2006年のプロレス界について。
でも去年1年のマット界というのは、いろいろソコココで輝いてる部分もあって、去年に関していえばやっぱノアだし丸藤選手だし、そして鈴木みのる選手。
ノアは一昨年はかなりグワっといけいけな感じだったけど、2005年が盛りあがったので2006年は下降するだろう、、なんて思ってたのだがフンばった。しかもハイスパートレスリングをもっと推し進めた形でね。あそこまで行ったら、次何やるんだ?て話ではあるが、結局丸藤選手を筆頭にノアのジュニア勢が打倒ヘビーに燃えてたのが、ヘビーにも火がついて、いい方向に全体の底上げにつながったんだと思う。だからノアに関しては、せっかく全体がレベルアップしたんだから、今年はジュニアならジュニア自体をより充実させていった方がいいように思う。より高度で密度の高い試合ができるんだと思うし。あとはROH勢との本格的な絡みが楽しみだね。
に比べてといっては失礼だけどドームのTVを見て、全日と親日が組んでやっとノアと互角ぐらいのレベルなんだよな〜、という感じ。全日本はまだ面白いしガンバってるからいいんだけど、新日本は面白くないねぇ〜。せっかく真輔が帰ってきてもな〜んかくすぶってる感じが否めない。活かされてない。戦う相手がいないよねショーミな話。たぶんソレは中邑選手自身が一番感じてるコトだと思うけど。燃えられる相手がいないと。そりゃ川田選手もああ言うよな、て感じ。もったいないよね。
新日本は選手をもったいない使い方をしてるんだよ。せっかくジュニアが盛りあがってるのに、ノアみたいな持っていき方もできないし、まー昔から親日はジュニアはジュニア、ヘビーはヘビーで分けて考えてるからね。ヘビーでいいのは強いて言えば永田選手だけ。しかも部分的にだけ。あとはバーナード選手にしろ誰にしろ観てて面白くない。本領を発揮していない。ストーリーづくりがヘタなんだよな。特に親日の場合、ビッグマッチ終わったらソコでリセットされちゃう。点で終わって続いていかない。
もっとさー、半年ぐらいタメにタメて爆発させるようなシングルマッチとかやればいいんだけど、今の時代この「タメにタメて」というのができないんだろうなぁー。観てる側がガマンできないというかこらえ性がないというか。でも真のプロレスファンならこのタメにタメてる間も含めていろいろ楽しむコトができるんだよな。昔てそんな感じだったじゃない。今見たいにに矢継ぎ早にビッグマッチ組んでるから、焦点が定まらないしハイ次ハイ次て感じで重みもないしネタも尽きると。軽いんだよね、フワっとして。もっと半年ぐらいじわじわ熟成させないと。そのくらいの感じでも十分通用すると思うんだけどなー。逆にね、今の時代。プロレスこそストーリーが重要だよ。
結局その団体に流れる空気なんだろうね、興行てヤツは。ライブであり生きモノでしょ。たぶんノアの場合は三沢選手が社長やってるてのもあり、そのまわりにいるスタッフの人たちとかが流れる空気をよく掴んでると思うんだよね。全日本もソレができるようになって、TVが打ち切られる直前までは一番面白かったし。
2006年のプロレス大賞のMVPをとった鈴木みのる選手というのは、プロレスを思いっきり楽しんでるよね。ソコがいいし、ソレに尽きるカモしれない。ワタクシは鈴木選手のパンクラス在籍時から、その前の藤原組まで知ってるけど、なんかカッコつけな感じであんまり好きじゃなかった。まぁソレにはもう1人船木選手というライバルが存在してたからだけども。だから船木選手が引退した時点で、同時に鈴木選手もパンクラスで居場所がなくなったと思った。
ちなみに「秒殺」て言葉はこのパンクラスという団体から、週プロで盛んに使われ出した。「おちる」とかもそう。若い時てのは何でも削いでく形なんだよね、求めるモノが。あらゆる贅肉を削いだ形がパンクラスで、ワタクシもその異質さと研ぎ澄まされた世界観は好きだったけど、年を取ってくと今度はムダなモノでも自分に取りこめるんだよね。「自分の何たるか」がある程度分かったから、ソコさえ見失わなければ今度は何でもできる。昔は毛嫌いしてたモノに抵抗がなくなってく。こだわりが最大限なくなる。ソレが鈴木選手の場合、振れ幅がめちゃくちゃ大きかったんだと思う。自分の居場所がなくなって何にもなくなったと思ってた時にライガーと戦って。アレは健介でもちがったんだろうな。まだ終わるな!てコトだったんだと思うね。
いわゆるプロレス界では異質な存在だったし、ソレはプロレスラー的には光栄なコトだろうし。ソコからはスポンジのように吸収してったんだと思うし、その吸収具合をファンやまわりが見てて面白いなぁ鈴木と思っただろうし。
ワタクシは鈴木選手のファンというほどでもないけど、やっぱ見ちゃうよね。だってまわり面白くないじゃん!て話。まわりが面白くないから、輝いてる一部のレスラーがより目立つんだよな。鈴木選手の場合は正論を言うし。ああいうチョイ悪的な感じだから、逆にああいう発言が目立ってくる。好意に取られるてのもある。大谷選手が言い出した「いい試合をする」てのもなんか昔から違和感あった言葉だし。いい悪いて観る側が判断するだけだしな。ともすれば仲良しこよし的な試合になりがちなんだよ「いい試合」を目標にすると。やる側と見る側でソコが合うてコトもなかなかムズかしいんじゃねぇーかと思う。やる側は満足できた試合でも見る側はイマイチとか全然ありえる。だったらそんなコトより自分が面白ければいいじゃん!ていうのが観てる方にも伝播したんだと思うね。自分はお客さんと戦ってるんだ!ていう姿勢。そういう発言はコトあるゴトに明言してるしね。だから鈴木選手には異質なままでいて欲しいし、表現者なら彼から感じるトコロはあると思う。
そもそもプロレスてジャンル自体もそう。表現者なら参考になるコトがたくさんあると思う。