過去があるから今がある。石(意思)が積み重なってココにいる。
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 ◇最新本◇  今年(といっても2021年だけど、、)読んだ本。後編 

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微熱の月。〜後編〜

今回は『TOUGH』の曲が多かったような気がする。「BROWN」「RADIO WAVE」なんてマイナー&マニアックな、橘いずみ上級編みたいな曲とか。あーいった曲が、アレは正式名称は何て言うんだ?ギターがワウワウいう音で。アレは「ワウギター」でいいんだろか?まー名前なんかどーでもいいんだけど、ワタクシはあの音とノリが前から好き。今回は「バンド」というコトでかなり多用してたな。やっぱり普段の何人かミュージシャンが出るライブとかアコースティックとは違って、ワンマンだからやれる曲、てのもあるんだろね。だからこそこんなアレンジでやりたい、とかね。
なんか橘いずみのライブの曲流れ、て始めの方はワリカシガーっと盛りあがるのを何曲か持ってきて、少しお話。でだんだん「ほんとはさ、、、」みたいな曲に流れていく感じがするな。この辺表現分かるカナ?今回新曲も何曲かあった。中には聴いてもすぐには理解できない、という曲もある。ソレは彼女の曲には珍しいコトではない。
普段の生活の中で我々が気にしながらも、流れ去っていく心の風景を歌にしていたり、そんな歌がいつしか穴ぼこにスポっとはまりこんだりする時がある。まるでソレはワタクシが↑に掲げたコトバのように、コレどこにハマるんだろう、、と気にしながら結局そのまま放置しているパズルのピース、みたいなモノだ。「わたしはココだよ」といつもそのピースは言っている。気付いて、と。彼女はそーいう歌を歌っている。
銀河、Hello,Hello、SHOOTING STAR、しあわせ、WINDOWなんていういつもの曲も勿論やったけど、「ゆっくりしっとり大人のロック」てのが印象に残った。もうこーいうのができる、というかこーいうのは30過ぎないとしっくりこないよね。男はクダケた音楽、女性はこんな感じにしっとりロックができる、という、味が出てくるのかな。30代、というのは一見「中途半端」だが、若さの勢いでガーッていうのもできれば、こーいうしっとり系でカッコいいのもできるのだ。セクシーぽいのとか。幅が広がる。
アルバム『TOUGH』までが第1期橘いずみ、とするならソレ以降の活動は第2期となる。第1期の中でもアルバム『十字架とコイン』を頂点にやや勢いが下降していく。下降、というより『十字架とコイン』以上のモノはあの表現ではムリだろうし、ワタクシ自身望まない。彼女自身もアレ以降「模索期」に入ったんだと思うんだよね。もしかするとホントに自分自身でやりたかった音楽がやっとできる、という状況であったのカモしれない。そしてCDのリリースが途切れる期間があって、第2期アルバム三部作『bellybutton』『Super Sunny Day』『深色』。ココでいろいろ試したり固まった音楽表現が、今回のライブで実を結んだように思える。ワタクシは今回ソレを期待していた。
彼女自身、最近やっと「音楽が友達になってくれた」と言う。その辺のしっかりと掴んだ実感、充実ぶりからある意味「集大成」というかそんなライブになるであろう、と予測した。だが彼女はソコにとどまらず「未来」を提示してきた。コレから私はコレで行きます!という方向性を感じ取った。ソレは彼女が「第1期」を過ぎてから積み上げてきたモノを確立して結実した結果。だからこそ「第1期橘いずみ」を支えてきたプロデューサー、須藤晃氏とまた再びタッグを組むコトができたんだろな、と思った。
アンコール曲は路上のルール。もはやこの曲は尾崎豊のカバー、ではなく橘いずみの路上のルールだ。完ぺきにモノにしてる、というかそんなコトバは超えている。ラスト、この盛りあがりで何を持ってくるのか、何を持ってこれるのか、と思っていたら、なんとファーストから「街を歩こう」を持ってきた。彼女の意図したコトは分からないが、ファーストから、というのはある意味ふさわしい。コレ以上ないだろう。ワタクシは生でこの歌を聴くのは初だったが、味わい深かった。
帰路、やっと月が雲間から顔を見せた。勢いでガーっと走ったまぶたを貫く太陽の時代は過ぎて、橘いずみは夜空に輝く月の光を手に入れた。彼女の新曲、サイレンでこんな歌詞がある。「あなたが見ているのは残像なのかもしれない、、」。いつまでも終わるコトのない夏の陽炎のような、そんなライブだった。