過去があるから今がある。石(意思)が積み重なってココにいる。
ムダなコトは1つもない。未来とは「今」の連続である。

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かたことの極私的「雑誌系」サイトです。(since 2004 Feb.)

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 ◇最新本◇  今年(といっても2021年だけど、、)読んだ本。後編 

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 ◇最新グッズ◇  『靴箱→ファイルボックスへトランスフォーム!』 

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『坂口恭平 新政府展』を観に行った。その2

歩いてカラダが熱くなったのでしばしクールダウンしてから、いざ建物の中へ。

受付で「一般1枚」。するとこんなモノをもらう。坂口氏の「新政府」のパスポートなんだそうだ。

裏面。すでにスタンプがいくつか押されてるトコロにもう1つスタンプ(日付入りの)を押される。まさに「入国許可の手続き」といった感じで、こういった儀式のような演出があるおかげで期待が高まる。日常から非日常へとスイッチがONされるね。
ちなみに次回から、右側に自分の写真を貼り、証明するモノを持ってくと、展示期間内は何度でも観れる。マジメに証明写真貼るか。プリクラとかでもいいんじゃねぇーの?中学生ぐらいの時の証明写真でも貼ろか(笑)
展示は2F〜4Fまであってエレベーターで順番に昇ってく。まずは2Fへ。もちろん撮影禁止なので今後テキストのみの表現になる。あしからず。
2Fは、坂口氏の著書『TOKYO0円ハウス0円生活』を3Dにしたようなフロアだ。
いきなり坂口氏の原体験でもある、机の下の『テント』の絵(本に載ってる絵を拡大したモノ)とその実物大イメージが展示されてる。こんな空間で子供の頃の坂口氏は擬似生活をしてたコトをほほえましく思うと同時に、自分も似たようなコトをしたなと懐かしむ。カラダが大きくなってからは「こんなせまいトコロで、、」とは思うが(たぶん親はそう思うだろう)、子供は押入れとかせまいトコロが好きなのである。
そして左側の壁に設置された画面には坂口氏の自主制作ビデオである『貯水タンクに住む』『移住ライダー』がエンドレスで流されてる。本では静止画だったワケだが、ビデオなのでもちろん動画だ。
人が住まなくなってしばらく経った団地(?)の屋上にある貯水タンクの中に、カメラを持った若き日の坂口氏が潜入、そして生活。中はオレンジで外観から比べると意外にせまい感じ(かまくらみたいな大きさ)。カビとかサビとか死がいとかで汚いかと想像してたけど、画面的にはとりあえずは汚く見えない(掃除したのかな?)。ただもともと人が住むようには作られてはいないので、通気性はすごぶる悪いらしく(貯水タンクなのだから機密性が高くないといけない)、画面の坂口氏は半裸である。
坂口氏が卒論として提出したレポートも展示されてる。
かたや『移住ライダー』(もちろん当時流行ったO.T氏の曲名のアレンジ)は、いわゆるピザ屋のデリバリーに使われるような3輪のジャイロバイクの荷台に、クルマのリクライニングシート(リクライニング機能は活かしてる!)を設置し、バイク時の背もたれを一方の壁にして残り3面を板で囲い、プライベート空間を作ってる。休憩する時は(こんなトコロで休憩できるかは分からないけど:笑)、3面の壁を跳ね上げ(クルマのボンネットのようにスタンドで固定)日よけ雨避けとし(どしゃ降り不可)、シートをリクライニングさせる。バイク走行時は、展開してた板を閉じ、開かないようにヒモで縛り固定する。
映像の、おそらく世田谷代田あたりの線路と並走してるその姿は、かなり荷台のブツが重そうで(てか重心が高そうで)ヨタヨタフラフラな走りっぷり。危なっかしくて誰も近寄らない。近寄りたくない。重いんじゃないんだろうか。もっと馬力のあるエンジンの方が。リクライニングシートはハズせなかったのだろうか。いろいろツッコミドコロはあれど、とにもかくにも作りあげたそのパッションが大事。
展開する板にビニールシートをロールして付けといて、跳ね上げ時にだらーんてビニールシート下げられるようにすれば、強い雨もしのげて、もっとプライベート空間が確保できるだろうに。
次に坂口氏が衝撃と影響を受けた路上生活者の鈴木さんの家の1/4縮尺断面模型の展示。ブルーシート、新聞紙などの重ね具合を忠実に再現されてる。本には掲載されてない鈴木さんの家の何がどこにあるかなどの詳細なスケッチもある。とにかくコトコマカで感心する。
そして坂口氏の真骨頂がココで発揮される。坂口氏は絵も描くのだけど、今回壁に展示された絵が圧巻!「造りすぎじゃない?」という彼なりの批判、人間の作ったあらゆる建築物の「過剰さ」を表現してるのだろうけど、ソレにしてもやり過ぎ感炸裂!分かりやすい例をあげれば漫画『AKIRA』のような緻密な絵だ。こちらはフリーハンドではあるけど、アレが壁にドン!だよ。この絵に対する集中力というか忍耐力というか執着、情熱、エネルギーはなんなんだろう?やっぱり彼からは突き抜けた人の狂気を感じてしまう。ただもう「おぉぉ、、、」と唸るしかない。ぜひ実物を観て唸って欲しい。
そして一番観たかったモバイルハウス!実物はケッコーデカい。2階分の高さがあるからね。中に入れるので(!)「おおー入れるの!」と意気揚々と足を踏み入れたがギシっとたよりなく床がきしむ。ベニヤ板貼ってるだけみたいな床だから足を踏み出すたびにギシギシ&若干の浮き沈み。そーっとしないと壊れるんじゃないか(笑)。でもまぁ来場者に「中に入ってよし」と許可してるぐらいだから、ちょっとやそっとじゃ壊れないのだろう。たださすがにロフトにつながるはしごは体重預けたらバキっと折れそうだ(昇れるけど)。室内は3畳ほどの広さで跳ね上げ式のベッドも設置されてる。ロフトがあってふきぬけで高さがあるので、思ったよりせまさは感じられないが、たぶんモノとちょっとした家具とか置いたら、やっぱりせまく感じるだろう。ちょっと老朽化した舟で生活してると思えば、慣れれば暮らせないコトもないのカモしれない。足回りが荷台用のキャリア(車)6ヶついてるだけなのも床がきしむ原因の1つだと思われるので、ジャッキ的なモノで地面と固定するとかサスペンション付きのキャリアにするとか、もう少ししっかりした足回りが欲しい。
2Fでコレだけ見応えのある情報量と物量で、あと3F4Fとどんだけ時間かかるんだろうなぁと思いながら、エレベーターで3Fへ。
その3へつづく