ターミナルを観た。
先週の金曜日にターミナルを観に行った。バイト先のおツボネさんは「試写会の女王」で、なんとターミナルの試写会当選ハガキが3枚も当たったらしい。すげぇ。まぁ日にちはバラバラなんで一番早い日はもちろんおツボネさんが行って、という形。
映画は、と言うと良かったね。ちょっと最後の20分ばかしはダレるんだけど。まぁ結論はすぐ分かるコトでソコに行くまでの、人との出会いとかやりとりとかが面白いワケで。次の日に偶然メイキングの番組をやってたんだけど、あのでかい空港はやっぱりセットなんだって。格納庫に5ヶ月かけて造ったんだってさ。舞台はホトンドその空港内で、限られた空間だけど限られた空間なりに「まーよくいろいろ考え付くね〜」というコミカルなアイデア満載で。ま、空港の建物自体ケッコー我々知らないからね、普通の人は。ブラックボックスというか、ミステリーゾーン。そんな未知の空間だから逆にいろいろと面白くできるのカナ、と思った。
話をかいつまんで書くと、トム・ハンクス扮する主人公のビクターの父親の好きだったジャズミュージシャンに会いに、ニューヨークへ行く。ビクターがアメリカへの入国手続きを空港でしようとしてると「アナタの国は無くなりました」。ビクターの祖国でクーデターがあって、国の存在がなくなったのでアメリカに入れません、という。政情不安なので安定するまでビクターは空港から一歩も出れない、とこーいう感じ。まったく自分の国とは違う人たちばかりで、話してる言葉もいくつかの単語しか分からず、孤独を味わう。別に監視人のスキをねらって、空港のドアの向こう(ドアの向こうはアメリカ)へ飛び出しても構わないのにビクターは出ていかない。入国管理局のえらい人も自分の昇進がかかっていて、ミスをしたくない。だから空港内でうろちょろされるより、「勝手に入国したヤツ」である方がそいつだけ「犯罪者」扱いで穏便に処理できる。ただビクターの人柄が「出てってもいいのに出てかない」という素直で純朴で正義感にみちてるので、えらい人も力づくでは追い出そうとせず、いろいろ頭を使ってアレコレやるんだけど、このあれやこれやが面白い!まーようするにビクターがめざわりなんだね。
ワタクシの持論で「人間というのは、生きてるだけで良いようにも悪いようにも誤解される」というのがあるんだけど、まさにそんな感じでビクターは空港で働いてるさまざまな人たちに、言いたいように言われる。でも煙たがってた人たちもそーでない人たちも、いつもソコにいるビクターに好感を持つようになり、ちょっとした空港の名物な人、になる。で恋のキューピッドをやったり、ビクター自身もスチュワーデスと恋に落ちたりして。
なんかねー、空港てスゴク限られた空間でしょ。なのにスゴク自由な感じ。結局この「空港」てのは出国して飛行機に乗って着陸してまだ入国してない、そーいう「法のすきま」というか「治外法権」な場という感じもするね。いろんな人種の人たちが一所に集まって。ココだけ「解放区」という感じダナ。でも限られてるけど、ソレでもいろいろ楽しく暮らせた空間から出ていかなければならない。ソコで一生暮らしてるワケにはいかない。出会いと別れ。出会った人に背中を押され、意を決してアメリカの地へ一歩踏み入れる、、。
なんで彼が「待つ」コトを選んだのか。ワタクシにはなんとなく分かる。イリーガルな方法を選ぶより「なら、とことん待ってやろうじゃないか!」というその気持ち。あと彼は自分の祖国を信じてたんだろうね。信じて待ってたんだろう。
人、というのはいつか来る「その時」というのを待ってる。「その時」を期待しながら生きている。ただ待ってるだけじゃなく、一歩を踏み出す勇気というモノも必要なんだ、というコトをこの映画は言っている。でも待ってる間、期待してる間てのが「幸せな時間」だったりするんだよね。
なんであー向こうの女の人とかてナチュラルに可愛いんだろうね?メイキングでトム・ハンクスが滑稽に歩いてる姿を、キャサリン・ゼタ=ジョーンズがまねていっしょになって歩いてるのとか見ると、あんな美形なのにあーいうコミカルな動きしたりとか、日本人には無いと思うね。あーいうセンスというかノリは、たぶん向こうのおばあちゃんとかでもあるよね。まーもちろん日本人は「奥ゆかしさ」とかが美徳だったりするけど(まぁあんまり奥ゆかしい人いねぇーけどさ:笑)、アメリカ的ではあるけど、あーいうナチュラルなのがホントの「可愛さ」なんじゃなかろかねぇ。取ってつけとか着飾ったりとかもいいんだけどさ。人間力ですよね。