微熱の月。〜前編〜
9月28日、中秋の名月。だけど月は遠く雲の彼方。まだ姿を現わさない。
この日はシブヤO−WEST(旧ON−AIR WEST)で何年ぶりかわからないほど久しぶりな「ワンマンでバンドスタイル」の橘いずみのライブ。
向かい側の旧ON−AIR EASTはかなり様変わりしていてビビった。WESTは外見上変わってるトコはない。WEST自身は1年ぶりだろうか。かなり階下では人々がたまっており、整理番号順に観客を会場へと先導している。Bの49番。呼ばれたので会場へ続く階段を上る。
会場内は変わったトコロと言えば、せいぜい床がでかいチェック模様になったぐらいか。「EASTのついで」なんだろーな、と思う。ステージを中心に円弧を描いて観客が始まりを待っている。その円弧の頂点がくぼんでいたので体をスベリこませてみると、なんとこの位置はマイクに真正面じゃないか!と気付く。ラッキーなんだけど照れくさい、という「うれしはずかし」状態でいずみさんの出番を待つ。
HUE登場。次にいずみさん。真紅の照明「失格」。ライブが始まった。やっぱりド真ん中の真正面である。
HUE(ヒュー)は今回の「バンドスタイル」のバンドである。HUE(というのはいずみさんの元プロデューサーで現在の盟友、須藤晃氏のご子息でありミュージシャンであるTOMI YO氏を含むバンドである。親子二代に関わる、というのも面白くも不思議な感覚だろうな。いずみさんとTOMI YOさんとは去年の舞台「モンテクリスト伯」のかたや女優、かたや音楽製作、という関係から始まっており、尾崎豊トリビュートCDにも2人別々ながら参加している。そして今現在製作中のいずみさんのアルバムにも音楽面で関わられているらしい。というように要は勝手知った仲、だからそのバンドっぷりはどーだろーか?という点が注目すべきトコロだった。その片鱗が垣間見えるかどーか?