過去があるから今がある。石(意思)が積み重なってココにいる。
ムダなコトは1つもない。未来とは「今」の連続である。

へたな鉄砲数打ちゃ当たる。へたでも打たなきゃ当たらない!をモットーとする
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 やぎ本。⇒本が大好物なやぎのぢぇーむすくん(a.k.aかたこと)がオーガナイザーを務めるやぎの本棚、略して「やぎ本」。本や本にまつわる情報の紹介。神出鬼没でごくまれに登板します。
 ◇最新本◇  今年(といっても2021年だけど、、)読んだ本。後編 

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 Everyday39(エブリデイ・サンキュー)⇒katakoto cafe、やぎ本。につづくかたこと第3の架空のブランド。かたこと流に「毎日が楽しくなる」新たなアイデアを加えたグッズ関係のブランドです。
 ◇最新グッズ◇  『靴箱→ファイルボックスへトランスフォーム!』 

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 祝☆overcoat’s(オーバーコーツ)再結成記念!!  ワタクシが検索しやすくするため(笑)overcoat’sについて書いたブログをまとめて読めるようにしました。ブログタイトル下のカテゴリー「overcoat’s」をクリックしてね~☆
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田舎に泊まろう! 北九州7泊8日旅日記⑥。

ガタゴト揺られて豊前川崎に着いた。高い建物は1つもない町だが、駅まわりの車道は必要以上にゴージャスに整備されている。さーこっからはワタクシは知らない。まったく知らない。父親だけが頼り。しかもその頼りも「40年以上前の記憶」のみだ。ちなみに父親は本家の住所を知らない。
駅を出て本家に電話してみるがつながらない。何度しても。むぅぅ。。どうやら父親のメモした電話番号がまちがってメモしたらしい。ここで唯一の手がかりも消える。しばし立ちつくす親子。親子の脳内はかなりのんびりモードになってるので、あわてはしないのだが、ソレでもこの体たらくぶりにワタクシはいささかハラがたってくる。父親が記憶を呼び覚まそうと、とりあえず駅まわりを歩いてくるというので「勝手になさい」と告げる。その間にワタクシはガムを噛みながら何度か電話チャレンジ。出ない。てかツーツーゆって話し中なんだよなー何コレ、、。
父親が一回りしてきてあそこに川があったのは変わってないだの言う。駅の真ん前にある文具店は前からあったそうだ。
仕方がないので、タクシーに乗って景色を見ながら父親の記憶を呼び起こそうというコトになる。タクシーだけはうちら親子を先ほどからウェルカムしてドアを開けてる。乗りこんで「こんな探し方なんだけど付き合ってくれる?」的なコトを告げると運ちゃんは了解してくれた。
父親のおぼろげながら覚えてる風景や昔の地名を、運ちゃんは今の地名に翻訳しながら運転する。こういう時若い運ちゃんは役に立たない。おっちゃんで良かったと思う。かなり詳しいみたいだ。あとはこっちの記憶だけ。
この辺というのは昔、父親の少年時代は炭坑が盛んで、いわゆる炭坑の町だった。門司にいるばあちゃんにはじいちゃんがいたのだが、じいちゃんが若かりし頃は炭坑で働く坑夫だった。その頃の坑夫といえば花形職業だったらしい。落盤やら危険をともなう仕事で命懸けだからその分給料も高いワケだ。じいちゃんばあちゃん、父親の兄弟はその炭坑長屋に住んでいた。日本は戦後まもない時代であったが、じいちゃんは畑をもっていたので、いもやなんやで食べるのは困らなかったなぁとおいちゃんと父親は話していた。今は閉抗してずいぶん経つので、長屋はとっくになくなってしまっている。メインの炭坑という産業がない今は、何もない町である。
「この川はまだあるなぁ」「あったようななかったような、、」とか。運ちゃんも思い出しそうな場所へ、分からないながらも運ちゃんなりに連れてってくれる。さっき行った場所へまた戻ったり。こういう時「学校」てのは1つの重要なファクターではあると思うけど、でも学校なんてのは一番姿形がかわってしまうモノなんよ。ほらウチの近くの学校もキレイになっちゃったろ。学校なんて10年もすれば変わってしまう。だから「記憶を呼び起こす」には、あてにならない。こんだけ時間が流れると、建物とかより自然の形の方が不変なのカモしれない。
コンビニがあったのでいったん停車して再度電話トライ。ココでふと局番から入れて試してみると、、、かかった。。やっぱし。父親が「局番いらないよー」と言うので入れなかったのだけど、ワタクシの経験上こーいうコトは時々あったので局番を入れてみたのだ。コレてなんでなんだろーねぇ?同じ町なのに。とにかくつながったので今いるコンビニからそっちへ行くには、、と聞くと「ソレさっき通ったところだな、、」と運ちゃんが言う。やっと我々の迷走劇も終わりそうだ。
タクシーで細い道を上った先に懐かしい顔が見えた。1時間ほどでようやく本家に到着。運ちゃんにお礼を言う。
本家のばあちゃんは何度か会ったことがあるのだけど、じいちゃんには会ったコトがないと思うたしか。でも門司のばあちゃんの弟で、顔がそっくりなので初めて会った気もしない。本家にじいちゃんも陽気な人でよくしゃべる。その分ばあちゃんはあまり話はしないが安心感のある人。「まさかこっちに来るなんて思わんかったよー」とばあちゃん。タクシー珍道中を話し、今度来る時のために住所を書きとめる。コレで次からは大丈夫。
じいちゃんはパズルが趣味で、トイレを借りる途中パズルのやりかけがあったので話してみると、待ってました!という感じで得意げに話すじいちゃん。今やってるのは1500ピースなんだそうだ、1000ピース級の完成したのを数え切れないくらい積み上げている。完成させた後に両面にのりを何度か塗り重ねると、板のようになり持ち上げるコトができる。ちょっとやそっとじゃくずれな〜い♪(古っ)。ちゃんとまわりから攻めてパズルを仕上げる。コレだけ頭と手を使ってれば大丈夫だなぁと思う。できたの何枚かもってけというが、でかいのでさすがにいらない。
ワタクシは車があまり得意ではなく、長い時間あてどもなく乗ってたので少々気分がすぐれなかった。ソコで、出された昆布茶を飲んでみると飲みやすく「いいなぁコレ」と思った。体調悪い時の食欲ない時とか病み上がりの時にいいカモしんない。
1時間半ほど滞在し「んじゃーそろそろいくか」というコトになり、本家のじいちゃんばあちゃんに別れを告げた。帰路の駅までは歩くコトにした。なんのコトはない、歩いたら20分ぐらいの距離だった。
なかなか親の生家もしくは生まれた土地を、親と子供が訪れるというのもないのではないだろうか。事象だけを考えれば「ただ父親の生まれた土地に来た」というコトだけなのだけど、時の流れをより鮮明に感じるコトができ、なにより家族の歴史という時の厚みを感じる。単なる歴史の年表に記述される事柄に、血液が流れ出す。時間は止まるコトなく動いている。だから今の自分が、この時間ココにいるというコト、の理由の1つなんだと想う。
豊前川崎駅に戻り、次に我々が向かう地は彦山だ。