Last Live。
その人を初めてブラウン管で見た時「男のクセに化粧なんかして気持ち悪い〜」と、どちらかというと生理的に受けつけないキャラクターに馴染めない、という感じだった。今思えばワタクシの好きなジュリーも化粧してたんだけど(笑)。でも歌ってる内容とか、そもそも「忌野」なんていう、縁起でもないような名前が嫌だった。
出会いからしてそうだったので、ワタクシはその人の歌を積極的に聴くコトはなかったのだけど、そんなワタクシでも口ずさめる歌が数曲ある。いけないルージュマジック、スローバラード、パパの歌、デイドリームビリーバー。
彼はインディーズとかメジャーとか、まったく枠にも何モノにもとらわれず純粋に音楽を楽しんでたろうな、と思うしそう見えた。そしてこの先もずっと、あの軽妙な甲高い声で歌いつづけるモノだとばかり思ってた。
葬儀はしめやかに、、ではなく「ロック葬」という彼ならではの非常ににぎやかなモノだったという。たぶんその方が本人も喜んでるモノと思われる。たぶん多くの人が彼の歌に勇気付けられたり元気づけられたりしたのだから。コレから先も彼はそうしたかったのだろうから。
「ロック葬」の報道の一部始終を見て、コレは彼の最後のライブなんだろうな、と思った。たぶん、ミュージシャンなら自分の最後をライブでしめくくる、というのは「夢」なんじゃないかと思う。
たまに、時代が必要とするのか「音楽」という非物質的なモノが「人」という形を成して、我々の目に見える形で存在する場合がある。彼もそういう中の1人だったのだろう。彼はまた元の「音楽」という存在に形を変えただけなんだろう。そして彼の歌に勇気付けられた人の心の中で、いつまでもその音は鳴りつづけるのだろう。