『めがね』を観た。
1日は映画が¥1000で観れるので『めがね』と『ヱヴァ』を観てきた。まずは『めがね』の方。
小林聡美嬢&もたいまさこ嬢のコンビで、しかも『かもめ食堂』の次作のような作品(監督も同じ)というフレコミだけで、コレはもう期待せずにはいられないというか。
でもなんだろね。当たった次の作品てのはやっぱり期待の方が上回りがちだと思うので、実際観てみたら当初の期待値よりは1点減、という感じもある。なんかあまりに役者さんに頼りすぎだなーていう感じもなくもない。でもウラを返せば役者さんたちの力がスゴいとも言えるし。
もたいさんなんて、なんであんなただ自転車こいでるだけで笑えるんだろなぁー。あの人は絵がもつよなぁ。とにかくもつ。メガネの奥の瞼の垂れ下がり具合とかビミョーな笑みとか顔の表情とか筋肉とか佇まいとか。何考えてるか分からないから何も言わなくても何か言ってるような気がする。主人公の小林聡美嬢を自転車に乗せる時も、振りかえって何も言わないのに「お乗り」て聞こえるんだよハッキリと(笑)。ヘンなステレオとかドルビーなんたらよりハッキリとね。
話自体ももたいさん扮する桜さんあってこそだね。桜さんがいるからみんなが彼女のもとに集まってくるというか寄り添ってくるという。でもやっぱり桜さんだけ、じゃなくあの海とか自然全部ひっくるめてなんだろうけどね。メルシー体操てのも、あの体操は風とか波とかそういうのを身体で表現してるんだと思うし。だからメルシー=ありがとうなんだね、自然に対して全てに対して。
まぁでもあんな少ない素材で120分の作品を作ったもんだと感心する。観る前なんかどんな風に話が展開するのか想像つかなかった。長い時間もつのかなぁーとか思ったり。だって主人公の小林嬢が宿に泊まる、てだけでしょ。どう展開しようがあるのよ、て思ってたけどああーなるほどね、ていう展開ではあったな。
いろいろ考えればいろいろ考えて観れなくもないんだな。桜さんはおそらくこういう人で小林嬢と加瀬氏はこういう仲で、、とか。でもそういうのは深く詮索する必要ないね。「めがね」てのも役柄の「先生」と同じで「固さ」の象徴だとかさ、いろいろあるけど。だからそういう日常こびりついてるモノは取っ払いましょう、ココにいる間は、てコトだろね。彼らの治外法権なんだよな。でもいつまでもいられないから、またソレゾレの生活に戻ってく。で、また季節が巡ってきたら、日常の汚れを洗濯しにココにやってくると。
ただ1つだけ違うなーと思ったのは、加瀬氏がどうしたらたそがれるコトができるかを言ってたんだけど、たそがれるに理由なんか無いよなぁー。例えばおいしいコーヒーを飲んで、その美味しさに目のピントも定まらずドコをみるでもなくただボーーっとする。コーヒーじゃなくて海の青さとか揺らめく波とか沈む夕日を見ながらとかでもいいけど、そんな感じだよなぁー。そのボーーっとしてる間は何にも考えてなんか無いよ。あえて言うならその見てる海と一体化してるとか、宇宙と同化してるんだぁー(笑)とかね。そんな感じよ。