで、身長から測りますね〜」
靴を脱いでる間に身長計のチェック。目盛りの柱が引っこんでる場合があるので。このときにチェックついでにさりげなく柱を支えてあげるといい。後ろ向きで身長計の上に乗るときよろめく人が多く、よろめくときに柱に手を伸ばすからだ。支えてあげてるほうが学生にも安心感があると思う。あと測る時ぐんと柱によりかかり気味に背を反らす人も多いので、持ってるほうがいい。
そして身長測定。このとき数値は声に出して言わない。ワタクシたちが昔測定してた頃は言われたりもしたけど、今は個人情報なので言わないようになってる。カードに書き込んだ数値を確認してもらってる。本人が言う分には構わない。
「(数値を確認)ハ〜イ結構でーす。(数値を書きこみながら)次は体重ですね〜」
学生もはじめてではないのでみんな流れは分かってる。だからこのへんはスムーズだ。
手元のデジタル体重計の数値を読み取り、記入しながら「ハ〜イ結構でーす」
この「ハ〜イ結構でーす」は定時制フィーリングの「ハ〜イ、ストップ!」の感じでマネて言ってる(笑)
そして靴を履いて荷物を持つのを見届けて、カードを渡しながら「おつかれさまでしたー」と言うのが一連の流れだ。
1時間ほど計測のヘルプをした後、休憩の番が回ってきたので休憩。
つづく