バレーはどうなるのか?
女子バレー日本は準々決勝敗退ベスト8。男子全敗で予選通過ならず。女子は大会前は何とか銅メダル争そいに加われるのではないだろうか?という気持ちもあったが、やはり各国五輪に照準を合わせてきたようで、日本は「してやられた」ような気がする。
今までのワールドグランプリ、最終予選などは開催地がホームだったりするコトもあったりで、やはり日本にとって有利ではあったのかなと思う。見てる範囲の話だけど、日本は今まで一戦一戦精一杯やってる感じだった。しかしその「精一杯」がために「五輪に照準を合わせ」なんていう余裕しろがホトンドなかったように思う。じゃあ他国は手を抜いてたのか?というとそういうコトでもないが、少なくとも他国は五輪に照準を合わせて戦うコトができてたように思える。五輪では日本もかなり研究・分析されてたように思えた。
ただ女子は良くガンバったしやってきたと思う。アテネの時は吉原キャプテンという精神的支柱とも言える選手がいて、ソレに大山選手、大友選手、栗原選手という、わりと「個人」の力が目立つような印象だった。しかしそのアテネで吉原選手が現役を退いて、主将を託された竹下選手。ワタクシはハッキリいって竹下選手はキャプテン向きではないと思ってた。いや今でも思う。余計なお世話だが、性格的にというかなんとなく器ではないな、という。なんとなく竹下選手自身からもそう感じるトコロがある。でも、だからこそアテネ後4年間チームを束ねてきた、というのがスゴい!と思うのだ。自分に合わないコトを課せられて、でも自分がやるしかないと4年という長い期間、チームを引っ張って行った使命感。ワタクシはソレを竹下選手の表情なりプレイから読みとっていた。だからたとえアテネと結果は同じ、であったとしても意味合いは全く違うモノなんじゃないかなと思うし、できるコトはやりきった、悔いは無いんじゃないかなと思う。
ワタクシは竹下選手、高橋選手、リべロの佐野選手は世界でもトップクラスの選手だと思う。この3選手は観てて確実に安心感があった。竹下選手の的確なトス、日本が点が取れない時でも高橋選手なら何とかしてくれる、という期待感、そして佐野選手ならもう守備はOK、という。しかし五輪ではあの竹下選手でさえ崩されてたように見えた。コレがオリンピックというモノなのかなぁという思いで観てた。
五輪が始まる前から思ってたけど、女子はコレからどうするのだろう?と。たぶんもう竹下選手は少なくとも全日本の主将はやらないのではないか?と思う。現役は続けるにしても。主将としてはやりきった感があるのでは?と。あと今後の去就が気になる選手として高橋選手。高橋選手もまた失礼ながらチームを束ねるという立場には向いていないように思う。杉山選手?次回の全日本選抜の主将は誰になるのだろう、、。ソレは来年の話なんだろうけど。
そしてもし上の選手が抜けるとなると、コレまた失礼な話だが女子の戦力はガタっと落ちる。コレは否めない。たしかに栗原選手以下今回のスタメンで出てた選手の力はそのまま残るワケだけども、下が育ってない。一番大きいのは竹下選手の代わりをできるぐらいのレベルに達してるセッターがいないコトだ。「セッター」というのが非常に大きい。だからひょっとしたら「竹下主将続行」という線も有り得る。その場合、次からは「バトンの受け渡し」的な意味合いが濃厚になってくるのだろうと思う。
他でも言われてるように、チームプレー、コンビプレーを重視してきた負の部分、ソレは他の選手の育成だと思う。たしかにいつも同じメンバーで組んでいればレベルは高くはなっていけるのだろうけど、何かあった時の「替え」が利かない。事実、五輪前の大会でそういう場面はあった。いつものコンビではない噛み合わなさ、息の合わなさ。確実に戦力が一段落ち、二段落ち。そういう意味でも今回出てたスタメンの選手たちの負荷もそうとうなモノだったと窺い知れる。ただ他の選手まで同レベルにまで引っ張り上げる時間的余裕もなかったのも、ソレは観てる範囲内だけど分かる。いつも決まったメンバーで煮詰めたからこそ、今回ココまでの結果を残せた、というコトも言える。
よって次のロンドンを目指すには、選出した全ての選手を戦える選手にして、なおかつどのポジションでも対応できるようにしていかないと。攻撃のバリエーションを増やす意味でもソレは必須だと思う。あとサーブで崩せば、自分たちがいかにラクに戦えるかというコトは分かってると思うので、ソレを徹底した方がいいと思う。サーブで崩せば、相手の攻撃が限定される。そうすれば日本の対応もラクになる。相手の攻撃を絞りこむ、もしくは相手に「この攻撃をさせる」という、その攻撃しかできないように選択の余地を与えないような、試合を操るという戦い方ができるようになれば、なおのコトいいように思うのだけどどうでしょう。
一方、男子はもう五輪出場が決まった時点で終わってしまったように思える。外国の壁の高さをマザマザと見せつけられた。でも男子はまだ未来を感じる。というのも、下の世代の選手が粒ぞろいだからだ。荻野選手はもう全日本選抜には加わらないらしいが、荻野選手はたしかに選手たちの精神的支柱ではあったけど、竹下選手のような「セッター」とかソコまでの重要な位置ではない。なので彼が抜けても女子ほどの戦力ダウンは無いように思える。そして確実に荻野選手の魂と情熱、荻野イズムは伝承されている。たしかに結果を見れば全敗。しかしまだ「伸びしろ」は十分にある。今回出場した選手たちも4年じゃ足りないくらい課題が山ほどあるコトは感じたと思う。今回の北京が五輪スタートで、次のロンドン、コレは日本はまた確実に出場を狙える。ソコで再びメダルに向かうコトができる。
荻野選手は長いコト待っただろうけど「バトンの受け渡し」をようやく今回できたように思う。植田監督もよく3年間かかって、失礼ながら「女子に比べて男子は、、」という観方しかされなかった男子を、よくココまで引っ張ってきたと思う。