正解はない。
昨日はエスプレッソの講座を受けてきた。前にイタリアンレストランでやってから約2年間、全くマシンに触れてなかったので、カラダが覚えてるかどーかとか、感覚的なモノが心配だった。頭ではわかってるんだけどね。だから講義がどーこーというよりは「マシンに触れる」のが嬉しい、というか触りたかった。ソレがメインの目的。
ココのマシンはラ・パボー二という、まー知ってる人は知ってると思うけど、昔ながらのレバーをグワッと下げて抽出する金属系のエスプレッソマシンがあるでしょ。アレは一応家庭用なんだけど(10万ぐらいする)、あのメーカーの業務用のやつがココにあって。ソレはレバーでガチャンじゃなくて普通の業務用のセミオート(半自動)タイプ。スタバとかにあるあのタイプね。そのパボー二の業務用マシンは日本でココ一台しかないんだってさ。だって聞いたコトないもんな。でもまぁ性能はあまり良くないて言ってた。技術的な経験値とかデータの蓄積とかはチンバリーとかに比べてやっぱり少ないだろからね、そんなもんでしょう。
でエスプレッソてのはほとんどマシン次第。エスプレッソを抽出する一連の流れの中で人が介入できる部分てのは、ホルダーに入れる粉の量の調節とタンピング(ホルダーに入れた粉をギュッと詰める作業。この力加減で味が変わってくる。)のみ。あとは全部機械まかせ。だから抽出前、開店前でのセッティングが重要になってくる。そして豆の状態というのも毎日同じ、ではない。前に書いたように毎年出来ぐあいが違うし勿論コンディションも変わってくる。その毎日変わってくる豆の状態によってマシンの調整が必要になってくる。
ワタクシが好きなチェーン店のカフェでSフレードザネッティというイタリア系のカフェがあるんだが、ソコにイタリアの人がいてその人いわく、日本で毎日同じエスプレッソの味を出すのは大変苦労する作業なんだそうだ。いわゆるこの日本の多湿な気候。この湿度がクセものなんだそうだ。まーだから根本的にはよそ様の国の文化とも言える飲み物を日本に持ち込む、てコト自体間違ってるのカモしれない。ソレは別にエスプレッソに限らずで、でも現在はソレを技術である程度補えるようになってきた、というコトなんだろう。
実技ではエスプレッソとカプチーノを作ったんだけどダメだね〜。この2つは自分の中に「コレ」ていう味のイメージが明確にあるんだけどできてませぬ。勿論久しぶりっつーのもあるんだけど、ソレより何より初めてのメーカーのマシンてのがね。マシンてのはメーカーごとに「クセ」があってそのこつを知らないと、納得できるモノはできないんだよね〜。だからやったはやったけどあまり参考にはならなかった。ホントに当初の目的の「マシンに触れる」コトだけ達成した、という感じで。
ココでは一応こーいう風にやるのが正解、というやり方を教わったんだけど、持論としてはハッキリ言ってマシンなんかどーでも良くて、ようは自分が出したい味が出せるかどーかなんだよね。だから間の手段はなんでもいいんだ。データの蓄積がないマイナーなメーカーだろうがチンバリーだろうが、家庭用のマシンだろうが自分が出したい、求める味が出せればソレでいい。コレはドリップコーヒーについても同じ持論。自分が抽出しやすくて、表現しやすいなと思ったらソレが正解なんだ。ただ強いて言うならば高いマシンの方が、表現したい味やお客さんの要望に答えられる可能性が高まりはするだろうけどね。何でもそーいうモノだと思うな。