新日本とAEWは「雪解け」なのか?
sports.yahoo.co.jpKENTA選手がやってくれた!もちろん良い意味でだ。このコロナ禍の状況でしばらく盛り上がりに欠けてた新日本にとって、この一連の流れは果してビッグウェーブとなるか?
この記事の前に、先にモクスリー選手が新日本のマットに乱入してきたという件がある(すでに「収録済みだった映像」という噂もあり)。今回はその返礼としての、AEWにKENTA選手が乱入&モクスリー選手襲撃という流れ。コレはこの「コト」以上に大きな意味を含んでいる。しかもこの記事の動画はテレ朝によるモノ。テレ朝はもちろん『ワールドプロレスリング』放送局。説明は不要だろう。コレはKENTA選手の先走った非公認の行動ではなく、公式的な展開を意味する。
モクスリー選手がIWGP US王者のままコロナ禍に突入したため、1年間以上USベルトはアメリカに渡ったままである。その挑戦者としてKENTA選手も長い間待たされてきたが、今回の一連の流れにより、いよいよUSベルト前線が動き出したというコトだ。
単純に考えればソレだけのコトだが、コトはソレだけでは終わらない。
ケニー選手が新日本を離脱しAEW所属選手となってからは、ケニー選手やAEWへの言及は新日本側からは一切なかった。しかしコトここに来て、まず元タッグパートナーである飯伏選手がIWGP二冠王者となり、そして今回のKENTA選手の行動。ケニー選手はKENTA選手に「タッグを組もう」と呼びかけ、最近タッグを組んで試合をしたようだ。このところの事象は「点」ではなく、実は「線」でつながっているのではないだろうか?という妄想をついしてしまうのは、プロレスファンの性だろうか。
今回の一連の流れは、新日本とAEWの関係が、ココに来て「雪解け」になったというコトを意味するのだろうか?ソレともUS王座絡みだけの限定的な流れだろうか?
WWEから新日本に主戦場を移したKENTA選手は当初、必ずしも新日本の流れにハマったとはいいがたく、あまりパっとしなかった。本人の古傷の具合が芳しくなさそうに見え、彼自身自分のポテンシャルを最大限に生かせず、彼自身のファイトもかつてノアで活躍してた頃のトンパチ具合が鳴りを潜めていたように映っていた。長い間くすぶっているように見受けられたが、今回の件でものすごく重要なキーとなる位置にいるのカモしれない、とワタクシは考えている。
やっと新日本も彼の使い方というか、本来の彼の特殊な位置(アメリカ在住ながらときどき来日し、WWEでの活躍によって世界的に名が知れている)であり存在を生かせるようになったというコトではないだろうか。新日本がもともと彼に期待してる役割が「アメリカ市場の開拓」「日本とアメリカの橋渡しになってもらえたら」とするなら、いよいよソレらが本領発揮、となって動き出してるのがまさに「今」なのではないだろうか。
しかしコレはまだ「良い流れ」とばかりの見方もできない。逆に「KENTA選手がAEWに主戦場を移す」というコトも考えられるからだ。まだ安心は出来ない。
ワタクシは「KENTA選手はケガによって、道半ばでWWEから離脱したため、いまだにWWEに未練がある。だから日本に居を移さずアメリカに住んでいる」と思っている。いつかあわよくばWWEに復帰したい。そのステップボードとしての新日本、という考え方である。新日本で活躍していれば、いつかまた返り咲くコトが可能性としては0ではない、と考えているのではないかと。そしてこのコロナ禍、まだ先がどうなるか分からない流動的な状況の中、アメリカと日本を行き来して試合をするより、WWEではなくとも向こう(アメリカ)を主戦場に出来るなら、そのほうが本人にとっても負担は少ない。そう考えても不思議ではない。そのへんは新日本側も理解しているのではないだろうか。彼には彼の役割があるから、いまだにアメリカ在住であるコトも許してているのではないか、と考えている。お互いの利害が一致してるワケだ。
逆に、では日本に居を移して日本のリングを主戦場にするのも、ソレはソレで彼の世界的な知名度が生かせずもったいない、とも言えるし、普通にIWGPヘビー前線で活躍というコトも想像しづらい。新日本で中途半端な扱いのまま、いずれノアで彼自身の最終章、みたいな淋しい展開しか想像できない。だから彼にとっては今の選択はベターなのではないだろうか。
しかしコロナ禍という状況をひとまず置いといて、KENTA選手が担った役割を考えれば、やっとソレが今始まりつつある状況なのだから、ソレをほっぽりだして自分だけAEWへ行くというのも、かえって両団体の仲がさらに悪くなる方向になるので、ソレも考えづらい。彼の役割は、口火を切る役という意味でも、両団体にとって非常に重要な役割と言えそうだ。やはりこのコロナ禍で、AEWと新日本が「雪解け」によって手を組んで、巨人WWEに対抗していくという図式、のほうがしっくりきそうではあるが、まだ今は始まったばかりだ。果して上手く行くのだろうか。
あとついでにこんなコトも思いついてしまったのだけど、飯伏選手がIWGP二冠を奪取したのは(飯伏選手に新日本側がIWGPを持たせたのは)AEWやWWEなど他団体への流出を防ぐ意味合いもあるのではないか?と。しかし飯伏選手自身が「もう新日本でやるべきコトもなくなったな、、、」と思えばソレまでである。かつてのケニー選手のようなコトにならないとも限らない。最終的には選手自身の意向になるだろうし、尊重されるべきだとは思う。ケニー選手も拒む理由は無いだろうし、むしろウェルカムだろう、、。だから以前に棚橋選手が飯伏選手に対して「覚悟」をせまったのではないのだろうか。「おまえはこの新日本を背負っていく気はあるのか?」と。もしかしたらあの頃ぐらいから飯伏選手IWGP戴冠や今回の件のハナシが始まっていたのカモしれない。
新日本に限らず今の時代、日本で活躍してる選手に対してWWEやAEWなどが目を光らせてるというコトを前提に考えるべきである。常にツバつけようとしてると。日本の団体、とくに新日本はそういった「目」「(=引き抜き)からも選手を守らなければならない時代だ(もちろん選手本人の意向はあるにしても)。ソレには1つはギャランティであり、やりがいであり、他の団体にヒケを取らないような環境が必要になってくる。だから団体の規模は拡大傾向になる。そういった意味でも今回の件も関係なくはないと言えるのカモしれない。